今回は、節足動物である昆虫のなかでもオナラ虫と呼ばれてしまう虫・ミイデラゴミムシの紹介になります。このムシの名前は日本の滋賀県に由来していることをご存知ですか?
この記事では、節足動物の昆虫「ミイデラゴミムシ」を紹介するとともに、英語で説明しましょう。英語学習をしていて、かつ、面白い昆虫好きな方、不思議な虫の世界が好きな人にぴったりの内容となりますので、ぜひ最後までお楽しみください。
節足動物「ミイデラゴミムシ」の基本情報

冒頭ではいきなりの別名紹介となりましたが、まずはミイデラゴミムシがどのような虫なのかをみていきましょう。
「ミイデラゴミムシ」の基本情報
ミイデラゴミムシは体と足に節(ふし)がある節足動物です。節足動物の昆虫、甲虫、そしてオサムシ科に属します。節足動物は英語で”arthropoda”です。ゴミムシと言えば、日本だけでも数百種以上が生息しています。
ミイデラゴミムシの体長は15~20mm、黒色の体には黄褐色の模様があります。昆虫なので足は3対で6本です。なお肉食性であるため、昆虫の幼虫や小動物を捕食します。
「ミイデラゴミムシ」の名前の由来
ミイデラゴミムシの「ミイデラ」の部分に、この昆虫の名前の由来が隠されています。滋賀県に三井寺という寺があります。園城寺とも呼ばれるこの三井寺は「みいでら」と読みます。ミイデラゴミムシが最初に発見された場所が、この三井寺の近くだったためにこの名前が付けられたのです。なお、ミイデラゴミムシは日本各地、中国、朝鮮半島など東アジアに分布しています。
節足動物・ミイデラゴミムシの英語”Japanese Bombardier beetle”
ミイデラゴミムシの様子がわかったところで、ここで英語表現の紹介に進みましょう。関連する単語の意味もみていきます。
ミイデラゴミムシの英語
ミイデラゴミムシの英語表記は以下になります。
【学 名】Pheropsophus jessoensis
【一般名】Asian Bombardier beetle
日本の三井寺を英語にしたMiidera beetle、またはJapanese Bombardier beetleと表現することもできます。
ミイデラゴミムシの一般名に使用されているBombardierには”a military person who aims and often releases bombs from an aircraft(航空機から爆弾を照準し、しばしば投下する軍人)”の意味があります。このネーミングは、次で紹介するミイデラゴミムシの持つ大きな特徴に繋がっていきます。
参考:Cambridge dictionary “bombardier”
節足動物「ミイデラゴミムシ」の大きな特徴
冒頭でミイデラゴミムシがオナラ虫と呼ばれていることを述べました。これこそがミイデラゴミムシの主要な特徴となります。
ミイデラゴミムシの防御行動「化学物質の噴射」
ミイデラゴミムシは危険にさらされると、お尻のほうから高温で臭い化学物質を噴出します。これがオナラ虫、屁っぴり虫と呼ばれる所以です。
それだけではなく、カエルなどに食べられると、のみ込まれたあとでもその「屁」を噴射して捕食者に吐き出させるほどの攻撃力を持っています。熱いガスの温度はなんと約100℃近くになることもあるため、煙のような蒸気を出します。
National Geographicに動画がありますので、ぜひその様子をご覧ください。ミイデラゴミムシはカエルに簡単に食べられてしまうものの、熱い化学物質噴射という防御機能によって自分を吐き出させることに成功するのです。
参考:National Geographic「カエルの胃腸を「屁」で攻撃、嘔吐させる虫を発見」
ミイデラゴミムシの防御行動「パチッ!という音」
熱いガスを噴射するミイデラゴミムシは、その際に「パチッ!」という音もたてます。この音といいガス噴射といい、Bombardier beetleという仲間に共通する特徴なのです。
ミイデラゴミムシの防御行動に関する英語
上で紹介したミイデラゴミムシの防御行動に関する特徴について、ここでは英語にしてみましょう。
ミイデラゴミムシの特徴を英語で説明
訳)ミイデラゴミムシは、爆発的な防御反応を示すことでよく知られています。
訳)彼らはどのような防御反応を示すのですか?
訳)脅威を感じると、ポンという大きな爆発音を発し、腹部の先端から高温の化学液体を噴射します。
訳)これは甲虫の体内で起こる化学反応によるものです。過酸化水素とハイドロキノンが混ざり合って、激しく反応します。
defence reaction=防御反応
hot chemical fluid=高温の化学液体
chemical reaction=化学反応
hydrogen peroxide=過酸化水素
hydroquinone=ハイドロキノン
ミイデラゴミムシの性格は?

ところで、ミイデラゴミムシはどのような性格なのでしょう?それらを知るとともに、英語で説明しましょう。
ミイデラゴミムシの性格
ミイデラゴミムシはとても慎重で臆病と言われます。そのため、普段は石の下、落ち葉の下などに隠れて生活しています。そして、昼間はじっとしていて、夜に動き出す夜行性でもあります。
訳)ミイデラゴミムシは通常、用心深くて臆病であり、石や葉の下に隠れ、おもに夜間に行動します。
臆病な性格が、一旦脅威を感じる場面では約100℃近くになることもある熱いガスを噴射して我が身を守るのです。
節足動物・ミイデラゴミムシを英語で紹介
それでは、最後にミイデラゴミムシに関するその他の英文を紹介していきましょう。
ミイデラゴミムシについて英語で話そう
訳)ミイデラゴミムシは節足動物のグループに属します。
訳)ミイデラゴミムシは、日本、中国、朝鮮半島に生息しています。
訳)ミイデラゴミムシは、日本の滋賀県の三井寺というお寺の近くで初めて発見されました。
訳)ミイデラゴミムシの体長は、約15~20mmです。
訳)成虫の寿命は約1年で、おもに春から秋にかけて活動します。
まとめ
本記事では、滋賀県で発見されたという節足動物の昆虫「ミイデラゴミムシ/Asian Bombardier beetle・Japanese Bombardier beetle」(学名はPheropsophus jessoensis)について英語表現を含めて解説しました。おなら虫と呼ばれるユニークな特徴を持つ昆虫ですので、英語で紹介できるようになると楽しいですね。

