「キャッチ―なメロディ」や「キャッチーなタイトル」など、「キャッチー」という言葉を聞いたことはありませんか?
老若男女、幅広い年齢層の人から受けの良い流行の楽曲を、「キャッチーな曲」と表現することは多いですよね。

英語の”catchy”から来ている「キャッチー」は、「多くの人に受けそうなさま」「人気になりやすいさま」を意味するカタカナ言葉です。
「人気が出そう」または「売れそう」といった、なんとなくの感覚で使っている人も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな普段何気なく使っているカタカナ言葉「キャッチー」について、”catchy”の意味と正しい使い方、言い換え表現を解説していきます。

「キャッチー」の意味

「キャッチー」の意味

「キャッチー」とは、「受けが良さそうなさま」「人気になりやすいさま」を意味するカタカナ言葉です。
特に音楽分野において、「タイトルや旋律が覚えやすいさま」を表すことが多いです。

「キャッチー」は、英語の”catchy”がそのままカタカナ語として広まり、今では業界に関係なく幅広いシーンで通じる言葉になりつつあります。
しかしながら、相手の年齢や業種によっては想定している意味では通じないことも珍しくなく、それこそ「キャッチー」な言葉であるとは言い切れません。
「聞いたことはあるけれど、はっきりとした意味はよくわからない」と思っている人も少なくないでしょう。

「キャッチー」を使うときは、「グッと心をつかまれるような」「一度聞いたら忘れられない」など、わかりやすいプラスαの言葉を添えて伝えるのがおすすめです。

「キャッチー」の使用例

  • 何度も口ずさみたくなるようなキャッチーなメロディーが格好いい。
  • 万人受けするようなキャッチーなものより、一風変わった個性的なデザインが好き。
  • 新商品に合う、耳に残る覚えやすいキャッチーなネーミングを提案したい。
  • その本が話題になったのは、目を引くキャッチーなタイトルのおかげかもしれない。
  • 一度聞いたら忘れないようなキャッチーな言葉を使える人は、リーダーに向いている。

「キャッチー」に付け加える言葉としては、似たような意味を持つ以下のような表現を覚えておくと役立ちますよ。

「キャッチー」の類似表現

  • 人目を引く
    他者の目を引きつけるさまを表す。
    特に外見や表情、態度など、外から見て判断できる要素によって注目を集めるときに使われる

 

  • 万人受け
    誰からも好かれるさま、広く人気を集めるさまを表す。
    読み方は「まんにん」ではなく「ばんにん」なので注意。

 

  • 印象的
    キャッチーよりも広義的な意味を持つ。
    ポジティブに人に受け入れられているさまを示すときに適した表現。

”catchy”の意味

「キャッチー」のもとになっている英語”catchy”は、標語や商品名、メロディーなどが覚えやすく、多くの人の興味を引くさまを意味する形容詞です。

辞書では、以下のように定義されています。

  • 受けそうな、人の心を捕らえそうな、人気を呼びそうな
  • (音楽など)おもしろくて覚えやすい
  • (質問など)引っかかりやすい、間違いやすい
  • (風など)断続的な、気まぐれな

参考:Weblio英和辞書

  • (especially of a tune or song) pleasing and easy to remember
    特に楽曲や歌において、耳触りがよく覚えやすいさま

参考:Cambridge Dictionary

”catchy”の発音記号は /ˈkætʃ.i/ で、「キャッチィ」と読みます。
日本語でわたしたちが普段使っている「キャッチー」と大きな差はありませんが、正しい発音はしっかり身につけおきましょう。

”catchy”は、1831年に動詞の”catch”(つかまえる)から派生した形容詞です。
当初は口語として捉えられており、「簡単に覚えられる」の意味を経て、現在の「耳に残る」「メロディアスな」という意味に変化しました。

”catchy”は、何かがとても魅力的で頭に残る、耳触りが良く覚えやすいという意味を持ちます。
語源をさかのぼると、人々の心をつかまえる、人々の注意を引くという”catch”から派生して、現在の意味で使われるようになったのにもうなずけますね。

”catchy”を使った例文

”catchy”を使った例文を紹介します。
記憶に残る、魅力的な楽曲や商品、標語や広告などが話題になったときは、例文を参考に”catchy”を使って表現してみましょう。

