毎年統計として出されている子供の憧れの職業「子供が将来なりたい職業ランキング」。お子さんがいる家庭の方で楽しみしている方も多いのではないでしょうか?
憧れの職業ランキングは日本だけでなく各国で出されています。今日は、「子供が将来なりたい職業ランキング」について、日本とアメリカのランキングを比較してみました。
日本の男の子が憧れる職業は、スポーツ選手が多い!
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)が発表した2016年の「小学生の将来なりたい職業ランキング」によると、男の子は以下の通りのランキングでした。
1位 サッカー選手・監督など football player
2位 野球選手・監督など baseball player
3位 医師 doctor
4位 ゲーム制作関連 game creator, programmer
5位 建築士 architect
6位 バスケットボール選手・コーチ basketball player/coach
7位 教師 teacher
8位 警察官・警察関係 policeman
9位 水泳選手・コーチ swimming player
10位 テニス選手・コーチ tennis player
日本の男の子の憧れの職業は、10位中5つがプロスポーツ選手で占めていました。他にも、教師や警察官などの堅実な職業を選んだり、医師や建築士など家族の為にもなる職業を選んでいました。
それから7年後の 2023年「小学生の将来なりたい職業ランキング」でどのように変化したか、日本の男の子のなりたい職業ランキングを見てみましょう。
1位 サッカー選手・監督など football player
2位 野球選手・監督など baseball player
3位 医師 doctor
4位 バスケットボール選手・コーチ basketball player/coach
5位 ユーチューバー YouTuber
6位 会社員・事務員 office worker
7位 建築士 architect
8位 鉄道の運転士・鉄道関連 railroad driver/railroad related
9位 ゲーム制作関連 game creator, programmer
10位 プロゲーマー professional game player
2016年と2023年のランキングを比較してみると、上位3位までは不動でしたが、4位以降に変化が起きていますね。2016年に4位だった「ゲーム制作関連」は9位にランクダウンし、6位だった「バスケットボール選手・コーチ」が6位から4位にランクアップしました。
2016年にはトップ10入りしていなかった「ユーチューバー」が5位に浮上してきており、今後もっと順位が上がるかもしれません。2016年に7位だった「教師」はトップ10から外れて、それまでランクインしていなかった「会社員・事務員」が6位に浮上してきました。
10位中3つがプロスポーツ選手で、相変わらず、男子の間では「プロスポーツ選手」が人気がありますが、「ユーチューバー」や「会社員・事務員」が憧れの職業として浮上してきました。
日本の女の子は、ケアをする職業が人気
次に、2016年 日本の女の子のなりたい職業ランキングを見てみましょう。
1位 保育士 childcare worker
2位 医師 doctor
3位 パティシエ pâtissier, pastry chef
4位 看護師 nurse
5位 薬剤師 pharmaceutical, druggist
6位 獣医 veterinarian
7位 教師 teacher
8位 ファッション関係(デザイナーなど) fashion designer
9位 美容師 beautician, hairdresser
10位 幼稚園教諭 kindergarten teacher
一方の女の子は保育士や看護師、幼稚園の先生など小さい子供と触れ合う機会の多い職業や、医師や獣医、薬剤師と人をケアする職業が人気となっていました。教師は男女ともに人気の職業でしたね。
7年後の 2023年「小学生の将来なりたい職業ランキング」で、日本の女の子のなりたい職業ランキングはどのように変化したのか、見ていきましょう。
1位 医師 doctor
2位 パティシエ pâtissier, pastry chef
3位 イラストレーター illustrator
4位 保育士 childcare worker
5位 美容師 beautician, hairdresser
6位 薬剤師 pharmaceutical, druggist
6位 教師 teacher
8位 看護師 nurse
9位 獣医 veterinarian
10位 漫画家 cartoonist
女の子は、2016年に2位だった「医師」が1 位にランクアップしました。2016年にはランクインしていなかった「イラストレーター」が3位に浮上してきたのは、特筆すべきことです。
男の子と比較すると、女の子はプロスポーツ選手などはあまり人気がないようで、手に職を身に付けて着実に稼いでいける職業を志向しているようにも見えますね。女の子の憧れの職業の中には、ユーチューバーやプロゲーマーやゲーム関連の仕事は含まれていませんでした。
参考:日本FP協会 小学生「将来なりたい職業」ランキングトップ10
アメリカの子供たちの憧れの職業とは?
