チョコレートとコーヒーが織りなす、甘くてほろ苦いハーモニー。金箔が載せられたそのさまはまさにゴージャス。
まるで舞台芸術オペラのような高貴さに、思わずうっとりしてしまう。
フランス菓子「オペラ」は、味わいも見た目も“舞台映え”するスイーツの代表格です。

さてこのオペラ、名前に“オペラ”ってついていますが、どんな意味があるのでしょう?また英語でどう表現するのでしょうか?

この記事では、フランス菓子オペラのルーツ、英語での表現方法、今日から使える英会話フレーズまで、たっぷりご紹介しますので
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

オペラとは?

オペラは、マカロンやクレームブリュレ、モンブランと並ぶフランスの伝統菓子のひとつです。
生地とクリーム、ガナッシュが幾層にも重なる美しい断面と、グラサージュされた艶やかな表面に飾られた金箔。
見た目も味も芸術的で、フランス菓子の中でも「気品」「重厚感」「美しさ」を兼ね備えたケーキの代表格といえるでしょう。
ちなみにグラサージュとはフランスのお菓子技法のひとつで、ケーキやムースに糖衣でコーティングを施し光沢を出すことです。
また断層の数は作り手により異なりますが、その精緻さからオペラは「一度は挑戦したい憧れのケーキ」としても知られています。

「オペラ」はいつ誕生した?名前の由来は?

「オペラ」はいつ誕生した?名前の由来は?

フランスの伝統菓子のひとつとして知られるオペラは、いつ頃、どこで誕生したのでしょうか。
また「オペラ」という名前は舞台芸術のオペラと何か関係しているのでしょうか。
ここでは、フランス菓子オペラの歴史と名前の由来をくわしく紹介します。

オペラの歴史

オペラは「1955年にパリの老舗パティスリー『ダロワイヨ(Dalloyau)』で誕生した」といわれています。
具体的には、ダロワイヨの親戚のパティスリーの看板商品だったクリシーというお菓子を「オペラ」と改めたのが始まりだそうです。
そのクリシーを考案したのはダロワイヨの親戚ではなく、もともと別のパティスリーのレシピだったんだとか。
それでもオペラをこんなに有名なお菓子にしたのは、ダロワイヨであることは間違いないでしょう。

オペラの名前の由来

オペラという名前の由来は「パリのオペラ座ガルニエ宮にちなんだもの」という説が広く知られています。
その理由もいくつかありますので、紹介すると…

  • オペラの何層も重なる美しい断面がオペラ座の観客席に似ている
  • 表面に飾られた金箔の豪華さがオペラ座のイメージにつながる
  • オペラ座のエトワールや練習生たちに捧げた

オペラという名前はやはり舞台芸術オペラと関係していたんですね。
オペラ座の荘厳さ、階層構造の美しさ、それをチョコレートとコーヒーのハーモニーで表現したのがこの「オペラ」なんです。

オペラは英語でなんと言う?

「オペラ」はいつ誕生した?名前の由来は?

オペラは英語で「Opera cake」と言います。(フランス語:Opéra)
ここでは、オペラに関連した英会話を紹介します。
日常会話として今日からでも使えるものなので、ぜひ覚えてくださいね。

Aさん
You know, the way people eat Opera cake really shows their personality.訳)オペラの食べ方って性格出るよね
Bさん
What do you mean?訳)どういうこと?
Aさん
Well, you eat it layer by layer—so careful and precise. It totally matches your personality.訳)君って一段ずつ食べるだろ。慎重な性格が表れてるな、って思ってさ
Bさん
(Watching A eat) Yeah… And you just bulldoze through it like heavy machinery. Bold and completely reckless.訳)(Aの食べるさまを眺めながら)「ああ、たしかにね。あなたは断層を重機のごとく砕いて食べるもんね。大胆で後先考えない性格というか」

英語で冗談を言ったり、相手を笑わせたりするのはそんなに難しいことではありません。
私は日本語なら面白い人間なのに、って悔しい思いをしている人って意外と多いんです。
ユーモアを交えた表現を使って、どんどん会話を楽しめば、英語力に自信がつきますよ。

映画やドラマ、アニメにも登場するオペラ

実はオペラは、その美しさや象徴性からいくつかの映画やドラマ、アニメに登場しているのをご存じでしょうか。
どの作品においても、オペラは「繊細さ」や「豪華さ」また「特別感」を象徴する存在として効果的に使われています。
ここではオペラの登場する映画やドラマ、アニメを紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

①『リトル・フォレスト 冬・春』(日本映画)

この映画は、同名のコミックを「夏」「秋」「冬」「春」の4部作として実写映画化したものです。
内容は、一人の女性が、東京から東北の或る村”小森”に帰郷し、ほぼ自給自足する姿を豊かな自然と共に描いています。
オペラケーキが登場するのは「春」編の後半、主人公いち子が東京から戻ってくる直前の場面です。
そこでは、自宅のキッチンでスポンジを焼き、クリームを重ね、チョコレートで美しく仕上げていく一連の工程が静かに描かれます。
オペラは手間を惜しまない丁寧な暮らしの象徴として使われており、その尊さを視覚的に伝える印象的なシーンとなっています。

②『食戟のソーマ』(英語版タイトル:Food Wars! Shokugeki no Soma)(アニメ)

食戟のソーマは、日本のみならず世界でも人気のアニメ作品です。
オペラは、洋菓子対決の回で主人公・幸平創真のライバル、タクミ・アルディーニが披露します。
高い技術と美的センスを求められるデザートとして登場し、その完成度の高さに審査員たちが驚くという展開です。
「一度は挑戦したい憧れのケーキ」にふさわしい使われ方ですよね。

③バニラな毎日(小説・ドラマ)

バニラな毎日は、同名の小説をドラマ化したものです。
一人の若いパティシエが夢だった洋菓子店を開いたものの、経営が上手くいかず閉店を余儀なくされます。
そこに現れた個性の強い料理研究家と共に、閉店した洋菓子店で「お菓子教室」を開き、やってくる生徒が心に抱える痛みを、お菓子づくりで癒していく、という内容です。
第5話で生徒としてやってきた活動休止中の人気ロックバンドのボーカルが作りたい、と言ったのがオペラでした。
初心者には難易度が高すぎるため作中で彼がオペラを作ることはありませんが、主人公がオペラを作るシーンがあります。
丁寧に丁寧にオペラを作り上げる姿から、夢破れても好きなことに対して真摯でありたいという気持ちが伝わります。

まとめ

今回はフランスの伝統菓子であるオペラにまつわる英語やフレーズを、その歴史とともに紹介しました。
オペラは作る際の難易度の高さはもちろんのこと、見た目の美しさ、優雅さからいっても特別なお菓子といえます。
日本でもダロワイヨのオペラを味わうことができますから、機会があればぜひお店に足を運んでみてくださいね。
オペラにまつわる英会話も、覚えてどんどん使ってみましょう。
英語力をつけるには、覚えたら使ってみて、自分のものにしてしまうのが効果的です。
これからも美味しいお菓子や使える英会話、フレーズをどんどん紹介しますから楽しみにしていてください。
See you next time!

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