現在完了進行形や過去完了進行形など、「完了形」は色んな時制と組み合わせて使われることも多くて覚えるのが大変ですよね。
特に「現在完了形」と「現在完了進行形」、「過去完了形」と「過去完了進行形」は、似ていながらも微妙に意味が違うなど、「ややこしい!」と感じる人も多いでしょう。
そこでこの記事では、「現在完了進行形」や「過去完了進行形」など、ややこしい「完了形」を、「現在完了形」や「過去完了形」と比較しながらお伝えしていきます。
現在完了進行形の意味と使い方
現在完了進行形は、過去から今まで「動作」や「状態」が続いている状態を指します。
「10年前から今まで、ずっと関西に住んでいます。」(状態の継続)であったり、「5年前から今まで、ずっと英語を勉強しています。」(動作の継続)といった感じですね。
現在完了進行形を英語で表す時は、「現在完了形」の形と、「現在進行形」の形を組み合わせて作られます。
S(主語) have been -ing
もしくは
S(主語) has been -ing(主語がheやshe、itなどの三人称単数の場合)
現在完了形の「S(主語) have 過去分詞形」の形と、現在進行形の「S(主語) be動詞 -ing」の形が組み合わさっているのがわかりますね。
S(主語)の次に現在完了形の”have(has)”が来て、その次に現在進行形のbe動詞が、現在完了形の「過去分詞形」の形になって”been”(be動詞の過去分詞形)になり、そして進行形で使われる”‐ing”の形を使うことで、「現在完了形」と「現在進行形」が組み合わさった形になっているのがわかります。
【例文】
- I have been working on this project since the beginning of June.
私は6月の初めからこのプロジェクトに取り組んでいます。 - She has been practicing the piano for three hours every day.
彼女は毎日3時間ピアノの練習をしています。 - He has been waiting for his flight since early this morning.
彼は今朝早くから飛行機を待ち続けています。
過去完了進行形の意味と使い方
過去完了進行形は、「過去のある時点から、現在よりも前の時点まで継続していた動作」を表す時に使います。
文字でひと言で表すとかえって難しくなってしまいますね。
例えば、「彼女は留学する前から、5年間英語を勉強していた。」といった感じで、「留学する」という「過去の動作」の「以前から」、5年間英語の勉強を「継続」したいたことを表して、「過去完了進行形」が使われるイメージですね。
過去完了進行形は”S(主語) had been -ing”の形で表します。
現在完了進行形は”have(has)”が現在形の形でしたから、その”have”を過去形の”had”にして表すわけですね。
【例文】
- She had been studying English for five years before she moved to Canada.
彼女はカナダに引っ越す前に、5年間英語を勉強していた。 - He was exhausted because he had been working all day.
彼は一日中働いていたので、疲れ果てていた。 - When I arrived, they had been waiting for me for 30 minutes.
私が到着したとき、彼らは30分間待ち続けていた。
現在完了形と現在完了進行形の違いは?
上述の項目で「現在完了進行形」について、過去から今まで「動作」や「状態」が続いている状態を指すとお伝えしましたね。
英文法に力を入れて勉強してきた方は、「過去から現在までの動作、状態を表すなら、『現在完了形』と、どう違うの??」と疑問に思われたかもしれません。
そこで本項では、現在完了形と現在完了進行形の違いについてお伝えします。
現在完了進行形は「継続」にフォーカス・現在完了形は「完了・結果・経験」にフォーカス
現在完了進行形は「継続」に焦点を当て、現在完了形は「完了・結果・経験」に焦点を当てて表現すると言えるでしょう。
以下の図を見てみてください。
現在完了形 | 現在完了進行形 | |
継続 | I have lived in Tokyo for five years.
(5年間ずっと住んでいる) |
I have been living in Tokyo for five years.
(5年間住んでいて今も住んでいる) |
経験 | She has worked at that company before.(以前その会社で働いたことがある) | ❌(進行形は経験には使わない) |
完了 | He has finished his homework.
(宿題を終えた) |
❌(進行形は「完了」には使わない) |
結果 | I have painted the room.
(部屋を塗った=今、塗られた状態) |
I have been painting the room.
(部屋をずっと塗っていて、まだ終わっていないかもしれない) |
図を見てみると、「継続」と「結果」については現在完了形も現在完了進行形も表すものの、「経験」と「完了」は現在完了進行形では表さないことがわかりますね。
また、「結果」の文章も、現在完了形と現在完了進行形とで意味が違っているのがわかります。(現在、部屋が塗られた状態か、まだ塗り終わっていないかの違い)
以上の違いを見ると、現在完了進行形は「継続」に焦点を当て、現在完了形は「完了・結果・経験」に焦点を当てて表現しているのがわかりますね。
過去完了形と過去完了進行形の違いは?
前項で現在完了形と現在完了進行形の違いについて触れましたね。
それでは、過去完了形と過去完了進行形にはどんな違いがあるのでしょうか?
過去完了形は「完了・結果」に、過去完了進行形は「継続」に焦点をあてると言えるでしょう。
以下の図を見てみてください。
過去完了形(had + 過去分詞) | 過去完了進行形(had been + V-ing) | |
継続 | I had lived there for ten years before I moved.
(私は引っ越す前、10年間そこに住んでいた。) |
I had been living there for ten years before I moved.
(私は引っ越す前、10年間そこに住み続けていた。) |
完了 | She had finished the book before the class started.
(彼女は授業が始まる前に、その本を読み終えていた。) |
❌(完了には進行形を使えない) |
原因・結果 | He was wet because he had forgotten his umbrella.
(彼は傘を忘れたので、濡れていた。) |
He was wet because he had been walking in the rain.
(彼は雨の中を歩き続けていたので、濡れていた。) |
図を見てみると、「継続」に焦点をあてる過去完了進行形は、完了の意味では使わないことがわかりますよね。
「継続」や「原因・結果」についても、過去完了進行形の方が「住み続ける」や「歩き続ける」という「継続」のニュアンスを強調しているのがわかりますよね。
以上の違いを見ると、過去完了形は「完了・結果」に、過去完了進行形は「継続」に焦点をあてていることがわかりますね。
まとめ
この記事では、現在完了進行形や過去完了進行形について以下の点からお伝えしました。
- 現在完了進行形は、過去から今まで「動作」や「状態」が続いている状態を指す
- 現在完了進行形は、S(主語) have(has) been -ingの形で表す
- 過去完了進行形は、「過去のある時点から、現在よりも前の時点まで継続していた動作」を表す
- 過去完了進行形は、S(主語) had been -ingの形で表す
- 現在完了進行形は「継続」に焦点を当て、現在完了形は「完了・結果・経験」に焦点を当てて表現する(経験や完了を、現在完了進行形では表さない)
- 過去完了進行形は、過去完了形以上に「継続」に焦点を当てて表す
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。
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