“without”は「~なしで」「~しないで」という意味で、主に前置詞として使われる単語です。(副詞として使われることもあり、後ほど説明します)

何か(もの、人、状態)がない、何かをしないという状態を表します。

特に必要な何か、あって当然な何かがないというニュアンスです。

本記事では“without”の基本的な使い方と、似たような意味で使われる”except”, “instead of”との違いについても解説します。

では具体的にどのように使われるのか見ていきましょう。

“without”の意味や使い方

“without”の意味や使い方

“without”は「〜なしで」という意味の前置詞、副詞で、以下3つの使い方があります。

  • ものがなしで
  • 人がなしで
  • 状態がなしで

例文でそれぞれの使い方を確認していきましょう。

ものがなしで

“without”は、「ものがなしで」という意味で使われます。

例文をいくつか紹介します。

【前置詞】として“without”を使った例文。

Aさん
I went travelling without a ticket.
訳)私は切符を持たずに旅に出ました。
Aさん
I’m getting used to managing without a car.
訳)車なしでやっていくのに慣れてきました。

具体的な物でなく、抽象的な「もの」や「感情」にも使えます。

Aさん
I can’t live without your love.
訳)あなたの愛なしでは生きていけません。

Aさん
The meeting finished without any trouble.
訳)会議は何も問題なく終わりました。

Aさん
Without any surprise, he stared at the big snarling bear.
訳)別に驚くこともなく、彼はうなる大きな熊をじっと見ました。

“Without”は【副詞】として使われることもあります。

Aさん
There isn’t any water left, so we’ll have to manage without.
訳)水が残っていないので、水なしでなんとかしなければなりません。

これは”without water” の”water”を省略した文です。

”water”といちいち言わなくても文脈からわかるので、”water”を省いて”without”だけで表現できます。

Aさん
When you have no money, you have to learn to do without.
訳)お金がないときは、(お金)なしで済ますことを学ばねばなりません。

この”do without”は「なしで済ます」という意味で頻繁に使われる熟語です。

人がなしで

“without”は、「人がなしで」、つまり「人がいないで」という意味で使われます。

Aさん
I don’t know what to do without him.
訳)彼がいなければどうしていいのかわかりません。

Aさん
Won’t you be lonely without me?
訳)私がいなくなっても寂しくならないの?

Aさん
I couldn’t have done it without you.
訳)君なしではできなかったよ。(よく使われる決まり文句です)

状態がなしで

“without”は、「〜という状態がなしで」、つまり「何かをしないで」という意味で使われます。

この場合の“without”は【前置詞】なので、【動名詞(句)】が後に続きます。

Aさん
We had been sitting there for one hour  without speaking.
訳)私たちは1時間口もきかずにそこに座っていました。

Aさん
I’ll take it easy without doing anything.
訳)私は何もせずにのんびりします。

Aさん
She ran away with Tom without even leaving a note.
訳)彼女は何一つ書き残さず、トムと駆け落ちしました。

なお、この文章は

She ran away with Tom without so much as a note.

と書き換えられます。

“without so much as”は「〜さえしないで」という意味の熟語です。

例えば、“without saying thank you”「ありがとうさえ言わずに」を“without so much as thank you”と言い換えることができます。

“without”と似た意味の”except”との違い、使い分け

“without”と似た意味の”except”との違い、使い分け

“Without”と”except”は似たようなニュアンスで使われる単語です。

両方とも「何かががない」という意味です。

しかし大きな違いがあります。

”except”は「〜以外」や「〜を除いて」という意味の単語で、例外を意味します。

ある範囲のいくつかの中の「あるものだけ」を除くという意味です。

例文でどのように使われるのか見てみましょう。

Aさん
The whole family except my father is going traveling.
訳)父以外の家族皆で旅行に行きます。

家族皆旅行に行くけれど、父親だけ例外で行かないということです。

また、“without”と”except”を入れ替えると、全く違った意味になるので注意が必要です。

Aさん
Nobody can solve this problem without you.
訳)あなたなしでは誰もこの問題を解決できません。

→あなたが一緒にいれば、誰かがこの問題を解決できる

Aさん
Nobody can solve this problem except you.
訳)あなた以外でこの問題を解決できる人はいません。

→あなただけができる(誰もできないが、あなただけは例外でできる)

“without” には、「~以外」や「~を除いて」というような例外という意味はありません。「~なしで」「~しないで」の意味で使われることをしっかりと覚えておきましょう。

“without”と似た意味の”instead of”との違い、使い分け

“without”と似た意味の”instead of”との違い、使い分け

”Instead of”も「何かをしないで」の意味で使われます。

“without”も「何かをしないで」の意味でしたね。

では、「彼は今日学校に行かないで、家でテレビを見ていた」

この場合は“without”とinstead of” のどちらを使えばいいのでしょうか?

この場合は、「学校に行かないで」→「学校に行くかわりに」という意味です。

「〜のかわりに」は”instead of”を使います。

よって正しい言い方は、

He was watching TV at home today instead of going to school.になります。

ここでの注意点は、”A instead B” は AとBは同時にできない行為ということです。

家でテレビを見ることと、学校に行くことは同時にはできません。

よってこの場合は”instead of”を使います。

前述の例文

Aさん
We had been sitting there for one hour without speaking.
訳)私たちは1時間口もきかずにそこに座っていました。

この場合、座っていることと、話すことは同時にできます。よって”instead of”でなく“without”を使います。

まとめ

“Without”の意味や使い方、また似た意味で使われる”except”,”instead of”との違い、それぞれの使い方について解説しました。

日本語に訳すとは同じ意味でも、それぞれの単語の本来の意味、ニュアンスは異なります。間違って使うと、相手に通じなかったり誤解させてしまうこともあるので、ここでしっかりとそれぞれの意味と違いを確認し、自分でも英文を作ってみましょう。