インターネットの普及によって家にいながら世界中の人々とコミュニケーションを取ることが可能となりました。

特に、SNSは海外にいる人と手軽やり取りができる便利なツールですが、その一方でついうっかりと誤解を招く内容のメッセージを送ってトラブルになるケースも少なくありません。

そこで以下では、SNSを使って英語でメッセージを送るうえで押さえておくべき注意点を紹介します。

SNSという言葉は万国共通なのか?

はじめに、SNSという言葉そのものがそもそも万国共通に通じるものであるのかという点について、簡単に触れておくことにしましょう。

結論から言うと、海外でもSNSという表現を使って意味は通じるものの、普段の会話ではあまりこの言葉は用いられません。SNSというのは、Social Networking Servicesの略語なのですが、日本語で使われるSNSに相当する言葉として英語圏ではSocial Mediaという言葉が一般的に用いられているのです。

Networkingの本来の意味は、人間関係を作り上げるということですので、ネイティブスピーカーにとってはMediaよりも限定的な使われ方をするという点を頭に入れておくと良いでしょう。もし、英語でメッセージを送る際にSNSに言及したいのであれば、Social Mediaと言った方が伝わりやすいのです。

なお、Social Mediaという言葉は、テレビやラジオ、新聞といった大衆向けに情報を発信するマスメディアに対する概念として生まれたものです。人と人との社会的な結びつきを構築するためのメディアであるという意味を込めて、Socialという単語が使われるようになったという点も併せて知っておくとよりSNSについての理解が深まるに違いありません。

英語で感情を伝える際の注意点

普段からそれほど英語を使う機会がない人は、英語でメッセージを送るとなると、それだけで身構えてしまうかもしれません。いきなり長々としたメッセージを書くのは容易ではないはずですので、まずはシンプルに自分が抱いた感情をワンフレーズで送るところから始めてみるのがおすすめです。例えば、驚きを伝えるために「Oh my god!」や「Great!」といったコメントを送ったり、相手が投稿している写真や動画に共感を示すために「So cute!」や「Beautiful!」といったメッセージを残すだけでもよいでしょう。

あれこれと文章をこねくり回してしまうと、文法がおかしくなってかえって言いたい内容が伝わらなくなるおそれがありますので、慣れないうちは中学生で習うような平易な単語を使って、短い表現にしておいた方がよいのです。

なお、辞書に出てくる訳語がそのままのニュアンスでネイティブに伝わらないケースがあるという点には注意が必要です。例えば、「really」という単語は「本当」と訳される場合が多いため、相手が何かすごいことを成し遂げた場合に、賞賛の意味を込めて「Really!?」というコメントを送る人がいます。

しかしながら、この単語は「本当にそうなのか」という事実関係を疑ってかかるニュアンスが込められて用いられるケースがあるため、相手が友達や恋人のように身近な人でない場合には、コメントを受け取った人が自分の言っていることを信用してもらえていないように感じてしまうおそれがあります。せっかくポジティブなコメントを送ろうとしたにもかかわらず、ネガティブな意味でとらえられてしまう可能性がありますので、相手をほめたたえる場合には、「Nice!」や「Good!」といった表現を使った方がよいでしょう。

シンプルな表現を使う際の注意点

先ほど英語でメッセージを送る際にはなるべくシンプルな表現がよいと書きましたが、短い文章であれば何でもよいというわけではありません。よくネイティブはメールなどで文章の一部を省略して送る場合があるため、それと同じようにすればかっこいいのではないかと感じるかもしれませんが、彼らが行う省略の仕方には一定のパターンがありますので、それをよく理解しておかないと、何を言いたいのかが分からないメッセージになってしまいかねないのです。

特に注意しなければならないのが主語を省略するというやり方です。例えば、何かをお願いされた場合に、「了解した」という意味で「Will do」というコメントを返すことがありますが、同じような感覚で主語を取っていきなり動詞からはじまる文章にしてしまうのは避けた方がよいかもしれません。というのも、動詞からはじまる文章は一般的には命令形になるからです。

「私は一生懸命やったよ」と言おうとして「I work hard」の主語を取って「Work hard」というメッセージにしてしまうと、「一生懸命に働け」という全く違った意味になってしまいますので、むやみやたらと文章を省略しないように気を付けましょう。

略語を使いこなせるようになろう

時差に気を付けよう

なるべく文章を省略せずにシンプルな文章を送るためには、略語を使いこなせるようになっていると便利です。英語にはいくつか決まった略語が存在しますので、それらをいくつか覚えておくと、表現の幅が大きく広がるに違いありません。例えば、先ほど紹介した「Oh my god!」と言いたい場合には単に「OMG」と書くだけでその意味が伝わります。一言で意味が伝わりますので、長文よりも短文のメッセージをやり取りするのに向いているSNSを使う場合には、重宝するはずです。

それ以外にも、話題を変えたい場合に「ところでさ」というニュアンスで使われる「By the way」は「BTW」、感謝を伝える「Thanks」は「thx」といった略語で表現されますので、これらも併せて押さえておくようにしましょう。

なお、略語は相手に伝わるものでなければなりませんので、自分で勝手に作るべきではありません。あくまでも一般的にネイティブの間で使われている表現だけを使用するのがポイントとなります。また、日本語でも同じですが、略語は目上の人にメッセージを送る場合や、相手に対してお礼やお祝いの気持ちを真摯に伝えたいような場合に使うと、かえって失礼になります。英語でもそのような場合には、略語を使わずにきちんとした文章を用いるのがマナーですので、かっこよさそうだからといって、むやみやたらと略語ばかり使わないように注意する必要があります。

例えば、手伝ってもらったことに対して感謝を伝える場合に「thx」とだけ言ってしまうと、相手には非常に軽いノリでとらえられて、気分を害してしまうかもしれません。できれば、「Thank you for your support!」や「You support was very helpful」といったような表現を使った方が自分の気持ちを正しく伝えられるのです。

時差に気を付けよう

最後に、海外にいる相手に英語でメッセージを送る際には、向こうの場所との時差に気を付けなければなりません。日本が朝だからといって、「Good morning」というメッセージを送ると、先方はまだ夜だったというケースは少なくないのです。日本との時差が少ないアジア圏であれば、それほど問題はありませんが、ヨーロッパやアメリカのように時差が10時間近くあるところにメッセージを発信する場合には、必ず現地が今何時であるのかを確認するようにしましょう。

海外の時間を知るためには、スマートフォンの時計アプリが非常に便利です。知りたい場所の情報さえ登録しておけば、わざわざ面倒な計算をしなくてもすぐにその場所の現在の時刻が分かりますので、海外と頻繁にメッセージのやり取りをするという方は、普段から使い慣れておくとよいでしょう。なお、いちいち時差を気にするのが面倒ということであれば、時間が関係する表現をそもそも使わないようにするというのも一案です。

SNSで英語メッセージを送ってみよう

以上で見てきたように、SNSを使って英語でメッセージを送る場合には、注意すべき様々なポイントが存在します。もっとも、いちいち気にしてメッセージが送れなくなってしまうと本末転倒ですので、まずは誰でも分かるような簡単な表現を使って発信してみるのもよいでしょう。自信が持てるようになれば、自ずと表現力も磨かれてくるはずです。