秋といえば運動会。子どもたちが一生懸命に走り、応援し合う姿には、クラスやチームの絆がぎゅっと詰まっています。
そんな運動会を、英語の力を育てる場に変えることができるのをご存じですか?
英語の応援フレーズを取り入れることで、「言葉のチカラ」―人を励まし、気持ちを伝える力―を自然に育てることができます。
世界にもある!「運動会」に似た行事

イギリス:Sports Day(スポーツ・デー)
日本の運動会の原型に最も近いのが、イギリスの学校で行われる「Sports Day」です。
児童や生徒が走る・跳ぶ・投げるなどのシンプルな競技に挑戦し、保護者も見学に訪れます。特徴的なのは、競争よりも楽しむこと・参加することに重きが置かれている点です。勝ち負けよりも「よくがんばったね(Well done! )」という声が多く聞かれます。
また、イギリスではハウス制度(house system)があり、子どもたちは色分けされたチームで競います。ハリー・ポッターのグリフィンドールやスリザリンもこの制度の一例で、応援も盛り上がります。
アメリカ:Field Day(フィールド・デー)
アメリカの小学校でも「Field Day」という行事があります。
運動会のようにチームで戦うというより、一日中屋外で身体を動かしながら遊ぶ日というイメージ。
玉入れや綱引き、リレーなどに加え、水風船リレーや三輪車レースなどユニークな競技が行われ、先生や保護者も一緒に楽しみます。
成績よりも、「チームスピリット(team spirit)」や「フェアプレー(fair play)」が大切にされます。
中国・韓国:運動会型の「体育大会」
中国や韓国にも「運動会」に相当する行事があります。中国では「秋季運動会(qiūjì yùndònghuì)」、韓国では「체육대회(チェユッテフェ/体育大会)」と呼ばれ、国家行事としても重要視されてきました。
ただし、日本のように親子でお弁当を食べたり、地域ぐるみで盛り上がるというよりは、競技中心・学校単位のイベントという傾向があります。
フィリピン・インドなど:Sports Festival(スポーツ・フェスティバル)
東南アジアや南アジアの国々でも、「Sports Festival」や「Athletic Meet」という形で行われています。
特に英語教育が盛んな国では、英語のスローガンや応援歌が自然に使われます。たとえば、
- “Play fair!” (フェアに戦おう)
- “Together we win!” (みんなで勝とう)
など、英語の応援文化が生活の一部になっています。
まずは基本の応援英語から
日本語の「がんばれ!」にあたる表現はいくつもあります。場面に合わせて使い分けることで、言葉のバリエーションがぐっと広がります。
- Go, go, go!
(行け行け!)
走る競技やリレーの応援にぴったりのリズムのある言葉。テンポよく声をそろえると一体感が生まれます。 - You can do it!
(きっとできる!)
緊張している友達にかけると、自信を後押しできる言葉。 - Don’t give up!
(あきらめないで!)
途中で転んだり、負けそうになった仲間を励ますときに。 - Keep going!
(そのまま続けて!)
マラソンや長距離走などで粘り強さを伝えるフレーズ。 - Good job! / Well done!
(よくやった!)
結果にかかわらず努力をたたえるときに使います。
チームワークを高める英語フレーズ

運動会は個人競技だけでなく、団体競技やリレーでの協力も大切です。英語を通じて「仲間を信じる気持ち」や「協力の大切さ」を伝えることができます。
- Let’s work together!
(一緒にがんばろう!) - We are a team!
(私たちはチームだ!) - Pass it! You’ve got this!
(バトンを渡して!君ならできる!) - We can win if we try!
(力を合わせれば勝てる!)
こうした言葉を練習しておくと、英語が「教科の言葉」ではなく、「気持ちを伝えるツール」として生きてきます。
応援合戦を英語でアレンジ

