先日、あるアンケートで「該当する項目にチェックを入れてください」と書かれていました。内容を見てみると、1つも該当項目がない…。仕方がないので、そのアンケートは受けず、そっとウインドウを閉じました。

さて、そんなわけで今回のテーマは「該当」です。日本では「該当する」や「該当の○○」などとよく言いますが、これらを英語にすると何になるのか、詳しく解説していきます。

また、記事の後半では「みなし」や「当該」など、該当の類似表現の英訳についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「該当」「該当する」は英語で何て言う?

「該当」「該当する」は英語で何て言う?

英語で「該当」や「該当する」と表したいときは、“applicable”、”meet the conditions”、”relevant”、”appropriate” の4語が適しています。

それぞれにニュアンスが異なるので、以下で詳しく確認していきましょう。

該当①:applicable

“applicable” は、「特定の条件に当てはまる」というニュアンスの「該当」を意味する表現です。発音記号は「ˈæplɪkəbl」、カタカナだと「アプラカブル(アプラカボー)」と聞こえます。

applicable は「適用する、申請する」といった意味をもつ “apply(アプライ)” と同じ語源の言葉です。語末に「~できる」を意味する -able が付いていることから、「条件などが適用できる⇒該当する」という意味で使用されるようになりました。”applicable”はもともと”apply”から来ているため、「適用できる」という意味合いで、「該当する」が使われている場合に、”assplicable”を使いましょう。

何か明文化された条件が合って、それにチェックが入る場合には applicant が使われるイメージです。

なお、applicable は形容詞なので、「~に該当する」という意味で使う際は “be applicable to ~” の形になります。

Aさん
This guideline is also applicable to what you’re doing.
訳)このガイドラインは、あなたがしていることにも該当しています。

ちなみに、「該当なし」の意味で “N/A” という記号が使われることがありますが、これは “Not Applicable” の略です。また、文脈によっては ”Not Available(利用不可)” の意味で使われることもあります。

申請書を書いたりプレゼン資料を作ったりする際に便利なので、この機会にぜひ覚えておきましょう。

Aさん
Mirror, mirror, am I undoubtedly the cutest in the world?
訳)鏡よ鏡、世界で一番かわいいのは私で間違いないわよね?
Bさん
Not applicable.
訳)該当なし
Aさん
How rude this mirror is!
訳)何て失礼な鏡なのかしら!
「該当する項目」という表現を使う文章についても、英語で表現してみましょう。
Aさん
The questionnaire said, “Please check all applicable items.”
訳)そのアンケートには、「該当する項目にチェックを入れてください」と書いてあった。
Bさん
Did you check the applicable ones?
訳)君は該当する項目にチェックを入れたの?

 

Aさん
No, I didn’t. Because I couldn’t find anything applicable.
訳)入れなかったよ。何も該当するものが見つからなかったから。

該当②:meet the conditions

”meet the conditions”「(その条件に)該当する」は、特定の条件に該当する(条件を満たす)の意味で使われます。

具体的にどんな風に使うのか、例文をチェックしてみましょう。

Aさん
If you meet the conditions mentioned above, you will receive a 10% discount on your payment.
訳)もし上記で述べられた条件に該当する場合、支払いの10%の割引を受けるでしょう。

“meet the conditions”で、条件に該当する(条件を満たす)という意味になります。

「条件を満たしていたら、割引が受けられる」というサービスは最近増えているので、いろんなコストをできるだけ安く抑えるために、どうすれば、条件を満たせるのかを考えた方がいいのかもしれません。

該当③:relevant

“relevant” は、「それまでの会話内容と関連している」というニュアンスの「該当」を意味する表現です。発音記号は「ˈrɛləvənt」で、カタカナだと「リラヴァント」と聞こえます。

relevant は「~を関連付ける」という意味で有名な “relate(リレイト)” と同じ語源を持つ言葉です。そのため、何か基準となる会話や前例などが合って、それに関連するものを示す際によく使われます。

relevant は品詞でいうと形容詞なので、先述の applicant と同様、「~に該当する」という意味で使う際は “be relevant to ~” の形になります。また、「該当の○○」と言いたいときは “relevant ○○” とすることも可能です。

Aさん
The information is not relevant to this project.
訳)その情報は、このプロジェクトには該当しません。
“relevant”の反対語は、”irrelevant“「該当しない、関連性がない」になります。
Aさん
If you say something irrelevant to the question on the test, you will lose points.
訳)もしそのテストであなたがその問題に無関連のことを言ったら、あなたは減点されるでしょう。

該当④:appropriate

“appropriate” は、「ふさわしい、正しい、適切」というニュアンスの「該当」を意味する表現です。発音記号は「əˈproʊpriət」で、カタカナだと「アプロプリエイト」と聞こえます。

appropriate は「適切な」という意味の “proper(プロパー)” と語源が同じで、「加える」を意味する app(≒add)が付いていることから、より適切さを加えていく意味合いで使われます。

明示された条件があれば applicable、それまでの会話の流れがあれば relevant がよいですが、そうでなく感覚的に「該当する」と表現したい場合は、appropriate が非常に便利だといえるでしょう。

Aさん
If you have appropriate books, please consider donating them to our institution.
訳)該当する書籍をお持ちの方は、当施設への寄贈をご検討ください。
“appropriate”を使った他の例もチェックしてみましょう。
Aさん
If you don’t give appropriate answer to the question, you may lose the trust of your client.
訳)もしあなたがその質問に対して適切な答えを返さなかったら、あなたはクライアントからの信頼を失うかもしれない。

「該当の○○」を英語で何て言う?

