「時代」を英語で言おうと思ったら、PeriodやAge、そしてEraというおもに3つがあります。しかし、これらは一体どのようにして使い分ければ良いのでしょうか。今回はこのそれぞれの単語の意味に焦点を置いて、正しい使い方を見ていきます。日本で「時代」と言ったら、長寿大国ですから「人生100年時代」と言われ始めたり、西暦も使うものの元号を使っている珍しい国ですから、令和になった年などに時代が変わったと言ったりもしますね。
periodは期間を表す
さっそくPeriodを見ていきますが、これを辞書で調べてみるとまずこんな日本語訳が出てきます。「時代」、「年月」、「期間」、「時期」、「時間」。
重きを置いているのは「期間」であり、一定の時が立ち、それを区切ることに焦点が行く単語です。「時代」として使う場合には少しアカデミックな意味合いとなり、「江戸時代」などの歴史の教科書に出て来る用語をEdo periodなどと表記する場合があります。
Longman現代英英辞典でPeriodを引いてみると、以下のような説明がありました。以下、和訳は筆者がつけています。
a particular time in someone’s life or in history
「人の人生、または歴史における一定の時間」
a particular time in history, especially one studied as a subject
「特に科目として学習する歴史の一定の期間」
これらの説明が元となり載っていたのがこちら。
the conflict of the Cold War period
「冷戦時代の紛争」
Van Gogh’s early period
「ヴァン・ゴッホの初期の時代」
基本的に、Periodは「歴史上の特定の期間」を表していると覚えておきましょう。それすなわち「時代」なのですが、他の単語を覚える時に違いを明確にするためニュアンスは掴んでおいた方が良いです。
ageは長い時代
Ageも辞書で調べてみると、「時代」、「時期」、「年齢」、「一生」といった訳が出てきました。こちらは「年齢」で覚えている人が多いので、あまり「時代」というニュアンスがないかもしれませんね。
Periodとの違いは、「○○時代」のように比較的長い象徴的な時代を表すことです。例えば「情報化時代」などにもPeriodは使われますが、これは江戸時代のように特定の期間があり、きっちりいつからいつまでと決められているものではありません。はっきりと区切りがつけられていない時代を言う時に使われる単語です。
こちらもLongman英英辞典で引いてみると、以下のような説明がありました。
a particular period of history
「歴史の特定の期間」
a long period, especially one that represents a particular stage in the development of civilization or technology
「特に文明やテクノロジーの発展における特定の期間」
最初の説明だとPeriodとどう違うのかわからなくなりますが、2文目を読めばその違いがわかってきますね。Periodの場合は科目として勉強する歴史で使われる「時代」を表すものでしたが、Ageは文明やテクノロジーの発展についての「時代」を表すのです。そういった意味で使われている辞書の例文が以下になります。
We are living in the age of technology.
「我々はテクノロジーの時代を生きている」
Molecular biology is pushing medicine into a new age.
「分子生物学は薬を新しい時代へといざなっている」
例文を見ても、「テクノロジーの時代」や「新しい時代」というのはしっかりといつから始まったという記述がないものです。このような決まった期間がない、比較的長い期間に使うのがAgeということですね。
eraは具体的な時代
EraはAgeを意味が被っているところもあるので少しわかりにくく、和訳も「時代」、「年代」、「時期」と似通っています。
ただ、EraはAgeよりももっと具体的な出来事や変革があった時代を表すイメージで、Periodと同じく日本の元号を表す時にも使えます。どちらかというと近代に使われることが多く、昭和時代などがShowa eraと言われたりします。
Eraを英語で説明した文章はこちら。
a period of time in history that is known for a particular event, or for particular qualities
「特定の出来事、または特定の期間などで知られている歴史上の期間」
a long period that has a particular character or that is marked by particular events
「特定の特徴、または出来事によって特徴づけられている長い期間」
どちらの説明でも、「特定の」という言葉が使われていますよね。特徴的な出来事、改革などがあった時代を特にEraと言うと覚えておくと良いでしょう。この意味で辞書に載っていた例文がこちらです。
We live in an era of instant communication.
「我々は”短いコミュニケーション時代”に生きている」
a new era of world peace
「世界平和の新しい時代」
Eraは、何か変化が起きて変わった時代であると認識しておけば理解しやすいのではないでしょうか。ネットの普及、SNSの普及によってコミュニケーションが端的になったことや、産業革命が起きて昭和がより便利に豊かになったことなどを考えると、Eraが使われていても違和感がありません。
まとめ
「時代」は英語でPeriod、Age、そしてEraの3つありましたね。Periodは決まった期間を表す時に使い、Ageは期間が定まっていない比較的長い期間に使い、Eraは変化や出来事によって何かが変わった期間に使うのでした。どちらを使うのか迷った時には、どちらでも正解という時もあります。そんな時は、それぞれの単語が持つ特徴を思い出し、同じ訳でもどんなことに焦点が当てられているのかを考えてみると良いでしょう。例えば江戸時代がEdo periodなのに昭和時代がShowa eraと表記されているのは、決まった期間に着目したのか、それとも変化に着目したのかといった違いがあると気付くはずです。単によく言う言い回しであり、耳馴染みが良いからという理由もありますけどね。