有名人に対して「サインをください」と言ったり、契約書にサインをしたりと、何かに名前を書くことを日本語では「サイン」と言いますよね。

日本語では名前を書くこと全般を広く「サイン」と言うのに対し、英語ではシーンによって単語を使い分けます。

そのため、日本語を同じニュアンスで「サイン(sign)」を使ってしまうと、上手く意味が伝わらなくなってしまうので注意が必要です。

そこで今回は、「サイン」に関する英語表現を紹介していきます。

「サイン」の英語は4種類

日本語では名前を書く行為を全般に「サイン」と言いますよね。

たとえば、有名人にサインをお願いしたり、宅配便を受け取る際にサインをしたり……契約書に名前を書くのもサインすると言います。

このような「サイン」という言葉の使い方は和製英語であり、英語でもsignという言葉はあるものの、使い方が異なります。

日本語で「サイン」として使われている表現は、英語では主に4つの単語があり、シーンによって使い分けられているのです。

「有名人のサイン」autograph

「有名人のサイン」autograph

「有名人のサイン」は英語でautographと言います。

そもそもautographには「自筆」「肉筆」などの意味がありますが、「有名人のサイン」を表す言葉として使われるのが一般的です。

Aさん
The fan asked for her autograph.
訳)ファンは彼女にサインを求めた。
Aさん
I want your autograph.
訳)私はあなたのサインが欲しい。
Aさん
He gave me an autograph.
訳)彼は私にサインをくれた。

「サインください」は英語で?

有名人に対してサインを求める場合は、以下のフレーズを覚えておくと便利です。

Aさん
Can I have your autograph please?
訳)サインをいただけますか?
Aさん
May I have your autograph?
訳)サインをいただけますか?
Aさん
Can I have your autograph on this book?
訳)この本にサインしてもらえませんか?

autographの部分にsignを当てはめて使わないよう注意しましょう。

「看板・標識」「署名する」sign

「看板・標識」「署名する」sign

英語のsignには、名詞で使われる場合と動詞で使われる場合で意味が異なります。

【名詞のsign】
看板・標識・表示・兆候など【動詞のsign】
署名する

ここで注意したいのが、名詞のsignには「署名」という意味がないことです。
名詞の「署名」には後ほど登場するsignaturesを使いますよ。

名詞でsignを使う際、一般的なのが「看板」「標識」などの意味で使われるケースです。何らかの目印になるものを指してsignという単語を使うと覚えておくといいかもしれません。

Aさん
There’s a big sign in Times Square.
訳)タイムズスクエアには大きな看板があります。

たとえば、以下のような表現でsignを使うと、意味がきちんと伝わらないでしょう。

Aさん
I got a famous actor’s sign.

この場合、「私は有名な俳優の看板をもらった。」という意味になってしまいます。
もちろん、「看板をもらった」というのを伝えたい場合はsignで問題ありませんが、「サインをもらった」と伝えたい場合はautographが適切です。

Aさん
I got a famous actor’s autograph.
訳)私は有名な俳優のサインをもらった。

ただし、動詞でsignを使う場合は、「署名する」という意味になるため、有名人にサインをお願いするシーンでも使えますよ。

Aさん
Could you sign this please?
訳)ここにサインをもらえますか?

「署名」signatures

「署名」signatures

「署名」を意味する名詞にはsignaturesがあります。
signaturesが使われるシーンは、クレジットカードを利用する際に名前を書くときや、契約書にサインをする場合を想像すると良いでしょう。

signは動詞で「署名する」という意味がありますが、名詞で「署名」を表現する場合はsignaturesを使いますよ。
ついつい「署名」という意味でsignを使いそうになるかもしれませんが、ニュアンスがきちんと伝わらなくなってしまうので注意しましょう。

署名:signatures
署名する:sign
Aさん
I put my signature to the document.
訳)私は文章に署名した。
Aさん
Can I have your signature here, please?
訳)ここにあなたの署名をください。

「署名活動」は英語で?

社会問題や政策に反対意見を出す際や、法律の改正を求めて「署名活動」が行われるケースがあります。

日本だけでなく、海外でもさまざまな問題に対して「署名活動」が行われており、英語で表現すると「signature campaign」となります。

先ほどから出てきている「署名」という意味のsignatureと、「働きかけ」「(政治・社会などの)運動」という意味のcampaignを組み合わせている言葉です。

Aさん
They were doing signature campaign in front of the university.
訳)彼らは大学の前で署名活動を行った。
Aさん
I decided to give a signature to help them with their signature campaign.
訳)私は彼らの署名活動に署名することを決めました。

「合図」signals

「合図」signals

日本語の「サイン」という言葉は、「合図」という意味で使われることもありますよね。

「ゴーサインを出す」「監督が選手にサインを出している」といったニュアンスです。

しかし、「合図」の意味を表現するのにsignを使っても意味が通じなくなってしまうので注意しましょう。

英語で「合図」はsignalと言います。

signalは名詞で使われる際は「合図」「信号」という意味があります。
動詞では「合図する」、形容詞では「信号の」という意味で使われることもありますよ。

Aさん
She was sending him signals, but He didn’t notice.
訳)彼女は彼に合図を送っていたが、彼は気付かなかった。
Aさん
I will give the signal in good time.
訳)いいときに合図を出します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本語では名前を書く行為全般のほか、合図を出すことにも使われている「サイン」にはさまざまな英語表現があるのがわかりましたよね。

ついつい日本語の「サイン」と同じニュアンスで英語のsignを使ってしまいそうですが、きちんと意味が伝わらなくなってしまうので注意しなければなりません。

まず、「有名人のサイン」はautographを使うと覚えておくようにしましょう。

signは名詞か動詞かによって意味が異なります。
名詞のsignには「看板」「標識」「表示」「兆候」などの意味があり、動詞では「署名する」という意味になります。

なお、名詞で「署名」はsignatureを使うので注意が必要です。

ぜひ今回の記事を参考に「サイン」に関する英語表現を覚えてみてくださいね。