アメリカの子供たちの憧れの職業として、Webサイト “Fatherly.com”が「アメリカの1歳から10歳の子供500人に聞いた結果」がランキングとして紹介されています。2015年の調査結果です。
「憧れの仕事」は、英語で “dream job”といいます。アメリカの子供たちの憧れの職業を調べたい場合、”American kids”、”dream job”などのキーワードを入れて、検索するとヒットするでしょう。
1位:プロのスポーツ選手 pro athlete
2位:医師 doctor
3位:分からない don’t know
4位:教師 teacher
5位:獣医師 veterinarian
6位:消防士 fire-fighter
7位:科学者 scientist
8位:宇宙飛行士 astronaut
9位:エンジニア engineer
10位:警察官 policeman
総合でも1位なのが、日本と同じくプロのスポーツ選手ですね。医師や獣医も人気です。教師や消防士、警察官など人の役に立つ仕事も人気となっています。
男の子・女の子の人気は日本と類似する所も!
続いて、Webサイト “Fatherly.com”の調査によるアメリカ男女別のなりたい職業ランキングです。
男の子
1位:プロのスポーツ選手 pro athlete
2位:分からない don’t know
3位:消防士 fire-fighter
4位:エンジニア engineer
5位:宇宙飛行士 astronaut
女の子
1位:医師 doctor
2位:教師 teacher
3位:分からない don’t know
4位:科学者 scientist
5位:シェフ / パン屋 chef / baker
参考: Fatherly.com Top 10 Professions Kids Want To Be When They Grow Up
日本の男の子とアメリカの男の子共通して人気なのがスポーツ選手です。特に活発な男の子にとって、プロのスポーツ選手は「カッコいい!」と感じる事が多い存在なのでしょうね。
日本でも消防士は人気の職業となっていますが、アメリカでは消防士の救出活動の様子がメディアで頻繁に流される事もあり、日本よりもより身近なヒーローである事から、人気の職業となっています。
日本の女の子もアメリカの女の子も、医師や教師と言ったケアをする職業に、シェフやパティシエといったモノづくり系の職業も人気となっています。甘いお菓子や良い香りのするパンは、見た目も可愛い物も多く、女の子のクリエイター心をくすぐるアイテムでもあります。
日本とアメリカの子供を比べてみると、アメリカは「分からない」としている子供もとても多い事が分かりました。
これは、日本では「分からない」と回答すると、親や教師から「分からないじゃダメ!何でもよいから答えなさい!」と言われる事が多いからかもしれません。実際、英語塾などで「将来、何になりたいですか?」と英語で聞くと、何になりたいか分からなくて、答えられない子供は結構いますが。
なので、本当は日本のランキングでも、まだ将来何になりたいのか分からない、と考えている子供たちはずっと多いのかもしれませんね。
アメリカの子供たちの憧れの職業に変化
「アメリカの子供たちの憧れの職業」の調査に関して、Webサイト “Fatherly.com”で 最新の調査を調べてみましたが、最新の調査結果についてのデータは見つかりませんでした。
なので、異なるWebsiteで、アメリカの子供たちの憧れの職業を調べてみました。2022年、The Ellie Sparkle’s Showによるアメリカの5歳から8歳の子供たち1000人を対象に「大きくなったら何になりたいか」という調査の掲載を見つけたので、その調査結果を紹介します。
1位:医療関係の専門職 healthcare professional
2位:先生 teacher
3位:科学者 scientist
4位: Vチューバ― TikToker/YouTuber/Vlogger
5位:俳優 actor
6位:警察官 police officer
7位:ダンサー dancer
8位:獣医 veterinarian
9位:歯科医/歯科看護師 dentist/dental nurse
10位:動物園飼育員 zookeeper
参考: Childhood Dream Jobs in 2022
近年、アメリカの子供達の間では、日本ほどプロスポーツ選手への憧れは強くないようで、2015年に2位だった「医師」が1位に浮上しています。ユーチューバーやVチューバ―は、アメリカでも上位にランクインしています。日本ではランクがかなり下がっていた「教師」が、アメリカでは2位にランクインしています。俳優やダンサーなど芸術性が必要とされる職業も人気があります。アメリカでは、医療関係者、科学者、獣医、歯科医など、理系の仕事を志望する子供が多いことが分かります。
2023年の日本の子供達のあこがれの職業と、2022年のアメリカの子供たちの憧れの職業を比べてみると、アメリカの子供達の方が、長期に渡って生計を立てていきやすい堅実な職業や理系の職業を志望しているように思えます。日本では、理系の人材をもっと増やしていくことが課題ですね。
まとめ
いかがでしたか? 日本とアメリカの憧れの職業を比較してみました。
子供たちが自分の夢を叶えて、将来活躍できる社会を作ってあげるのも、私たち大人に課せられた使命です。
日本とアメリカで、コロナ禍の後に行われた、「子供たちの憧れの職業」の調査結果も紹介しました。日本もアメリカも、医療関係の仕事を志望する子供は多いです。憧れの職業に関しては、日本の方がアメリカより多様性に富んでいるように感じられましたが、いかがでしょうか。
行政や大人たちは、子供たちが憧れたくなるような職業を創り出して、希望や期待を与えていく責務を担っていくべきですね。