サッカーはイングランド発祥のスポーツであり、イングランドの公用語は英語なので、競技中にも英語がたくさん登場します。そのため、サッカーが好きなら、オリンピックのサッカーを通して英語を学んでみるのもありでしょう。そこでここでは、知っておけばサッカーをより深く理解し、楽しめるようになる英語について解説します。

そもそもSoccerとFootballの違いって?

日本だと基本的にサッカーは「サッカー」という呼び名しかありません。ただ、英語の場合、サッカーは”Soccer”と言う場合もあれば、”Football”と言う場合もあります。呼び名が複数ある場合、どの名称が正しいのか、悩んでしまうでしょう。SoccerとFootballに関しては、どちらでも正解です。

サッカーが誕生したのは、現在イギリスの一部であるイングランドと言われています。元々イギリスでは、”Football”と呼ばれる、ボールを蹴る競技がたくさん存在していました。そこで、現行のサッカーと呼ばれる競技を”Association Football(協会式サッカー)”として広めたため、ヨーロッパ圏でサッカーは”Football”として呼ばれるのが一般的です。また、イギリスでサッカーが誕生した後、サッカー以外にもアメリカにボールを蹴る競技が普及します。その代表格が”American Football”、いわゆるアメフトです。アメフトは現在ではアメリカの国民的競技であり、Football=アメフトという認識になっています。そのため、イギリスでは”Football”と呼ばれているのに対し、アメリカでは”Soccer”と呼ばれているのです。

日本にサッカーが伝わったのは、1800年代後半のこと。海外との貿易が盛んだった神戸で、イギリスやスペインなどから来た人たちが広めたと言われています。当時はサッカーではなく「フートボール」と呼ばれて広まっていたと記録が残っています。しかし、第二次世界大戦をきっかけに、日本はアメリカの支配下に入り、アメリカ英語が広まったことから、アメリカの呼び方に当たる「サッカー」という名称で現在も親しまれています。

各ポジションは英語で何て言うの?

サッカーにはFW・DF・MFなど様々なポジションがあり、何気なく私達も英語だと思って呼んでいたら実は他の国の言葉だったということは意外と多いです。そこで、サッカーの各ポジションの英語での名称を説明します。

監督、コーチ

サッカーではコーチも監督も”Coach”と呼びます。監督を意味する英語には”Director”がありますが、こちらは同じ監督でも映画監督などの名称で、スポーツの監督に対してDirectorと呼ぶことは基本的にありません。そこで、監督の名称は国によって異なります。中でも一般的なのはイギリスの”Head Coach”という呼び方です。ヘッドコーチと言われると、野球ではコーチを取り仕切る人なのでこちらの印象が強いですが、サッカーでは監督をヘッドコーチ、そして通常のコーチはそのままコーチと呼びます。

ボランチ

サッカーのポジションは主に攻撃を担当するフォワード、守備を担当するディフェンス、そしてフォワードとディフェンスのつなぎ役のボランチの3つのポジションで構成されます。フォワードとディフェンスは英語でもそのままですが、ボランチは実は英語ではないことをご存知でしょうか。ボランチの正式名称は”Centre Midfielder”。サッカーでもMFという表記があるように、こちらが正式名称となります。ボランチはポルトガル語にあたり、このように日本で使われているサッカー用語は英語以外の言語も気付かない間に混ざっています。

用語を覚えて英語で応援しよう!

サッカーは世界的に人気なスポーツなので、スポーツバーに行くと外国から来たお客さんも多いです。そこで、英語での応援方法を知っていれば周りの人とのコミュニケーションもより楽しくなるでしょう。それでは、サッカー応援に使える英語の例文を紹介します。

攻勢場面で使える英語

自分が応援しているチームが攻勢だと、応援にも熱が入るはず。攻勢な状況での英語はシンプルで、初心者でも使いやすいフレーズが多いです。Come onと言われると、「こちらにおいで」などのニュアンスをイメージするかもしれません。Come onにはスラングで様々な意味合いがあり、頑張れもそのうちの一つ。ネイティブの人だと、感情が高ぶった場面でComenを連呼する人も多いです。

Aさん
Come on , ○○!
訳)頑張れ○○(選手名)!
Aさん
Keep it up!
訳)その調子!

もう一つ便利なフレーズが”Keep it up!”です。このワードはスポーツの試合はもちろん、相手を応援する場面ならどんな場合でも使える便利なワードです。テストの点が良かった、部下の仕事の調子が良いなどの場面で相手のモチベーションを上げる目的でも使えるので、ぜひサッカーだけでなく日常生活でも活用してください。

負けている状況で使う英語

勝っている状況と比べて負けている状況だと、皮肉を込めたフレーズが多いので、少し複雑なフレーズが増えます。以下のフレーズは相手にボールを取られてしまった場面でよく使いますが、野次に近いので、あまりおすすめしないフレーズではありますが、少し変わったフレーズに挑戦してみたいときに使ってみてください。

Aさん
It’s do or die.
訳)やらなきゃやられるぞ!

また、審判のジャッジに納得がいかないときの面白いフレーズが次のフレーズです。ただ、ニュアンスとしては「あれは演技だろ!」という感覚で捉えると良いでしょう。このフレーズは相手が反則でないのに演技をしたせいで反則をしたなどの場面で用いられる言葉で、相手の演技をオスカー賞が取れるレベルと野次っています。

Aさん
Give him a Oscar!
訳)彼にオスカー賞を与えろ!
Aさん
Book him!
訳)イエローカードを出せ!

そして、サッカー独特の英語がBook him!です。Bookは予約する、記帳するなどの意味を持っている英単語です。イエローカードが出されると、レフェリーに名前を書かれるでしょう。この行為からサッカーでイエローカードを出す行為が”Book”と呼ばれるようになりました。ちなみに日常生活では「こいつを逮捕しろ!」という意味もあるので、こちらも知っておくと良いでしょう。

よく使われる言葉を知ってインタビューも楽しもう!

サッカーの試合では、試合終了後にインタビューが行われます。このインタビューではサッカーならではの英語が登場するので、よりサッカーに特化した英語を学びたい人にはうってつけです。それでは、サッカーの試合終了後のインタビューでよく使われる例文を紹介します。

It’s a funny old game.

Aさん
It’s a funny old game.
訳)不思議な試合だった。

相手が自分よりも弱い相手だったのに負けてしまった場合などで、皮肉を込めて強豪チームの選手がこの言葉を発しているところを見たことはないでしょうか。また、専門誌や新聞で強豪チームの負けを報道するときにもよく使われるフレーズです。マイナスな意味合いの言葉なので、使う際は同じチームが好きな人との会話だけで使うようにしましょう。

It’s a game of two halves.

Aさん
It’s a game of two halves.
訳)ゲームには2つのハーフがあります。

halvesはhalfの複数形です。サッカーは45分ずつの前半と後半の二部構成です。そこで、前半で負けている状況でインタビューをされた場合に監督などが「後半で巻き返す」などの意味合いでこの言葉をよく使っています。

英語でサッカー用語を知ってよりサッカー観戦を楽しもう!

サッカーは今や世界的スポーツで、日本でもサッカー観戦は海外の人と交流する手段の一つとなりつつあります。そんなサッカーをより楽しみたいなら、専門用語の成り立ちを理解したり、実際に英語を使ってサッカー観戦してみるのがおすすめです。また、英語で専門用語を理解していれば、海外で観戦をする際にも楽しめること間違いなしでしょう。