“cute” は「可愛い」という意味が有名です。しかし、cute には「可愛い」以外に意味があることをご存知でしょうか。
ということで、今回のテーマは「キュート(cute)」です。
cute の表す「可愛い」以外の意味をご紹介していきます。また、よく引き合いに出される “pretty” との違いについても詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
これを読めば、cute という単語のイメージがガラリと変わること間違いなし。
それでは、早速始めていきましょう!
“cute” の表す意味とは?
“cute” の意味は何?と聞かれたら、もちろん「可愛い」と答えるのが正解です。しかし、だからといって必ず可愛いという意味になるわけではありません。
ここでは、cute が表す意味を5つに分けて、その全体像を詳しく確認していきましょう。
子どもや小動物が「可愛い」
cute の最も代表的な意味は、言うまでもなく「可愛い」です。中でも、小さな子どもや小動物など、小さい存在に感じる可愛さを表します。それ以外の可愛さの場合は、後述する “pretty” の方が適している場合もあるので注意が必要です。
My dog is cute.
訳)私の犬は可愛いんです。
物が「可愛い」
cute は、物が可愛いことを表す際にも使えます。しかし、それはあくまで、その物が子どもや小動物を連想させる場合に限ります。
たとえば、大人の着ている洋服を “It’s cute.” などと言ってしまうと、「子どもっぽい」という意味に受け取られてしまうこともあります。
日本では「イイネ」くらいの感覚で「可愛い」という言葉を使ってしまいがちですが、cute の場合は失礼にならないよう注意が必要です。
This teddy bear is cute.
訳)このテディベアは可愛いです。
異性が「魅力的」
cute は異性が魅力的であることも表せます。私たち日本人の感覚だと、男性に対して「キュート」と言うのは抵抗があるかもしれませんが、英語の cute なら男性でも全然OKです。
He is a really cute man.
訳)彼は本当に魅力的な男性です。
ただし、逆に大人の女性に cute を使う場合は少し注意が必要。場合によっては「子どもっぽく見える」と言っているように思われたり、異性としてアピールしているように受け取られる可能性があります。そのため、大人の女性を「魅力的」と形容する場合は、”attractive” や “charming” などを使う方が無難です。
人が「(ずる)賢い」
実は、cute には「賢い」という意味があります。とはいえ、それは大人の備える「落ち着いた賢さ(≒ smart)」ではなく、小さな子どもが持っている「ずる賢さ(≒ clever)」です。
そのため、「賢い」という意味の cute を大人の形容に使うと、褒め言葉ではなく皮肉っぽいニュアンスの表現になることもあります。使いどころには注意しましょう。
He has a cute way of making people his fan.
訳)彼は人々を虜にする賢い手段を持っています。
人が「気取っている」
cute は “get cute” の形で「気取っている」「生意気を言う」というネガティブな意味を表します。
なぜこのような意味になるのか詳細は不明ですが、上記の「ずる賢さ」に通ずるイメージが窺われます。子どもが時折見せる理知的な表情が、英語圏の人々には気取っていて生意気なものに見えるのかもしれませんね。
Don’t get cute with me.
訳)私に気取った態度をとるのはやめて。
“pretty” と “cute” は何が違う?
「可愛い」という意味を表す英単語として、“cute” と同様に有名なのが “pretty” です。
これらはほとんど同じ意味だと思われていますが、実はちょっとした違いがあります。詳しく確認していきましょう。
“cute” =キュンとくる可愛さ
先述のように、cute が表すのは基本的に子どもや小動物など、「小さなもの」に対して感じる可愛さです。特にその仕草などに「キュンとする」感覚が cute の本質です。
このキュンとする感覚の応用として、異性に対して「魅力的」という意味を表すようになったとも考えられます。
“pretty” =見た目の可愛さ(綺麗さ)
その一方、pretty が表すのは見た目の可愛さ(綺麗さ)です。
たとえば、子どもは一律に可愛いものですが、その中にも特に美形の子たちがいますよね。子役タレントや子役モデルなどをこなす子たちは、その代表例といえます。そんな彼ら彼女らの持つ可愛さが pretty です。造形が整っている可愛さといっても良いでしょう。
そのため、小さいものであっても「花」の可愛さは、cute ではなく pretty で表現する方が自然です。花はその見た目(造形)が可愛いのであって、仕草などにキュンとすることはありませんよね。
I like sunflowers. They are pretty.
訳)私はひまわりが好き。可愛いんだもの。
“pretty” は大人の女性にも使える
pretty は見た目の可愛さを表すため、子どもだけでなく、大人の女性に対して使うこともできます。その場合は、「可愛い」というより「美しい(beautiful)」に近いニュアンスを意味します。大人の女性に cute を使うと色恋の雰囲気を帯びますが、pretty であれば客観的に美人を褒める感覚で使用することが可能です。
しかし、男性に使うのはさすがに不自然です。敢えてニュアンスを言語化するなら「眉目淡麗な男性」といった感じでしょうか。相当な美男でもない限り pretty で形容するのは避けた方が良いでしょう。
You’re pretty.
訳)君って眉目淡麗だよね。
Are you kidding?
訳)マジで言ってる?
“cute” の関連表現
最後に、cute に関連した3つの表現を確認しておきましょう。
so cute =「めっちゃ可愛い」
“so cute” は cute を強調した表現としてよく使われます。日本語だと「めっちゃ可愛い」に近いニュアンスです。cute と同様、主に小さな子どもや小動物を形容する際に使われます。
ちなみに、cute 自体が男性より女性に好まれる表現ではありますが、so cute はほぼ間違いなく女性に使われる表現です。
Your baby is so cute!
訳)あなたの赤ちゃん、めちゃくちゃ可愛い!
how cute =「可愛すぎる」
“how cute” は so cute をさらに強調した表現です。あまりの可愛さに瞳孔が開く、「可愛すぎる」感覚を表します。
英文法には「how + 形容詞(副詞)」の形で「なんて~なんだろう」という意味を表す「感嘆文」というものがありますが、how cute もその一種です。後ろに主語動詞を伴う場合もありますが、how cute 単体で使うことの方が多いです。
ちなみに、こちらもほぼ間違いなく女性が使う表現です。
Did you see the cat? How cute!
訳)今の猫見た?可愛すぎる!
cutie =「かわいこちゃん」
“cutie” は「かわいこちゃん」という意味の名詞として使われます。cute 同様、小さな子どもや小動物を指して使うのが一般的です。
大人の女性に対して使うこともできなくないですが、しっかり関係性が伴っていないとセクハラと思われかねないので注意が必要です。
また、cute に「ずる賢い」という意味があったのと同様、cutie には「他人を出し抜くやつ」というネガティブな意味も存在します。
Hello, my cutie. How are you?
訳)やあ、かわいこちゃん。ご機嫌いかが?
What happened to you?
訳)何があったんだ一体。
まとめ
今回は、cute をメインテーマにお話ししていきました。
「可愛い」という意味で有名な cute も、実はいろいろな意味があることがお分かりいただけたでしょうか。今回ご紹介したことを参考に、いろいろなシチュエーションで cute を使いこなしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!