日常のなかで傷つきやすい状態になったり、そもそも社会的弱者と呼ばれる人々がいます。
誰でもそういう人になり得ますし、周りに弱者がいることも珍しくありません。
では、そのような人たちを英語でどう表現すればよいのでしょう?
この記事では、英語vulnerableを取り上げます。
社会的な意味を考えても、英語学習をしている皆さんにはぜひ知っていただきたい表現となります。
vulnerableの意味と使い方
そもそもvulnerableは、ラテン語で「傷つける」の意味を持つvulnerareが語源です。
それではvulnerableの意味、そして使い方を例文で紹介しましょう。
vulnerableの意味
vulnerableは形容詞で、以下の意味を持っています。
【弱い・脆弱な】
弱いということは自分よりより強い相手やものに対して、身体や物事などが脆くて弱いことを言います。
【傷つけられたり、影響を受けたり、攻撃されたりしやすい】
身体的または精神的なもの両方が対象になります。
vulnerableの使い方
では具体的に、弱いの英語vulnerableを例文で紹介します。
訳)その女性政治家はこの手の批判に対して脆弱でなかった。
訳)友達は、父親を亡くして以来、身体的にも精神的にも弱い状態にあります。
大切な家族を失った後は、大変影響を受けます。vulnerableを使う際には、この例文に出てくるphysically and emotionally(身体的にも精神的にも)はぜひ覚えましょう。
訳)彼女の病気のせいで、ちょっとした風邪や咳にも弱くなりました。
免疫が落ちていると、風邪をひきやすくなってしまうことがあります。そのような状態の弱さもvulnerableで表現できます。
なお、人または物が壊れやすいときにfragileがあります。人の体質がかよわい、モノが脆くて割れやすいという意味があります。脆弱という意味ではvulnerableの類語ということになります。
ここまで、形容詞のvulnerableを紹介しました。次では名詞をみていきましょう。
vulnerabilityの意味と使い方
vulnerableが名詞になるとvulnerabilityになります。名詞の場合の意味と使い方も紹介しましょう。
vulnerabilityの意味と使い方
では、vulnerabilityの意味とそれを使った例文をみていきます。名詞という点をご確認くださいね。
【もろさ・傷つきやすさ】
訳)自分の傷つきやすさにうんざりしていて、強くなりたい。
訳)私の話を聞いてくれて、弱さを理解してくれる精神科医に診てもらう必要があります。
psychiatrist=精神科医・精神分析医
訳)心理的脆弱性は、個人がストレスの多い状況に適応できないことを示します。
Psychological vulnerability(PV)=心理的脆弱性
inability=できないこと・無力・不能
adapt=適応・順応する
vulnerabilityは心理学と関係が深く、自らの弱さを認められる心の在り方は健やかな人生のための大切な要素とも言われています。
【弱点】
訳)そのオペレーティングシステムに脆弱性があります。
セキュリティソフトなどが持つソフトウェアの欠陥(弱点)もvulnerabilityで表現できます。
訳)人々はニュースでイランの地震に対する脆弱性を知りました。
自然災害に対する防御における弱点にもvulnerabilityが使われるという例です。
vulnerableとvulnerabilityの発音
volunteer(ヴォランティア)にも少し似た感じのあるvulnerableとvulnerabilityですが、ここで読み方についてみていきます。
vulnerableとvulnerabilityの読み方
まず、形容詞のvulnerableはカタカナ語で「ヴァルナラブル」のように発音します。次に、名詞vulnerabilityのほうは「ヴァルナラビリティ」のような感じにします。
どちらの単語もはじめの「ヴァ」部分にアクセントを置きましょう。
vulnerableの反対語2選
様々な弱さ・もろさを表現するvulnerableをみてきましたが、ここで反対語を2つ紹介します。対義語を知ることによって、さらにvulnerableを理解することができます。
invulnerable
まずひとつ目の対義語は、vulnerableにinを加えたinvulnerableです。inは接頭辞であり、単語を真逆の意味に変える働きをします。例えば、direct(直接の)に対するindirect(間接の)ですね。そして、invulnerableもvulnerableの反対語として「傷つくことのない」や「不死身の」といった意味になるのです。
訳)危険なドライバーとは、自分は不死身だと思っている人々だ。
resilient
形容詞resilient(レズィリアント)には、困難な状態からの回復力があったり立ち直ることができる力、弾力性や張り、また歯応えまで、あらゆる強さを表す意味があります。
訳)息子は、変化に対してとても強い。
訳)ゴムは木材よりも弾力性があります。
Vulnerableの言い換え2選
ここで、vulnerableに戻り、どんな言葉で言い換えができるか2つの表現を紹介します。
weak
weakは親しみのある単語で、あらゆるものを「弱い」と表現します。例えば、心身、性格、能力などが弱かったり劣っていること、そしてものが壊れやすい時にも使われます。
訳)誰にでも弱い面はある。
強い人にも弱い面があったり、その逆がありますね。両方を持つことが人としての成長につながるのでしょう。
susceptible
weakと比べ、あまり使ったことがないかもしれないのがsusceptible(サセプティブル)です。「敏感な・多感な」や「影響を受けやすい・感染しやすい」の意味を持つ形容詞です。
訳)ほとんどの患者は感染しやすく、他の病気を発症する可能性があります。
socially vulnerable people
最後に、本記事では社会的弱者について取り上げたいと考えます。
社会的弱者とは、その名のとおり、社会のなかの構成員であるものの、不利益な状態に置かれる者を指します。
イギリスにおける社会的弱者
弱者とは、運動障害や精神障害があったりして自らの面倒を見られなかったり、搾取から身を守る能力が低い人、または子どもを指します。人種、宗教、国籍、性別の違い、疾患などなど様々な原因で弱者になり得ます。
また、イギリスでは多くが社会的弱者(disadvantaged/socially vulnerable people)になり社会的脆弱性を経験しています。例えば、2019年にイングランドでホームレスになった人は28万人と記録しています。
訳)社会的弱者は、法律や社会福祉サービスの支援によって保護されるべきです。
まとめ
vulnerableには【弱い・脆弱な】または【傷つけられたり、影響を受けたり、攻撃されたりしやすい】の意味があります。vulnerableを使う表現のひとつに、社会的な弱者も含まれることを認識することが大切だと言えるでしょう。
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