先日、ネット上のあるアンケートで「該当する項目にチェックを入れてください」と書かれていました。内容を見てみると、1つも該当項目がない…。仕方がないので、そのアンケートには回答せず、そっとウインドウを閉じました。
「該当なし」という選択肢がしっかりあるアンケートもありますね。「該当なし」を英語で何というかご存知ですか?
さて、そんなわけで今回のテーマは「該当」です。日本では「該当する」や「該当の○○」などとよく言いますが、これらを英語にすると何になるのか、詳しく解説していきます。「該当なし」の英語表現も解説しています。
また、記事の後半では「みなし」や「当該」など、該当の類似表現の英訳についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「該当」「該当する」は英語で何て言う?
英語で「該当」や「該当する」と表したいときは、“applicable”, “meet the conditions”, “corresponding”, ”relevant”, ”appropriate”の5語が適しています。
それぞれにニュアンスが異なるので、以下で詳しく確認していきましょう。
該当①:applicable
“applicable” は、「特定の条件に当てはまる」というニュアンスの「該当」を意味する表現です。発音記号は「ˈæplɪkəbl」、カタカナだと「アプラカブル(アプラカボー)」と聞こえます。
applicable は、「適用する、申請する」といった意味をもつ “apply(アプライ)” と同じ語源の言葉です。語末に「~できる」を意味する -able が付いていることから、「条件などが適用できる⇒該当する」という意味で使用されるようになりました。”applicable”はもともと”apply”から来ているため、「適用できる」という意味合いで、「該当する」が使われている場合に、”applicable”を使いましょう。
何か明文化された条件が合って、それにチェックが入る場合には applicant が使われるイメージです。
なお、applicable は形容詞なので、「~に該当する」という意味で使う際は “be applicable to ~” の形になります。
This guideline is also applicable to what you’re doing.
訳)このガイドラインは、あなたがしていることにも該当しています。
ちなみに、「該当なし」の意味で “N/A” という記号が使われることがありますが、これは “Not Applicable” の略です。また、文脈によっては ”Not Available(利用不可)” の意味で使われることもありますが、アンケートで “N/A”が出てきたら「該当なし」という意味で使われています。該当するものがなくてN/Aがある場合は、迷わずに “N/A”を選びましょう。
申請書を書いたりプレゼン資料を作ったりする際にも、”applicable” や “N/A”という表現は便利に使えるので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
Mirror, mirror, am I undoubtedly the cutest in the world?
訳)鏡よ鏡、世界で一番かわいいのは私で間違いないわよね?
Not applicable.
訳)該当なし
How rude this mirror is!
訳)何て失礼な鏡なのかしら!
The questionnaire said, “Please check all applicable items.”
訳)そのアンケートには、「該当する項目にチェックを入れてください」と書いてあった。
Did you check the applicable ones?
訳)君は該当する項目にチェックを入れたの?
No, I didn’t. Because I couldn’t find anything applicable.
訳)入れなかったよ。何も該当するものが見つからなかったから。
該当②:meet the conditions
”meet the conditions”「(その条件に)該当する」は、特定の条件に該当する(条件を満たす)の意味で使われます。
具体的にどんな風に使うのか、例文をチェックしてみましょう。
Aさん
If you meet the conditions mentioned above, you will receive a 10% discount on your payment.
訳)もし上記で述べられた条件に該当する場合、支払いの10%の割引を受けるでしょう。
“meet the conditions”で、条件に該当する(条件を満たす)という意味になります。
「条件を満たしていたら、割引が受けられる」というサービスは最近増えているので、いろんなコストをできるだけ安く抑えるために、どうすれば、条件を満たせるのかを考えた方がいいのかもしれません。
該当③:corresponding
“corresponding”も、correspoinding to ~として「(~に)該当する、対応する」という意味で使われます。具体的な例文をチェックしてみましょう。
Aさん
She drew a diagram corresponding to the instructions given in the textbook.
訳)彼女は教科書の指示に該当する図を描いた。
Aさん
The employees were assigned tasks corresponding to their areas of expertise.
訳)従業員にはそれぞれの専門分野に該当する仕事が割り当てられた。
“corresponding”は「~に該当する」という意味でも使われますが、「~に対応して、・・・した」という感じで使われることもあります。
Aさん
The data from the experiment were analyzed, corresponding to the different variables we measured.
