英単語やリスニングももちろん大切ですが、実はそれ以上に大切なのが英文法。いくら英単語を理解していても、文法がわからないと正しく文を読み取ることができません。
それに英文法を理解し、文の流れが理解できるようになれば知らない単語が出てきても文の流れから単語の意味を理解しやすくなるというメリットもあります。本記事では、英語のスキルを上げるために押さえておきたい、高校までの英文法を紹介します。

助動詞

助動詞とは、その名の通り動詞を補助する役割を持った動詞のことを言います。助動詞の例としては、can/be able to(〜できる)、may(〜かもしれない)、should/ought to(〜すべきだ)、must/have to(〜しなければいけない)などが挙げられます。
ちなみに過去形だとcanはcould、mayはmightとなります。このように過去形のある助動詞なら問題ありませんが、should、mustのように過去形のない助動詞もあります。この場合は動詞を現在形ではなく現在完了(have done)に変えます。
助動詞mayを使った例文は以下の通り。

Aさん
Have you seen Tom? I’m looking for him.
訳)トムを見なかった?今彼を探しているんだけれども。
Aさん
No,but he may be at his classroom.
訳)見ていないよ。けれども多分教室にいると思うよ。

このように、助動詞は動詞の前に入れて使います。否定をしたい場合は助動詞の後ろにnotを付けるのが基本。ただ、have to、ought toの場合も同様で、have not to、ought not toとして使います。
簡単な助動詞を使った例文を紹介しましたが、助動詞はとにかく覚えるのみです。とは言っても上記の4つが中心で覚えることが少ないので、基本的な助動詞を押さえ、場面ごとに合わせた訳し方ができるようになりましょう。

時制

日本語と英語で考え方が異なるので、基本的なことでありながらよく難しいと言われるのが時制。現在形・過去形・未来形までは問題なくても、現在完了や現在進行形、完了進行形などが出てくるとわからなくなってしまう人も多いはずです。
時制は試験でもよく出題される問題であり、微妙な違いを理解できていないと、大きな失点に繋がってしまうので、特に進行形・完了形はしっかり押さえておきましょう。

進行形

進行形は、当事者(主語)の視点で、その文章の時点で動作が進行中である場合に使います。進行形を使った例文は以下の通り。

Aさん
When I left at home, my brother was playing TV game.
訳)私が家を出た頃、弟はゲームをしていた。

”my brother played TV game.”とも訳したくなりかもしれませんが、これはどうして進行形になるのかというと、家を出ようとした瞬間にとっさにゲームをしようとすることはなく、家を出る前から継続してゲームをしていたと考えられます。
このように、家を出たタイミングで、ゲームをするという動作が進行している状態なので、進行形を使います。しかし、動詞の中には進行形にならないものも存在します。進行形にならない動詞の覚え方は、もの・人の状態や感情・感覚を表す動詞と覚えると良いでしょう。
例としては、know(知っている)、hear(聞こえる)、see(見る)など。これらの場合は原型で使うのが一般的です。

完了形

もう一つ難しいと言われることが多いのが完了形です。完了形とは、主語の時制を基点として、その結果起こったことや、同じ状態が継続されていることを表します。現在完了だとhave done、過去完了だとhad done、未来完了だとwill have doneとなります。例文は以下の通り。

Aさん
Is Misaki still living in Osaka ?
訳)みさきはまだ大阪に住んでいるの?
Bさん
No, she had just moved to Tokyo.
訳)いいえ、彼女は東京に引っ越しました。

この文章では過去完了が使われています。「みさきは大阪には住んでおらず、とうに東京に引っ越している」という結果があることから、ここで過去完了を用いるのです。

完了進行形

これまで解説してきた現在進行形と完了形を組み合わせた、完了進行形というものも存在します。完了進行形とは、主語を基点として、動作が継続されている場合に用います。例文は以下の通り。

Aさん
When Joshua arrived there, Erika had been waiting for two hours.
訳)ジョシュアがそこに到着したとき、エリカは2時間待ち続けていた。

