ニュージーランド北島の中央部に位置する「トンガリロ国立公園(Tongariro National Park)」は、活火山と死火山が共存する、世界でもめずらしい自然の宝庫です。
公園内には、標高1,968mのトンガリロ山(Mount Tongariro)、標高2,291mのナウルホエ山(Mount Ngauruhoe)、そして標高2,797mと最も高いルアペフ山(Mount Ruapehu)の三山が並び立ち、それぞれに異なる表情を見せてくれます。
特にルアペフ山は今も噴火活動を続ける活火山です。エメラルドグリーンに輝く湖や赤茶けたクレーターなど、見る者を圧倒する自然美が広がっています。
世界遺産「トンガリロ国立公園」とは?

「トンガリロ(Tongariro)」という名はマオリ語で、「冷たい南風(cold south wind)」を意味します。
これは、ある巫女が神から力を授かり、この地に風を吹かせたという伝説に由来しています。
この国立公園は、ニュージーランドで最初に指定された国立公園であり、世界的にも価値が認められた貴重な自然・文化遺産です。
マオリ族の聖地
トンガリロ国立公園は、ニュージーランド先住民・マオリ族の聖地(sacred land)としても知られています。マオリの人々にとって、この地は「神々の住む場所(a place where the gods dwell)」であり、古くから祭祀や儀式が行われてきました。
1840年、イギリスとのワイタンギ条約によってニュージーランドが植民地化され、ヨーロッパ人の入植が進む中で、この聖なる景観が損なわれることを危惧したマオリ族の首長が中心となって、保護活動を展開します。その思いが結実し、1894年には国立公園に指定されます。
三つの火山が織りなす絶景
トンガリロ国立公園の特徴は、3つの活火山がつくり出す壮大な風景にあります。
Mount Ruapehu(ルアペフ山)
標高2,797mの現役の活火山で、ニュージーランドで最も高い山の一つ。3つの峰からなり、山頂には酸性の火口湖が広がります。この湖は天候や温度によって色が変化します。映画『ロード・オブ・ザ・リング』のロケ地としても有名です。
Mount Ngauruhoe(ナウルホエ山)
完璧な円錐形の美しい山で、「ニュージーランドの富士山(the Mount Fuji of New Zealand)」とも称されます。噴火の記録は頻繁で、最後の噴火は1975年。多くの登山者に人気のあるスポットです。
Mount Tongariro(トンガリロ山)
マオリ族にとって特に神聖な場所で、神官や首長が埋葬されているともいわれています。赤く色づく火山岩、噴火口、そして緑色に輝く湖など、神秘的な景観が広がります。
多くの野生動物にも出会える
トンガリロ国立公園では、ニュージーランド固有の動植物にも出会えます。国鳥であるキーウィ(kiwi)や、カカ(kaka)と呼ばれる固有種のオウム、アオヤマガモ(blue duck)など、約50種近くの鳥類が生息しています。
アクセス方法
最寄りの都市は、オークランドまたはウェリントン。電車を使えば、ナショナルパーク・ビレッジ(National Park Village)駅まで約5時間30分です。駅からは、バスでファカパパ・ビレッジ(Whakapapa Village)まで移動し、ここを拠点に観光するのが一般的です。
トンガリロ国立公園の歴史
火山活動がこの地を形作ったのは、今から約26万年前。ルアペフ山の爆発的な噴火によって、現在の地形が徐々に形作られていきました。火山湖やクレーター、溶岩台地など、火山活動の痕跡が今も鮮明に残されています。
また、1840年のワイタンギ条約以降は、放牧などで景観が変わることを危惧したマオリ族の尽力により保護が進められ、1894年にニュージーランドで初めての国立公園として指定されました。1990年には自然遺産、1993年には文化遺産としても認められ、ダブル登録となっています。
訳)トンガリロ国立公園は、1990年にユネスコの世界自然遺産に登録され、1993年には文化遺産としても認められ、複合遺産として登録されています。
世界遺産としての価値
トンガリロ国立公園が世界遺産に登録された理由は大きく3つあります。
- 自然の美しさ:噴火によって生まれた湖やクレーター、色鮮やかな山々などの絶景。
- 地質学的価値:約200万年前から続く火山活動の記録。
- 文化的重要性:マオリ族の信仰の対象であり、今も儀式や伝統が続けられている点
覚えておきたい英会話フレーズ
旅行をもっと楽しくするために、以下の英語フレーズを覚えておきましょう!
訳)こんなに間近で火山の火口を見たのは初めてです。
訳)トンガリロ・アルパイン・クロッシングの登山口はどこですか?
訳)湖の色が信じられないほどきれいですね。
訳)トンガリロ国立公園は、ニュージーランドの先住民・マオリ族の聖地なのですね。
トンガリロ国立公園の主な構成資産

トンガリロ国立公園には、火山、湖、森林などの自然美と、マオリ族の神話や儀式と結びついた文化的価値が共存しています。
トンガリロ・アルパイン・クロッシング
「世界で最も美しい日帰りトレッキング(The world’s best one-day hike)」とも称されるトンガリロ・アルパイン・クロッシング。19.4kmの道のりを歩くと、火山地帯、エメラルド湖、溶岩の大地など、信じられないほど多様な風景が楽しめます。
エメラルド・レイクス(Emerald Lakes)
火口にたまった水がエメラルド色に輝く不思議な湖。マオリの人々にとっては神聖な場所です。
レッド・クレーター(Red Crater)
赤く色づいた岩肌が印象的なクレーター。火山ガスが噴出してできた風景は、「It’s like walking on Mars(まるで火星を歩いているみたい)」と表現されることもあります。
おわりに:世界遺産を英語で楽しむ
トンガリロ国立公園は、「自然の力強さ」と「人々の信仰心」が調和しています。マオリの伝統文化に触れながら、地球の鼓動を感じる旅ができるこの場所で、英語を使って現地の人とコミュニケーションを取ることは、旅の大きな醍醐味となるでしょう。
世界遺産を通じて、英語ともっと仲良くなってみませんか?