訳)その実験のデータは、私たちが測定したさまざまな異なる変数に対応して、分析された。
最初の2つの文例と、3つめの文例では何が違うのでしょうか?
最初の2つの文例では、corresponding to ~が直前に名詞にかかっていますが、3つめの文例は、corresponding to ~の部分が、動詞 were analyzed にかかっています。
つまり、correspoinding to ~が「~に該当する」という意味で使われるのは、直前の名詞にかかって後置修飾をしている場合のみだと言えます。
該当④:relevant
“relevant” は、「それまでの会話内容と関連している」というニュアンスの「該当」を意味する表現です。発音記号は「ˈrɛləvənt」で、カタカナだと「リラヴァント」と聞こえます。
relevant は「~を関連付ける」という意味で有名な “relate(リレイト)” と同じ語源を持つ言葉です。そのため、何か基準となる会話や前例などが合って、それに関連するものを示す際によく使われます。
relevant は品詞でいうと形容詞なので、先述の applicant と同様、「~に該当する」という意味で使う際は “be relevant to ~” の形になります。また、「該当の○○」と言いたいときは “relevant ○○” とすることも可能です。
The information is not relevant to this project.
訳)その情報は、このプロジェクトには該当しません。
If you say something irrelevant to the question on the test, you will lose points.
訳)もしそのテストであなたがその問題に無関連のことを言ったら、あなたは減点されるでしょう。
該当⑤:appropriate
“appropriate” は、「ふさわしい、正しい、適切」というニュアンスの「該当」を意味する表現です。発音記号は「əˈproʊpriət」で、カタカナだと「アプロプリエイト」と聞こえます。
appropriate は「適切な」という意味の “proper(プロパー)” と語源が同じで、「加える」を意味する app(≒add)が付いていることから、より適切さを加えていく意味合いで使われます。
明示された条件があれば applicable、それまでの会話の流れがあれば relevant がよいですが、そうでなく感覚的に「該当する」と表現したい場合は、appropriate が非常に便利だといえるでしょう。
If you have appropriate books, please consider donating them to our institution.
訳)該当する書籍をお持ちの方は、当施設への寄贈をご検討ください。
If you don’t give appropriate answer to the question, you may lose the trust of your client.
訳)もしあなたがその質問に対して適切な答えを返さなかったら、あなたはクライアントからの信頼を失うかもしれない。
「該当の○○」を英語で何て言う?
日本語では該当に名詞を付けて「該当箇所」や「該当者」などと表現することも多いですね。これらについても、英語で何と言えばよいのか確認していきましょう。
「該当箇所」in English
英語で「該当箇所」を表す場合は、”applicable part” や “relevant part” と言うことが多いです。
それぞれの違いは applicable、relevant で説明した通り。つまり、applicable part は「条件を満たす該当箇所」、relevant part は「文脈に合う該当箇所」という意味でよく使われます。”applicable”と “relevant”で、ニュアンスの違いがあるので、意識して使うようにしましょう。
Please check the applicable section.
訳)該当箇所にチェックを入れてください。
Please read the relevant part carefully.
訳)文脈に合う該当箇所を注意深く読んでください。
「該当者」in English
英語で「該当者」と言いたい場合は、”eligible person”、”target person”、”candidate” がよいでしょう。
eligible person は、何かに参加する資格のある人の意味で、たとえば「今回のワクチン接種の該当者」のような文脈で使われます。「該当者」という表現以外に、「対象者」の英訳にも “eligible persons”が使われることがよくあります。
We are sending this letter to the eligible persons for the vaccination.
訳)今回のワクチン接種の該当者に、この手紙をお送りしています。
日本語では「対象者」となっていても、それが「参加する資格のある人」を指している場合には、eligible personsを使いましょう。
target person は、調査などの条件に当てはまる人の意味で、たとえば「今回の調査における該当者(対象者)」のような文脈で使われます。調査を行う側がターゲットにしている人を指しています。
The target persons in this survey are not informed of the purpose of the survey.
訳)今回の調査の該当者は、調査目的を知らされていません。
そして candidate はほかに「候補者」という意味でも有名な表現で、たとえば「部署異動の該当者」のような使われ方をします。
The candidate for department transfer, please gather in the president’s office at five.