この文章は過去完了進行形です。エリカの待つという動作はジョシュアが到着する2時間前からジョシュアが到着するまでの間継続されています。そこで過去形・過去完了形ではなく、過去完了進行形を用いるのです。
ただし、先ほど進行形にならない動詞として挙げた、感覚や状態などを表す動詞は完了進行形にもならず、現在完了・過去完了を使って表現します。

when節とif節

時制の中でも注意しなければいけないのがif節とwhen節です。ifは「もし〜すれば」「〜するかどうか」、whenは「〜するとき」「いつ〜するか」とそれぞれ2つの訳し方があります。
それぞれどちらの訳し方を取るかで時制が変わるので、この違いも覚えておきましょう。ifだと「もし〜すれば」、whenだと「〜するとき」と訳す場面では、どんな場合でも現在時制です。
それに対して、ifの「〜するかどうか」、whenの「いつ〜するか」と訳す場面では、後ろの文章がその動作を行った時制に合わせたものとなります。

仮定法

仮定法の勉強している
仮定法とは、「もし〜だったら良かったのに」「もし〜なら〜するのに」という、現在の事実と、過去もしくは現在の叶う可能性が低い仮定を並べる文法のことを言います。仮定法の文法は、「If 主語 過去形動詞〜, 主語 過去助動詞 動詞〜」が基本。
ちなみにbe動詞が入る場合は基本的には主語に関係なくwereを用います。「もし〜だったなら、〜だったろうに」と過去を仮定表で表現したい場合は、if節の動詞が過去完了形、後ろの節の動詞が過去助動詞+現在完了形となります。仮定法の例文は以下の通り。

Aさん
If I had studied more harder , I could have got more greater score.
訳)もし私がもっと一生懸命勉強していれば、もっと良い点数が取れたのに。

この文章では、もっと一生懸命勉強すればもっと良い点が取れたと後悔しているので、テストの点数が悪かったことが伺えます。そこでテストの点が悪かったという事実に対して、良い点が取れるという実現の低い可能性に対する推量が行われているので、この文章では仮定法が使われます。
これまで解説してきたのは、過去もしくは現在のことに対する仮定です。未来のことに対する仮定は、「If 主語 were to/should 動詞〜, 主語 過去助動詞 動詞〜」という文法を用います。例文は以下の通り。

Aさん
If he were to receive punishment, his personality wouldn’t change.
訳)もし彼が罰を受けたとしても、彼の性格は変わらないだろう。

この文章における彼が罰を受けることが現在起こっていることにあたります。それに対して彼の性格が将来的に変わるかどうかは、現在の段階ではわかりません。そこでこの文章では未来のことに対する仮定として、were toを用いています。
仮定法ではifが省略されることがあります。その場合は、動詞もしくは助動詞が文章の先頭に来た倒置形に変わります。

不定詞と動名詞

不定詞とは、動詞を名詞・形容詞・副詞として使いたい場合に、toの後ろに動詞の原形を付けて表現する文法のことを言います。まず名詞的用法とは、「〜すること」と訳す場合です。例文は以下の通り。

Aさん
My dream is to be a police.
訳)私の夢は警察官になることです。

次に形容詞用法は、不定詞が名詞を修飾する場面に使います。例文は以下の通り。

Aさん
There is no money to buy a TV game.
訳)テレビゲームを買うためのお金がない。

そして、副詞用法は形容詞や動詞を修飾する使い方です。

Aさん
I’m happy to get a present from dad.
訳)私はお父さんからプレゼントをもらって嬉しい。

この3つの使い方さえ覚えておけば不定詞は問題ありません。しかし、原型不定詞と言って、toを使わないものも存在します。原形不定詞の覚え方はmake・have・letの3つ+see・feel・knowなどの感覚動詞と覚えましょう。原形不定詞を使った例文は以下の通り。

Aさん
She saw my brother play the guiter.
訳)彼女は私の兄がギターを弾いているところを見たことがある

ちなみに原型不定詞は受動態も特殊です。一般的な受動態は過去分詞に変換するだけですが、原形不定詞の受動態だけはto不定詞となります。

文法も押さえればテストで安定して高得点が狙える!

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