Aさん
The catchy tune of the song stuck in my head all day.
訳)その曲のキャッチーなメロディーが、ずっと頭に残っています。
Aさん
He writes catchy headlines that make readers want to click through the article.
訳)彼は、思わずクリックしたくなるようなキャッチーな見出しを書いてくれます。
Aさん
They sold more than 100 million copies of their catchy dance-pop songs.
訳)彼らは、キャッチーなダンスポップソングで1億枚以上を売り上げました。
Aさん
The new album contains many up-tempo songs with a catchy chorus.
訳)新しいアルバムには、アップテンポでキャッチーなコーラスの曲がたくさん入っています。

疑問やアドバイスを表現したいときには、以下のような言い方も覚えておくと役立ちますよ。

Aさん
Can’t we come up with a catchier title for our new song?
訳)もっとキャッチーな新曲のタイトルを思いつかないものでしょうか?

Aさん
You should choose a creative and catchy name to make our team stand out.
訳)自分のチームが目立つように、クリエイティブでキャッチーな名前を選びましょう。

 

”catchy”の言い換え表現

”catchy”の言い換え表現

”catchy”に似ている意味を持つ英語は他にもたくさんあります。
”catchy”の言い換えとして使える類似表現を例文とともに見てみましょう。

memorable

”memorable”は、「忘れられない」「記憶に残る」という意味を表す英語です。
印象的で、忘れられないほど深く心に刻まれるようなニュアンスを持ち、結婚式や卒業式といった特別なイベント、出来事、経験、また感動的な映画や書籍などを表現する際によく使われます。

Aさん
The trip to Venice was a memorable experience.
訳)ヴェネチアへの旅行は、記憶に残る忘れられない経験になりました。
Aさん
The wedding was very memorable because of the unique decorations.
訳)こだわりの装飾のおかげで、結婚式はとても思い出深いものになりました。

haunting

”haunting”は、「忘れられない」「心をとらえる」という意味を持つ英語です。
音楽や映画、写真などの芸術作品が、強く印象に残る、鮮明に思い出される、また存在感を与えるさまを表現するときに使われます。

Aさん
The haunting melody of the old piano filled the air.
訳)古いピアノが奏でる心に残るメロディーが、その場を包み込みました。
Aさん
The haunting words of his poem stayed with me long after I read it.
訳)彼の書いた詩の印象的な言葉が、読んだ後もずっとわたしの心に残りました。

unforgettable

”unforgettable”は、ポジティブなニュアンスで「忘れられない」「忘れられないほど印象深い」という意味を表す英語です。
非常に素晴らしい、または感動的で記憶に残るような思い出や体験、出来事などの表現としてよく使われます。

Aさん
The concert last night was unforgettable and mesmerizing.
訳)昨夜のコンサートは、忘れられないほど魅惑的でした。
Aさん
Her beauty was unforgettable and left a lasting impression.
訳)彼女の美しさは忘れがたく、強く印象に残りました。

captivating

”captivating”は、「人々を引きつける」「魅了する」「夢中にさせる」という意味の英語です。
映画や本、音楽、人物などが、強い魅力で周りを圧倒し、心をつかんで離さないようなときに使われます。

Aさん
Her singing voice is absolutely captivating.
訳)彼女の歌声は、実に艶やかで美しく惚れ惚れします。
Aさん
The view from the top of the mountain is absolutely captivating.
訳)山の頂上からの眺めは本当に魅力的です。

まとめ

普段何気なく使っているカタカナ言葉「キャッチー」について、英語”catchy”の意味と正しい使い方、言い換え表現を解説しました。

「キャッチー」は、英語”catchy”からきたカタカナ言葉です。
「人を惹きつける」「万人受けする」といった意味を表し、特に音楽分野において魅力的で人気の出そうな曲、流行っている曲などを表現するときによく使われます。

”catchy”の言い換え表現には、”memorable”や”haunting”、”unforgettable”などさまざまな英語があり、状況や文脈によって使い分けができます。
音楽や映画、書籍だけでなく、商品名やスローガンなどいろいろな話題で使える”catchy”。
今回紹介した例文を参考に使い方を習得し、会話力アップにつなげていきましょう。

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