訳)部署異動の該当者は、17時に社長室にお集まりください。
「該当」がよく出てくる文書の英語表現
次に「該当」「該当する」という表現が出てくる文書を英語で何というのか、確認しておきましょう。
アンケート
「該当」「該当する」という表現がよく出てくる文書の中で、最も代表的なものは、やはり何といっても、「アンケート」です。
「アンケート」”enquete” はフランス語で、英語では “questionnaire” といいます。”question” と “naire” がくっついたのが「アンケート」だと覚えると、覚えやすいと思います。
<使い方の例>
- fill in (out) the questionnaire 「アンケートに記入する」
- answer the questionnaire「アンケートに答える」
- have a questionnaire 「アンケートを行う」
応募フォーム
「該当」「該当する」という表現がよく出てくる文書の例として、「応募フォーム」も挙げられます。
「応募フォーム」は英語で “application form”といいます。
<使い方の例>
- Employment application form 「採用応募フォーム」
- Admission application form 「入学応募フォーム」
- Prize application form 「懸賞応募フォーム」
「該当」の類義語を英語で言ってみよう
最後に、「該当」という日本語に少し似た言葉である「みなし」や「当該」などを英語で何と言うかについても、詳しく確認していきましょう。
「みなし」in English
日本語ではよく「みなし○○」と言いますが、この語感に近いのは “assumed” または “deemed” です。
assumedやdeemed は「推測する」という意味の動詞 assume の過去分詞形で、日本語と同じ感覚で “assumed ○○” と使えます。たとえば、「みなし残業」であれば “deemed overtime working” と言えばよいでしょう。
Aさん
My base salary is set at the amount that includes 60 hours of deemed overtime working.
訳)私の基本給は、みなし残業60時間を含んでいる金額に設定されています。
overtime working は「残業、時間外労働」という意味です。
会社で正社員として働いて経験がある方は、契約条件に「みなし残業」という言葉をいう見かけた方もおられるのではないでしょうか。「みなし残業」が60時間ぐらいなら、許容範囲ですが、80時間や90時間となっている場合は、契約条件の見直しをお願いした方がいいかもしれません。
「当該」in English
「該当」をひっくり返した「当該」は、英語だと “in question” と表現できます。契約書などでは、”the said” を使うこともあります。「該当」が条件などの当てはまる様子を指していたのに対し、「当該」はそれらが当てはまる物や人そのものを表します。
question というと「質問」の意味が有名ですが、質問が繰り広げられる「議論」の意味もあります。そのため、”○○ in question” の形で使うことで、「議論の渦中にある○○⇒当該○○」の意味になるんです。
そもそも「該当」と「当該」は日本語で意味が違いますし、その英訳も違って当然なのですが、漢字の順番が逆になるだけで、日本語の意味も違ってきて、英訳も全く違ってきますね。
アンケートによく出てくる単語の英訳
「該当」や「該当する」という表現は、アンケートでよく使われます。大手企業のアンケートの英訳をする機会があった際に、どんな単語がよく出てくるかを知ったので、その英訳と併せて紹介します。
- 回答者:respondents
- 全体の満足度:overall satisfaction
- 使いやすさ:usability / ease of use
- フリーコメント:free comment
- データ集計:data aggregation
- データ分析:data analysis
- データの可視化:data visualization
企業は消費者や社員にアンケートをとり、その回答を基にデータ集計、データ分析、データの可視化を行って、新製品の開発、既存製品の改善や社員の労働条件改善・モチベーションアップに活用しています。データの可視化とは、データ分析の結果を適切なグラフなどを使って可視化することです。
そういった一連の作業をするのがデータアナリストやデータサイエンティストで、大手企業の場合、そういった専門職の人を雇っています。そういった専門職に就くためには、統計学やPython等のプログラミングを学ばなければなりません。
ChatGPTなどのAIがアンケートを作成し、アンケート実施後のデータ分析を行えるようになってきたとも言われていますが、まだまだ精度が高くなくて、人間の手による大幅な手直しや修正が必要なのだそうです。今後AIの精度が高くなってきたとしても、適切なプロンプト(指示)をAIに提示できるのは、専門職の人達だと言えますね。
まとめ
今回は「該当」「該当する」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
該当は英語では “applicable”、”meet the conditions”、”corresponding”、”relevant”、”appropriate” と言います。
条件に該当するなら ”applicable”か”meet” the conditions”か “corresponding”、文脈に該当するなら”relevant”、そして感覚的にふさわしいと感じるなら ”appropriate”を使うのが適切でしょう。
今回ご紹介したことを参考に、いろいろなものの該当について、英語でも表現してみてください。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!