みなさんは「インターセプト」という言葉を聞いたことはありますか?
サッカーやバスケットボールといった球技経験者であれば、もしかしたら一度は耳にしたことがある方もいるかもしれません。
「インターセプト」とは、英語の”intercept”に由来した「横取り」や「妨害」を意味するカタカナ言葉です。
スポーツシーンではよく使われている表現ですが、英語本来の意味や用法は詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。
今回は、知っているようで知らないカタカナ言葉「インターセプト」について、英語”intercept”の意味と使い方、類義語を紹介していきます。
「インターセプト」の意味
「インターセプト」は、英語の”intercept”をカタカナで表記した言葉です。
人やものを途中で捕らえること、人のものを横取りすることを指して使われています。
特にスポーツシーンにおいては、相手側のパスしたボールを途中で奪うことを「インターセプト」と言うので、なじみがある方もいるでしょう。
「インターセプト」は、「ブロック」「妨害」「阻止」「邪魔」といった日本語にも言い換えられます。
▶︎スポーツにおける「インターセプト」
サッカーやバスケットボール、フットボール、ラグビーなどの球技において、相手チームのパスを遮り、ボールを奪うことを指す言葉です。
「パスカット」は、日本でしか通用しない和製英語なので、正しくは「インターセプト」と表現します。
▶︎ビジネスにおける「インターセプト」
ビジネスに関わる通信や通話、メッセージなどの盗聴や傍受を意味する言葉です。
「インターセプト法」というリサーチ・マーケティング用語もあり、街角やショッピングモールの出入口などで、通りがかった人に声をかけて調査協力を依頼する方法を指します。
”intercept”の意味
英語の”intercept”は、辞書で以下のように定義されています。
”stop”と”catch”とあることから、人やものを捕らえること、相手の行動を途中で遮ることを表すとわかります。
- to stop and catch something or someone before that thing or person is able to reach a particular place
ものや人が、特定の場所に到達する前に立ち止まってつかまえること- to stop or catch something or someone that is on the way from one place to another so that it does not reach the intended place
ある場所から別の場所へ向かう途中のものや誰かを、目的の場所に到達しないように停止させる、またはつかまえること
”intercept”は、おもに「途中で止める」「遮断する」「妨害する」などの意味を表し、動詞と名詞2つの用法を持つ単語です。
英語では、通信を傍受したり盗聴したりする場合や、航空機やミサイルなどを迎撃する場合にも用いられるので覚えておきましょう。
”intercept”の発音は、イギリス英語が /ˌɪn.təˈsept/ アメリカ英語が /ˌɪn.t̬ɚˈsept/ です。
アクセントは、[se]の部分に置かれ、それぞれ「イントゥァセッ」「インヌァセッ」のように発音します。
”Intercept”と似ている単語に”Interrupt”がありますね。
”intercept”は、途中で遮断することを意味するのに対し、”interrupt”は、一時的に中止させることを指します。
何らかの進行を止めるという意味では同じように思われる2つですが、意味に微妙な違いがあるのでしっかり理解しておきましょう。
”intercept”を使った例文
「妨げる」「捕らえる」「奪う」のほかにも、「傍受する」「迎撃する」などいろいろな意味を持っている”intercept”の使い方を例文で確認していきましょう。
妨げる・つかまえる
訳)有名な俳優がホテルに戻る途中、彼のファンの群れが妨害しました。
訳)不法に持ち込まれた大量のタバコを積んだボートを警察が取り押さえました。
奪う・横取りする
訳)ビルは、テイラーのパスをインターセプトして、3点目を決めました。
訳)デービッドは、試合中に、クレイを狙ったパスを10回インターセプトしました。
盗聴する・傍受する
訳)彼の電話や手紙は、シークレットサービスに傍受されていました。
訳)数多くの機能が備わっていたことにより、電話、電子メール、写真を傍受されました。
迎撃する・阻止する
訳)難民を乗せたボートはすべて、海上沖で迎撃され、破壊されてしまいました。
訳)港に向かう輸送船団を阻止するため、2隻の英国船が派遣されました。
”intercept”の類語
「捕らえる」「奪う」「傍受する」など、さまざまな意味を持っている”intercept”の類語を紹介します。
”catch”や”take”、”stop”は、知っている方も多い基本的な単語ですが、文脈によって異なる解釈があるので、意味の違いをしっかり理解しておきましょう。
以下の2つは、「捕らえる」「つかむ」「取る」などの意味を持つ代表的な単語です。
- catch … 捕らえる、つかまえる、受け止める、握る
- take … 取る、つかむ、抱く、捕らえる、占領する
「中断する」「妨げる」「邪魔をする」を表現する際には、以下の単語を使うこともできますよ。
- stop … 止める、中断する、停止する、妨げる、自制する
- block … 障害物、詰まり、閉塞状態、遮断、途絶、阻害、妨害
- obstruct … ふさぐ、遮断する、遮る、妨害する
”off”と組み合わせて、「遮断する」「切り離す」といった意味を表すフレーズも一緒に覚えておくと役立ちますよ。
- shut off … 止める、遮断する、切り離す、隔離する
- cut of … 切り払う、断つ、やめる、遮る、切り離す
- head off … 針路を転ずる、阻止する、回避する
まとめ
意外と知らないカタカナ言葉「インターセプト」について、英語”intercept”の意味と使い方、類義語を紹介しました。
「インターセプト」は、英語の”intercept”に由来しており、人やものを途中で捕らえること、人のものを横取りすることを指したカタカナ言葉です。
英語の”intercept”は、球技で相手のパスをカットすることを意味しているほか、通信を傍受したり、敵の航空機やミサイルなどを迎撃したりする場合にも用いられます。
なじみのあるカタカナ言葉は、英語本来の意味を知らないまま使っていることも少なくありません。
もともとの英語の意味をしっかりと理解し、正しい使い方を習得しておくことがとても大切ですよ。
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