「該当」「該当する」は英語で何て言う?

日本語では該当に名詞を付けて「該当箇所」や「該当者」などと表現することも多いですね。これらについても、英語で何と言えばよいのか確認していきましょう。

「該当箇所」in English

英語で「該当箇所」を表す場合は、”applicable part” や “relevant part” と言うことが多いです。

それぞれの違いは applicable、relevant で説明した通り。つまり、applicable part は「条件を満たす該当箇所」、relevant part は「文脈に合う該当箇所」という意味でよく使われます。”applicable”と “relevant”で、ニュアンスの違いがあるので、意識して使うようにしましょう。

Aさん
Please check the applicable section.
訳)該当箇所にチェックを入れてください。

「該当者」in English

英語で「該当者」と言いたい場合は、”eligible person”、”target person”、”candidate” がよいでしょう。

eligible person は、何かに参加する資格のある人の意味で、たとえば「今回のワクチン接種の該当者」のような文脈で使われます。「該当者」という表現以外に、「対象者」の英訳にも “eligible persons”が使われることがよくあります。

Aさん
We are sending this letter to the eligible persons for the vaccination.
訳)今回のワクチン接種の該当者に、この手紙をお送りしています。

 

target person は、調査などの条件に当てはまる人の意味で、たとえば「今回の調査における該当者(対象者)」のような文脈で使われます。

Aさん
The target persons in this survey are not informed of the purpose of the survey.
訳)今回の調査の該当者は、調査目的を知らされていません。

 

そして candidate はほかに「候補者」という意味でも有名な表現で、たとえば「部署異動の該当者」のような使われ方をします。

Aさん
The candidate for department transfer, please gather in the president’s office at five.
訳)部署異動の該当者は、17時に社長室にお集まりください。

「該当」がよく出てくる文書の英語表現

「該当」がよく出てくる文書の英語表現

次に「該当」「該当する」という表現が出てくる文書を英語で何というのか、確認しておきましょう。

アンケート

「該当」「該当する」という表現がよく出てくる文書の中で、最も代表的なものは、やはり何といっても、「アンケート」です。

「アンケート」”enquete” はフランス語で、英語では “questionnaire” といいます。”question” と “naire” がくっついたのが「アンケート」だと覚えると、覚えやすいと思います。

<使い方の例>

  • fill in (out) the questionnaire 「アンケートに記入する」
  • answer the questionnaire「アンケートに答える」
  • have a questionnaire 「アンケートを行う」

応募フォーム

「該当」「該当する」という表現がよく出てくる文書の例として、「応募フォーム」も挙げられます。

「応募フォーム」は英語で “application form”といいます。

<使い方の例>

  • Employment application form  「採用応募フォーム」
  • Admission application form 「入学応募フォーム」
  • Prize application form 「懸賞応募フォーム」

「該当」の類義語を英語で言ってみよう

最後に、「該当」という日本語に似た言葉である「みなし」や「当該」などを英語で何と言うかについても、詳しく確認していきましょう。

「みなし」in English

日本語ではよく「みなし○○」と言いますが、この語感に近いのは “assumed” または “deemed” です。

assumedやdeemed は「推測する」という意味の動詞 assume の過去分詞形で、日本語と同じ感覚で “assumed ○○” と使えます。たとえば、「見なし残業」であれば “deemed overtime working” と言えばよいでしょう。

Aさん
My base salary is set at the amount that includes 60 hours of deemed overtime.
訳)私の基本給は、みなし残業60時間を含んでいる金額に設定されています。

「当該」in English

「該当」をひっくり返した「当該」は、英語だと “in question” と表現できます。契約書などでは、”the said” を使うこともあります。「該当」が条件などの当てはまる様子を指していたのに対し、「当該」はそれらが当てはまる物や人そのものを表します。

question というと「質問」の意味が有名ですが、質問が繰り広げられる「議論」の意味もあります。そのため、”○○ in question” の形で使うことで、「議論の渦中にある○○⇒当該○○」の意味になるんです。

まとめ

今回は「該当」「該当する」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

該当は英語では “applicable”、”meet the conditions”、”relevant”、”appropriate” と言います。

条件に該当するなら ”applicable”か”meet” the conditions”、文脈に該当するなら”relevant”、そして感覚的にふさわしいと感じるなら ”appropriate”が適切でしょう。

今回ご紹介したことを参考に、いろいろなものの該当について、英語でも表現してみてください。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!