学士や修士、博士という言葉。耳にすることはあっても、それぞれの違いや意味をきちんと知っているという人は少ないでしょう。留学や海外での就職を検討しているなら、このあたりの表現もしっかり理解してマスターしなくてはいけません。

そこで今回は、学士や修士、博士などの英語表現をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。

そもそも学士・修士・博士とは?

そもそも学士・修士・博士とは?

学士とは大学を卒業したら与えられる学位のこと。
「学士」と聞くとなんだか難しいイメージがありますが、大学を卒業した人ならば、学士号はすでに取得していることになります。

さらに修士は大学院を卒業した際に得られる学位です。「マスター」と呼ばれることもあります。修士号に必要なのは2年間。「修士課程」や「博士前期課程」で一定の成果をあげ、大学院を修了する必要があります。

さらに研究を続けると博士号を取得することになります。博士号は学位の最上位。
博士号には「課程博士」と「論文博士」の2種類があり、「5年以上の在学」や「30単位以上の修得」といったさまざまな条件があります。

学士・修士・博士の英語表現は?

学士・修士・博士の英語表現は?

学位や修士、博士の英語表現を確認しましょう。

学士はBachelor

学士号は”Bachelor’s degree”と表現します。
学部によって、”Bachelor of (学部名)”と表現するのが一般的です。
主な学部の学士の英語表現を確認しましょう。

学部名 学士の名称
法学部 Bachelor of Laws
文学部 Bachelor of Arts (BA)
教養学部 Bachelor of Liberal Arts
教育学部 Bachelor of Education
商学部 Bachelor of Commerce
経営学部 Bachelor of Business Administration
経済学部 Bachelor of Economics
農学部 Bachelor of Agriculture
薬学部 Bachelor of Pharmacy
理学部 Bachelor of Science
工学部 Bachelor of Engineering
医学部 Bachelor of Medicine
保健学部 Bachelor of Health Sciences
獣医学部 Bachelor of Veterinary Medicine
音楽学部 Bachelor of Music
神学部 Bachelor of Divinity
Aさん
I have a Bachelor of Pharmacy.
訳)わたしは薬学部の学士を持っています。
Aさん
She earned a Bachelor of Music degree.
訳)彼女は音楽の学士を取得しました。

「稼ぐ」という意味がイメージの強いearnですが、「(免状や学位などを)得る、取得する」という意味もあります。

Bachelorのもうひとつの意味とは?

bachelor”と聞いて「なんだか聞き覚えがある」と思った方もいるかもしれませんね。
最近リアリティショーでよく耳にする言葉に「バチェラー」があります。

実は“bachelor”には「学士」以外にももうひとつ意味があります。それは「独身男性」という意味。リアリティショーで使われているのはこちらの意味ですね。
同じような意味を持つ言葉に”single”がありますが、“bachelor”は今まで一度も結婚の経験がない独身男性のこと。一方、”single”は結婚経験や性別にかかわらず、現在独身の状態の人を表すのが、この2つの単語の違いです。

bachelor”はもともと、「見習い騎士」という意味でした。そこから転じて、「若くて独身の男性」という意味になり、さらに「大学で最も低い学位(=学士)を取得した人」を指すように意味が広がったそうです。

ちなみに独身女性は” bachelorette”。” bachelorette”には「学位」の意味はないので気を付けてくださいね。

修士はMaster

修士の学位は英語で” Master’s degree”。
学士の場合と同様に、”Master of (学部名)”で表現します。
文系の場合は”Master of Arts(M.A.)Degree”、理系の場合は”Master of Science(M.S.)Degree”を使って表現することもあり、その場合は”M.A. in ~”や”M.S. in ~”という形でさらに修めた分野を加えるケースが多いです。

M.A. in Education(教育学修士)やM. S. in Medical Engineering(医療工学修士)というように使われます。

ちなみによく耳にするMBA。これは”Master of Business Administration”の略で、「経営学修士」のことです。

修士課程は”Master’s Course”や”Master’s Degree Program”、所属の学生は”Master’s Student”と呼ばれます。

Aさん
He will graduate as a Master of Science.
訳)彼は卒業して、理学修士となる予定だ。
Aさん
About 30% of Master’s students come from abroad.
訳)およそ30%の修士課程の学生が海外から来ている。

博士はDoctor・Doctor of Philosophy

博士には”Doctor”と”Doctor of Philosophy”という2つの表現があります。それぞれ、”Dr.”と”Ph.D.”と省略して使うことが一般的です。

Philosophy”とは「哲学」という意味。でも、”Ph.D.”は直訳すると「哲学博士」となりますが、哲学以外のほぼすべての学問の博士号を表現します。
これは、もともと学問というものはギリシャの哲学から始まったとされているから。
哲学は原理や真理を追究する学問を意味し、あらゆるものを対象とし、すべての学問の基礎でした。
そのため、現在でも”Doctor of Philosophy”であらゆる分野の「博士号」の意味を持ちます。

Doctor”の語源は ラテン語で「教師」や「学びを積んだ者」という意味です。
でも、日本語で「ドクター」と聞くとどうしても「医者」のイメージが強いですよね。
もともと”doctor”は神学、法律、医学を学んだ人を表しました。これが今も博士号に”doctor”が使われる理由です。
近代になり、神学、法律、医学のうち、医学の博士が最も多くなり、また、ほとんどの医者が医学博士であったことから、”doctor”と呼ばれるようになったと考えられています。

ちなみに ”M.D. (Medical Doctor)” と言うとはっきり「医者」と伝わります。

Aさん
This is a required course for Ph.D. students.
訳)これは博士課程の学生の必修科目です。
Aさん
She received a doctor’s degree.
訳)彼女は博士号を修得した。

まとめ

今回は、学位に関する表現をご紹介しました。学士や修士、博士の違いをしっかりマスターしておきましょうね。専門分野について研究する大学院はその後の就職などにも大きな影響を及ぼします。
留学や海外での就職を検討している方は、自分の専門分野を極めてみてはいかがでしょうか?高い専門性はキャリアとして非常に魅力的なものです。きっとさまざまなシーンで有利にはたらくはずですよ。