川崎市は神奈川県の北東部に位置し、神奈川県内で横浜市に次ぐ第2都市として有名ですが、川崎市の英語教育とは、どのようなものでしょうか。
川崎市は日本の高度経済成長を支えた工業都市としても知られますが、そんな工業都市ではどんな英語教育が行われているのか知りたくなりますね。
この記事では、川崎市の英語教育について深く掘り下げて解説していきます。
川崎市の子供向け英語教育プログラム
川崎市は、2013年12月に発表された文部科学省「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」に沿って、「グローバル化に対応した英語教育の推進」プログラムを進めてきました。川崎市では、そのプログラムの成果と課題を把握しています。
まず、成果としては「生徒たちの英語でコミュニケーションしようとする意欲が伸びている」、「授業での英語学習が生活に役立っていると感じている生徒が増えている」ことが挙げられます。また、川崎市では、「ALTの定期的な訪問による外国人との直接コミュニケ ーションを行う機会を確保してきたことにより、外国人に対する抵抗感を低減させ、英語を使う必然性を持たせることができている」と考えられています。
小学校では、学級担任が児童に寄り添いながら 担任主導の授業展開を進めるようになり、児童が安心 して英語を使おうとする環境が整ってきています。
中、高等学校では、単元の中で ALT を有効に活 用し、4技能を育成する指導が増えてきています。
一方、川崎市は、中、高等学校においては、ALT 等の外国人とのコミュ ニケーションでは、自然とネイティブに近い発音で話す姿が見られるが、日本人同士でも、恥ずかしがらず に英語らしい発音で会話を行うことができるようにすることが課題だと考えています。ALT を十分に活用した授業の構成を行う観点での授業改善が必要であることも認識しています。
小学校においては、次期学習指導要領の先行実施に伴い、中学年での外国語活動が必要となるため、外国語学習時間の増加への対応が必要であり、小学校外国語活動で育成してきたことが中学校において円滑に接続されるよう、小、中学校の連携を図る必要性も認識しています。
川崎市では、これからの川崎の英語教育として、「グローバル社会の中で、積極的に外国人と 外国語(英語)でコミュニケーションする児童生徒の育成」を目標に掲げています。
川崎市の英語スピーチコンテスト開催情報
川崎市では、英語スピーチコンテストも開催されています。2023―24年度ライオンズクラブ国際協会330―B地区(石田真一ガバナー)が、川崎市教育委員会が後援で3月17日、川崎市中原区のユニオンビルで「第1回川崎イングリッシュ・スピーチ・コンテスト」を開催しました。
本コンテストは青少年育成・支援事業として行っているもので、これまで横浜市や小田原市で開催してきましたが、市制100周年を記念して市内で初めて実施。市内の高校1年から3年生までの12人が、学校生活や環境問題、日頃感じていることなどを交えた自由なテーマで約5分間のスピーチを披露しました。
川崎市の英語スピーチコンテストでは、文法や発音、明瞭さに加え、メッセージ性と表情や豊かな表現などによる審査が行われます。
川崎市の英語教育における小中学校の事例
川崎市では、小中の外国語教育を円滑に接続する文字指導の工夫も為されています。2020年度から小学校で全面実施となる次期学習指導要綱では、小学校3・4年生外国語活動導入と小学校5・6年生での外国語の教科化、それに伴う中学・高等学校での言語活動の高度化が示され、2018年度からその実施が可能となっています。
これまで、小学校での外国語活動では文字指導を進めていませんでしたが、時期学習指導要綱によると、適切な文字指導の方法を考えていく必要があります。川崎市では、小学校高学年になるにつれて、英語教育において少しずつ文字に触れる活動を進めています。
具体的には、川崎市ではフォニックス指導を導入しています。4年生はローマ字を小時間ですが、学習します。字と音の結びつきのルールをフォニックスと呼び、英語圏の子供たちは小学校でフォニックスを学んでいます。単語の読み方でA、B、Cを「エイビースィー」と発音することは少なく、実際には「ア、ブ、ク」と発音することも方が圧倒的に多いです。そういった英語圏の子供たちが学ぶフォニックスを小学校高学年の子供たちにも学ばせた方が、英文字と単語の読み方が結びついて、中学校以降の英語教育にスムーズに接続するだろうと川崎市の英語教育者たちは考え、フォニックス指導の導入を始めたようです。
川崎市の留学プログラムサポート
川崎中ロータリークラブでは、次世代を担う若者を支援する多種多様な交換留学生・奨学生制度を運営しています。ロータリークラブの制度の概略について紹介します。
青少年交換プログラム
高校生を主とした「異文化体験」「ロータリー親善大使」を目的とする1年間の高校留学とホームステイ。来日学生・派遣学生ともに日本において毎年100人以上、全世界では8000人以上の学生が参加しています。留学滞在に関わる費用の部分的な支援も行っています。この制度のきっかけはロータリーの創設時にロータリアンの奥様達が持ち寄った僅かなポケットマネーから始まり、以来、形を変えて今日に繋がっています。
ロータリー留学生(ロータリー財団)
大学院生以上を対象として、世界平和の実現に向けて紛争解決など、国際問題研究を学び、国連等各機関において即戦力となる人材を育成するための奨学金制度。学生は全世界7つの大学に設置されたロータリー平和センターにおいてそれぞれの専門研究を行っています。
ロータリー米山奨学金(ロータリー米山記念奨学会)
日本発祥による在留外国人留学生への奨学金制度。このプログラムは指定校制度(大学)により、ロータリーの指定する大学からの推薦、選考を経て毎年、700名を超える留学生が採用されています。奨学生はそれまでの生活維持の為に割かれていた時間を、自らの学業と研究に専念することができす。またロータリアンとの交流を通して国際親善の役割も担うことで、将来、母国と日本との懸け橋となるよう、努めています。現在、その輪は世界に広がりつつあり、台湾、韓国、モンゴルを初めとして9か国で米山学友会が開設されています。その原動力となっているのが日本でこのプログラムに参加した米山学友(卒業生)なのです。
まとめ
川崎市の英語教育について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
川崎市の子供向け英語教育プログラムや英語教育における小中学校の事例を通して、川崎市が小学生から高校生までの英語教育に真剣に取り組んでいるのが伝わってきましたね。
川崎市では、青少年育成・支援事業として英語スピーチコンテストも行っていることも分かりました。川崎市の留学サポートプログラムとしては、川崎中ロータリークラブが次世代を担う若者を支援する多種多様な交換留学生・奨学生制度を運営しています。