ある人にとって正しいことも、別の人にとって正しいとは限らないですよね。正しいって一体何なんでしょう…。

ということで、今回のテーマは「正しい」です。

ひとくちに「正しい」と言っても、その意味するところはさまざま。この記事では、代表的な5つの単語を取り上げて、それぞれの表す意味合いやニュアンスの違いを説明していきます。

これを読めば、「正しい」の正体が掴めるようになるかもしれません。

それでは、早速始めていきましょう!

「正しい」は英語で何て言う?

「正しい」という意味に相当する英単語は、主に以下の5種類です。

  1. right
  2. correct
  3. accurate
  4. exact
  5. true

一括りに「正しい」と言っても、それぞれの表す正しさは少しずつイメージが異なっています。これらの違いが見えるようになると、それこそ、より「正しい」英語理解に近づきます。

それでは、1つずつ詳しく確認していきましょう。

正しい①:right

正しい①:right

「正しい」という意味で最も多く使われるのが “right” です。発音記号は「rάɪt」、カタカナ表記だと「ライト」になりますが、Rを正確に発音しないと light(明るい・軽い)と聞き間違えられてしまうので注意しましょう。

right の表す正しさは道徳的規範など、何らかの基準に照らし合わせた正しさです。

Aさん
We should help people in need.
訳)私たちは困っている人々を助けるべきだ。
Bさん
That’s right.
訳)その通りだね(道徳的に)。

 

とはいえ、道徳的な正しさが常に正解とは限りません。

たとえば、3人のグループが分かれ道にさしかかっていたとします。そのとき、2人が右の道を、1人が左の道を選んだ場合、彼らはどちらの道を進むことになるでしょうか。

おそらく、多数決的に判断して、右の道を進むでしょう。このとき、彼らにとっては右の道が文字通り “right way(正しい道)” ということになります。実際に進んで左の道が正解だったのだとしても、その時点では右の道こそが彼らにとっての right wayです。

つまり、right が表す正しさとは、多数決で決められた正しさなんです。

そのため、時と場合によって、その場での多数派が何なのかによって、right の表す正しさは変わってきます。

Aさん
Money can buy everything.
訳)お金があれば、何でも手に入るさ。
Bさん
You may be right, but I think you are wrong.
訳)君は正しいのかもしれないけど、僕は間違ってると思うよ。

 

この例文にもあるように、right の対義語は wrong です。ぜひセットで覚えておきましょう。

ちなみに、right といえば「右」という意味が代表的ですよね。それがなぜ「正しい」という意味になったかについては諸説ありますが、個人的には「右が常に多数派だから」だと思っています。

いったい正しさとは何なのか…。

1つ目からいきなり深みに嵌まりそうなので、次のワードに行きましょう!

正しい②:correct

正しい②:correct

“correct” が表す正しさは、〇か×かの正しさです。

発音記号は「kərékt(kɜ:ˈekt)」、カタカナで表記すると「コレクト」ですが、RとLを間違えると collect(集める)になってしまうので注意が必要です。

あまり知られていませんが、correct の語源は「まっすぐにする」というラテン語です。まっすぐか曲がっているかは、基本的に誰が見ても明らかですよね。そのため、correct が示す正しさは、客観的に判断することができる正しさとなります。テストにおける正解といったイメージがわかりやすいかもしれません。ちなみに、対義語は “incorrect(不正解な)”です。in- を付けることで否定の意味が加わります。ぜひセットで覚えておきましょう。

Aさん
He always tells us correct information.
訳)彼はいつも正しい情報を教えてくれるよね。
Bさん
He is what you call “a walking dictionary.”
訳)ああいう人を「生き字引」って言うんだな。

 

とはいえ、そんな correct の正しさも、未来永劫変わらないとは限りません。鎌倉幕府の創設年号が1192年から1185年に変わったように、客観的な正解といえど、それが常に真実である保証はないので、過信は禁物です。

正しい③:accurate

正しい③:accurate

accurate は、correct をさらに正確にしたようなイメージです。ダーツでたとえるなら、的に当たった状態が correct で、的の中心付近に当たった状態が accurate です。

発音記号は「ˈækjʊrət(ˈækjɜ:ʌt)」、カタカナで表すと「アキュレイト」となります。

accurate は正確性が高い表現であるため、数値的な正しさや、精密で狂いがない状態を表すときに多く使われます。

Aさん
My watch is always accurate.
訳)私の時計はいつだって正確です。

 

ちなみに、対義語は “inaccurate” で、「不正確な」という意味を表します。

正しい④:exact

正しい④:exact

exact が表すのは、2つのものを重ね合わせて寸分の狂い無く一致するような、細部まで整った正しさです。先ほどと同様にダーツでたとえると、exact は的のど真ん中(BULL)を射抜くようなイメージです。

発音記号は「ɪgzˈækt」、カタカナ表記すると「イグザクト」となります。

Aさん
I want to know the exact amount of the next bonus.
訳)次のボーナスの正確な金額が知りたいな。

 

また、exact を副詞にした “exactly” は、単体で使うことで「まさに!」と膝を打つような気持ちを表現することができます。” That’s right(その通り)” のパワーアップバージョンです。

Aさん
Nothing comes of nothing.
訳)無からは何も生まれないよね。
Bさん
Exactly!
訳)まさに!

 

exact の対義語も、これまでと同じ流れで “inexact(不正確な)” となります。とはいえ、ここまで来ると正確さのハードルがだいぶ高いので、inexact という表現が日常会話で使われることは滅多にありません。

正しい⑤:true

“true” が表すのは「真実」としての正しさ。ここまでの4つがすべて比較の上で成り立つ正しさなのに比べて、true は比較無し、神に誓って良いレベルの純粋な正しさです。

発音記号は「trúː(tɹuː)」、カタカナでは「トゥルー」、日本でも馴染み深い単語ですね。

Aさん
The rumor must be true.
訳)その噂は真実に違いない。

 

ちなみに、true の対義語には “false(虚偽)” が使われるのが一般的です。日本語で言う「正誤問題」のことを、英語では “true or false” と表現します。

まとめ

今回は、「正しい」と訳される5つの単語について確認しました。

ある人にとっては正しいことでも、他の人にとっては間違っていることもあり、正しさというのは一枚岩ではありません。客観的な正しさも大切ですが、自分にとっての正しさも見失わないようにしたいですね。

今回ご紹介したことを参考に、それぞれの正しさの種類を「正しく」見極めていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!