カメラや望遠鏡などに組み込まれる透明な形の物体をプリズムと呼びます。このプリズムは英語prismからきていますが、物事を多様な観点から理解するときにも使われる言葉であることを知っていますか?
この記事では、英語prismについて意味や使い方を例文とともに紹介します。この機会に、英語表現を一つ増やしましょう。
プリズム/prismの意味
ガラスなどから作られ、光を分散させたり屈折させるために使われるのがプリズムです。まずは、プリズムの意味、そして英語でどう表現するかみていきます。
プリズムの意味
光の方向を変えるためにも重要な役割を持つのがプリズムです。日本語では三稜鏡(さんりょうきょう)と呼ばれていますが、プリズムのほうが圧倒的に親しみがあります。
実はプリズムは様々な用途で使用されています。いわゆる光学機器を代表に、測定器や医療機器などで用いられます。プリズムは材料が基本ガラスですが、この屈折率が高いほど多くの光を全反射することができます。
プリズムの英語prismと意味
プリズムは英語prismからきている言葉です。
辞書でprismを調べると、可算名詞で光学の「プリズム」を意味することが分かります。
prismはカタカナ語の読み方で日本語とほぼ同じプリズムと発音し、語源は「屈折したもの」という意味を持つ古代ギリシャ語prismaです。ちなみに、屈折した人生や屈折した態度などの表現にはprismは表現しません。
さらに、prismについてCambridge Dictionaryでも確認します。以下のように、いくつかの意味を持っていることが分かります。それぞれの意味、そして実際の例文を紹介しましょう。
まずは、物理に関するprismの意味と例文です。
訳)透明なガラスまたはプラスチックの物体で、光を通すと異なる色に分離する。
例文:
訳)ニュートンは、白色の光をプリズムに通すことによって、スペクトルの色に分割しました。
次に、多様な観点から物事を理解するときに使用される場合です。
訳)何かについての考え方に影響を与えるもの。
例文:
訳)ダンスを通して人生を振り返る、4名の引退者を特集します。
フレーズthrough the prism ofによって「~を通して」と訳しますが、~というプリズムを通して、というニュアンスが隠れています。覚えると英会話に便利な表現です。
引用:Cambridge Dictionary “prism”
プリズム眼鏡
さて、ここからはプリズムが使われた言葉の英語表現を紹介していきましょう。まず最初は「プリズム眼鏡」です。
プリズム眼鏡とは?
プリズム眼鏡は通常の眼鏡と異なり、プリズムレンズが使用されています。プリズム眼鏡は、眼精疲労や複視(ふくし)への対応として選択されることがよくあります。眼精疲労は目の使い過ぎによる疲れ、複視とはものが2つに見えてしまうような状態を指します。このような状態の人がプリズム眼鏡を使用します。
prism glassesで「プリズム眼鏡」
プリズム眼鏡は英語でそのままprism glassesで表現します。glassesはメガネの意味ですが、レンズが2つあるため必ず複数形にしましょう。
訳)プリズム眼鏡は他のメガネと見た目は同じであり、運転中にも着用できます。
プリズムレンズ
次に、プリズムレンズを紹介します。プリズムレンズとは、ガラスまたはプラスチックでできた三角柱の透明なレンズです。
prism lensで「プリズムレンズ」
lensはレンズとして親しみのある単語です。光学機器に使われたり、眼球の水晶体もlensで表現できます。このlensを使ったprism lensが「プリズムレンズ」の英語表現です。
訳)プリズムレンズは、像を移動させて片目または両目の位置合わせを修正することで機能します。
プリズム眼鏡がprism glassesであることが分かりましたが、このタイプの眼鏡に使用されているのもプリズムレンズです。
プリズムの仕組みとは?
ここで、プリズムの仕組みについて簡単に触れましょう。虹にもプリズムの原理が働いています。
プリズムの仕組みとレインボー
そもそもプリズムはガラスなど透明でできた三角柱などの多面体です。白色光には赤・緑・紫など様々な波長の光が含まれていますが、プリズムに入射すると波長などによって光の分散が起こり、複数の色に分かれます。これは混ざっている光が異なる角度で屈折するために起こります。LED照明は白色を表現するために実用化されたものです。
空に現れる虹で考えてみましょう。虹はプリズムを通した太陽光が7色に分かれる現象です。虹は雨が上がった後によくみれますが、水滴が自然のプリズムのように働くことで異なる色に分ける役割を果たすのです。
訳)暴風雨の後のように、空気が水で満たされると、水滴がプリズムのように作用し虹ができることがよくあります。
プリズムに白色光を当てると現れるスペクトル
スペクトルは、光や信号などの波長を成分に分解し、成分ごとの強度分布を配列したものを指します。スペクトルを解析することで、吸収された光の波長からどのような物質が含まれているかを知ることができます。
プリズムに光を当てるとスペクトルが現れる
このスペクトルはプリズムに光を当てることで現れます。プリズムが光を屈折させるため、光の波長によって虹のように色が分かれます。
訳)白色光がガラスのプリズムを通過すると、紫・藍・青・緑・黄・オレンジや赤などの色のスペクトルに分割されます。
メタファーとしてのプリズム
最後に、プリズムがメタファー(比喩)として使われる場合を紹介しましょう。メタファーとは、物事の説明や描写に、ある共通した物事を借りて表現することを言います。
メタファーとして使うプリズム
人生は、プリズムを通過する光のようにコントラストに満ちています。これは様々な経験によって起こるコントラストであり、人生は異なる色彩で構成されているとも言えるでしょう。光の分散により起こる異なる色の現象という意味から、プリズムを異なる事柄を起こすメタファーとして使い表現することができます。
訳)ロンドンでの生活体験は、人生にとって何が大切かを理解するための素晴らしい視点を与えてくれました。
ロンドン住むことによって、それまでと異なる見方や考え方を得ることになったという例文です。それをprismで表現しています。
まとめ
光学関連の「プリズム」を表現するのがprismです。本記事では虹を例にとってみたり、メタファーとして物事を多様な観点から理解するときにも使われる言葉として紹介しました。物理が苦手な人にとっても思ったよりも面白い表現であることを知り、prismが少しでも身近になっていれば幸いです。
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