応援団の掛け声を少し英語に変えるだけで、雰囲気が国際的に。例えば、こんな組み合わせはいかがでしょうか。
英語と日本語を交互に言うことで、子どもたちにも覚えやすく、会場も盛り上がります。
- Red team, go! / Blue team, go!
(赤チーム行け!/青チーム行け!) - One for all, all for one!
(一人はみんなのために、みんなは一人のために!) - We never give up!
(私たちは絶対にあきらめない!)
言葉が生むエネルギー
英語の応援を通して学べるのは「単語」だけではありません。言葉に込める思い、声に出して伝える力、相手を思いやる気持ち。これらはすべて、グローバル社会で生きる上で欠かせない“コミュニケーション力”の基礎になります。
運動会での「Go, go, go! 」は、ただの掛け声ではなく、「あなたならできる」という気持ちを伝える魔法の言葉。子どもたちがその力を体感できるよう、家庭でも学校でも、英語の応援を取り入れてみてはいかがでしょうか。
応援と言えばチアリーディング
「応援」と聞いて多くの人が思い浮かべるのが チアリーディング(cheerleading)。
もともとチアリーディングは、アメリカで生まれた“応援の文化”そのもので、英語を使ってチームを盛り上げ、勇気づける表現の宝庫です。
運動会の英語応援にも、チアの言葉を取り入れるとぐっと明るく、前向きな雰囲気になります。
チアリーディングの歴史と意味
チアリーディングは19世紀後半、アメリカの大学で誕生しました。
当初は男子学生がスポーツチームを声で応援(cheer)していたのが始まりで、後にダンスやアクロバットが加わり、現在の華やかなスタイルへと発展しました。
“cheer”は「元気づける・応援する」という意味。つまり cheerleader = 応援を引っ張る人。チアリーダーは単に踊る人ではなく、言葉と笑顔でチームの士気を高めるリーダーなのです。
よく使われるチア英語フレーズ
チアのかけ声は、リズムがあり、短くて覚えやすいものが多いのが特徴です。以下は、運動会でもそのまま使えるフレーズです。
応援・士気を高める言葉
- Let’s go, team!
(行こう、チーム!) - Come on, you can do it!
(さあ、できるよ!) - We can do it, yes, we can!
(私たちはできる、そうできる!) - Go, fight, win!
(行け、戦え、勝て!) - We are number one!
(私たちはナンバーワン!)
チームスピリットを伝える言葉
- Together we’re strong!
(一緒なら強い!) - We’ve got the power!
(私たちには力がある!) - Teamwork makes the dream work!
(チームワークが夢を叶える!) - Cheer loud, stand proud!
(大きな声で応援しよう、誇りを持って!)
観客も巻き込むかけ声
- Let me hear you say “Go!”
(“Go!”って言ってみて!) - Who’s gonna win? We are!
(勝つのは誰?私たち!) - Clap your hands, stomp your feet!
(手をたたいて、足を鳴らして!)
運動会での活用アイデア
日本の運動会でも、チアリーディングの掛け声を取り入れることで、英語の“生きた使い方”を体験できます。たとえば:
- 応援合戦で「Go, fight, win! 」をチーム全員でリズムよく唱える。
- ダンスパートで「Let’s go, red team! 」のように色チーム名を入れる。
- 親子競技で「Together we’re strong! 」をかけ合う。
こうしたフレーズは短くリズミカルで、英語が苦手な子どもでも覚えやすく、声に出すことの楽しさを感じられます。
チアリーディングの英語は、単に応援の言葉ではなく、「人の心を前向きにする力」を持っています。
大きな声でポジティブな英語を叫ぶと、自分自身の気持ちも明るくなります。
まとめ
英語は特別な授業の中だけで使うものではなく、「気持ちを伝えるための言葉」です。
運動会という一日を通して、「英語で励ます」「英語で喜ぶ」経験を重ねることで、子どもたちは自然に“言葉のチカラ”を育てていきます。
その第一歩は、シンプルな「Go, go, go!」から。
