香港に仕事で駐在することになったり、旅行に行く計画を立てたりしている方は「英語が通じるの?」「中国語が話せないけれど大丈夫?」などと疑問を持っている方も多いでしょう。
香港が以前イギリス領であったことは有名な話ですが、実際、どのくらい英語が通じるのか不安に感じる方も少なくありません。
そこで今回は、香港の特徴や英語がどのくらい通じるのか、香港人の話す英語の特徴などを解説します。
「香港」ってどこ?どんな国?
香港は英語で「Hong Kong」と言います。
香港は中国の南東部に位置する特別行政区であり、独立した国ではありません。中国の一部ですが、独自の政府と法律体系を持っています。この体系は「一国二制度」として知られ、中国本土とは異なる一定の自治権を香港が持っています。
なお、香港は元々イギリスの植民地でしたが、1997年に中国に返還されました。それ以後、「一国二制度」のもと、香港は中国本土とは異なる、自由度の国の形を持っていることが特徴です。
たとえば、言論の自由や裁判の公正などが保護されています。また、香港は経済の自由度も高く、国際的な金融の中心としても有名です。
観光の観点からも香港は非常に魅力的な地域で、美しい自然環境、豊かな文化、ユニークな伝統、そしておいしい料理が楽しめます。一方で、政治的な面では、近年香港では中国本土政府と市民の間で緊張が高まっています。
香港の公用語は?
香港の公用語は、中国語(広東語)と英語です。
広東語は、地元の住民の大部分が話す言語であり、日常のコミュニケーションの多くは広東語で行われます。そのため、広東語は香港の多くのメディアや看板で使用されています。
一方、英語も香港の公用語の一つであり、ビジネスや政府、法律などの公的な場や国際的なシーンで広く使用されています。香港は長い間イギリスの植民地であった名残りから、現在でも第二外国語として小学生から英語教育が始まり、中学・高校でも英語教育に力を入れています。さらに、公文書や法律文書、公共交通機関の看板などは、広東語と英語の両方で記載されていることが多くなっています。
このように、香港は多文化であり2つの言語が共存している国であることが特徴です。
香港で英語は通じる?
香港は長くイギリスの植民地であったことから、英語が通じやすく、特にビジネスシーンや、ホテル、レストラン、ショッピングモール、観光スポットなどでは英語でコミュニケーションを取れます。
また、公共の場や交通機関でも、看板などは広東語と英語の両方で記載されているため、旅行や駐在で訪れた際に英語が通じなくて困ることは少ないでしょう。
ただし、地域やシーンによっては英語が通じないこともあります。
たとえば、年配の方を会話するときやローカルマーケットのような地元に人しか来ないような場所では、広東語しか通じないケースも少なくありません。そのため、ローカルエリアを訪れる予定があるなら、英語をベースとして、基本的な広東語のフレーズを覚えておくとをおすすめします。
香港人が話す英語の特徴
香港人が話す英語は、母語の広東語の影響から独特のアクセントと特徴があると感じる方もいます。
【発音・アクセント】
香港人が話す英語のアクセントは、以下のような特徴があります。
・RやLの発音が類似してしまう
・Thの音がfやvのように聞こえる(「think」が「fink」と聞こえるなど)
・語尾の子音の発音をしない(「east」が「イー(ス)」、「stop」が「ストッ」と聞こえるなど)【文法・語彙】
・付加疑問文を特有の方法で使う。(「Is it?」や「Right?」を文末に追加して確認を求めるなど)
・アクセントの使い方がネイティブとは異なる(単語の後ろを強く発音する傾向がある)
このように、香港英語はネイティブとは異なる特徴があります。初めて聞くときは戸惑うかもしれませんが、ポイントを押さえておくことで十分理解できるでしょう。
香港へ旅行したときに使える英語例文
最後に、香港に旅行へ行ったときに使える英語例文をシーン別に紹介します。
【香港のレストランでオーダーするとき】
こんばんは!香港レストランへようこそ。今日は何をお手伝いしましょうか?
こんばんは。2名用のテーブルをお願いします。
かしこまりました。こちらへどうぞ。テーブルです。始めにお飲み物をご注文されますか?
ありがとうございます。ホワイトワインを1杯と、2人分の水をお願いします。
かしこまりました、ホワイトワイン1杯と水を2つですね。お食事のご注文はお決まりですか、それとももう少し時間が必要ですか?
もう少し時間をいただければと思います、ありがとうございます。
【香港のホテルでチェックインするとき】
こんにちは!香港ホテルへようこそ。何かお手伝いしましょうか?
こんにちは、田中で予約をしています。
ありがとうございます、田中様。予約が確認できました。パスポートをお見せいただけますか?
もちろん、どうぞ。
ありがとうございます。お部屋は1203号室になります。こちらがお部屋のキーです。朝食は1階のダイニングエリアで、午前7時から10時まで提供しています。ごゆっくりお過ごしください!
まとめ
今回は、香港の特徴や英語がどのくらう通じるのか、香港人の話す英語の特徴などを解説しました。
香港はイギリスの植民地だった名残から、広東語と英語の二つが公用語となっており、ビジネスシーンや観光地、公共交通機関などでは英語が通じます。しかし、ローカルエリアなどでは通じないケースもあるため、基本的な広東語を覚えておくと安心です。
香港に行く予定がある方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。