会話中や、メッセージをを送る時には「にもかかわらず」という表現を使うことがあります。しかしこれ、英語では一体どう表現するのでしょうか。意味としては、最初に述べた事柄と逆のことを次で言うというニュアンスですよね。英語にも「にもかかわらず」と同じ意味で使う表現はいくつかあるので、それらをいつどこで使えば良いのかを見ていくことにします。それぞれ覚えて適切なシチュエーションで使えるようになりましょう!
in spite of
「にもかかわらず」は熟語でIn spite ofという表現があります。こちらは言い換えてDespiteと言うこともできるため、セットで覚えておきましょう。どちらを使っても意味は同じです。
In spite ofもDespiteも前置詞扱いとなるので、その後には名詞が来ることもあれば動名詞が来ることもあり、その後コンマで一度文章を区切って別の文章を繋げるという形になります。文頭に置くだけでなく、文中に置いても良いのでどちらも練習しておきましょう。
In spite ofもDespiteもほぼ同じ意味だと述べましたが、一応丁寧さで言えばDespiteの方がより丁寧になります。親しい人と口語で話す時はIn spite of、少しフォーマルな言い方をしたい時にはDespiteなど、シチュエーションによって使われる頻度は異なるでしょう。
Despite the heavy snow, we have to go to the office.
訳)大雪なのに私たちは職場へ行かないといけないんだよ
How unluckily…
訳)アンラッキーだよね・・・
although
「にもかかわらず」という訳で真っ先に思いつくのはAlthoughかもしれませんね。こちらはThoughとほぼ同じ意味なので、どちらを使ってもらっても構いません。スペルも似ているのでセットで覚えるのはそう難しくないはずです。強いて言うなら、意味は同じでもThoughの方がAlthoughよりカジュアルですね。
先ほど解説したIn spite ofやDespiteは前置詞だと言いましたが、こちらのAlthoughやThoughは接続詞になるので意味は同じでも使い方が異なります。
接続詞の場合、その後には「主語+動詞」が来て、接続詞を置いた後にもまた文章が続きます。文頭に置いても文中に置いても構いませんが、文頭に置く場合には文章の切れ目をコンマで表します。
Even thoughという言い方もありますが、これはThoughを強調したバージョンだと覚えておきましょう。日本語訳にするとどれも「にもかかわらず」となってしまうので強調された感は別のところで出す必要がありますね。会話なら、その人の表情や言い方でわかるので意識してみましょう。
regardless of
Regardless ofも、「にもかかわらず」という意味があります。Regardは「考える」という意味があるのですが、それに「~ない」という意味を持つLessがくっついたため「考えない」という意味を作っています。つまり、他事に左右されないというニュアンスを持っているということです。
訳としては、「にもかかわらず」よりも「に関係なく」の方がしっくりくることも多いです。それを考えない、気に留めないということは、関係ないということでもありますからね。「年齢に関係なく」、「性別は関係なく」、と表現したい時にぴったりです。
Regardless of age, the fee is free of charge.
訳)年齢に関わらず、料金は無料です
…Sounds good! Why don’t we go there?
訳)・・・あれいいね!行ってみない?
nevertheless
高校受験や大学受験をする時に出て来るNeverthelessも一応「にもかかわらず」という訳ですが、私たちが習う割にはかなりフォーマルな言い方になるためあまり日常生活では使いません。使うとしたらビジネスシーンや文書、論文の中でしょう。
Neverthelessは文頭でも文中でも文末でも、どこにでも付けられるのが優秀なところですが、文中に置くならコンマなどを使うようにして見やすくするのが一般的です。
Neverthelessはその文脈によっては「にもかかわらず」より「しかしながら」というHoweverと同じ意味で訳した方がわかりやすいこともあります。
for all that
For all thatは、「にもかかわらず」、「たとえそうでも、結局は」という意味です。Thatは必ずしも入れなくてはならないわけではなく、。「For all one’s~」とした形もあります。
よく見る簡単な単語で構成されちえるにもかかわらず、あまり熟語として習わない表現なので初見の人も多いのではないでしょうか。単語ひとつひとつは簡単でも、その組み合わせ次第で意味が異なることを意識してみましょう。
For all her poverty, she really likes shopping.
訳)彼女はお金がないにもかかわらず買い物が大好きなんだよ
Can’t anyone stop her?
訳)誰か彼女を止められないの?
No matter
No matterは、その後に疑問詞のHowが来たり、Ifを入れたりして「にもかかわらず」や「たとえ~であろうとも」という意味を持たせることができます。
「No matter how」と言えば「どんなに~でも」という意味になりますし、「No matter if」にすれば「たとえ~でも」という意味になります。他にも、No matterの後に疑問詞を入れることで以下のような訳ができます。
- No matter when:いつ…しても
- No matter who :たとえ誰でも
- No matter where:たとえどこの場所でも、どこへ行っても
- No matter what (happens):なにが起きようとも
疑問詞が持つ意味を意識すれば訳は自然とできてくるので、それぞれでどのような例文が作れるか練習してみてください。
in the face of
In the face ofはも「にもかかわらず」という意味で使えます。本来歯「直面して」という意味で使われるのですが、その直面している状態と行動が一致していない場合には「にもかかわらず」という訳になります。
そもそも「にもかかわらず」という意味は逆説であり、一致していない事柄を表すための言葉なのでそこまでIn the face ofのニュアンスを意識しなくても問題ありません。
My boss said we do need the meeting, in the face of the typhoon.
訳)台風なのに、上司が会議はどうしても必要だって言ったんだ
Why did he say so?
訳)なんでそんなこと言われたの?
まとめ
「にもかかわらず」という英語はたくさんありましたね。In spite ofやDespite、AlthoughやThough、これらはセットで覚えるべきもので、意味は同じでも使うシチュエーションが若干異なるのでした。また、前置詞なのか接続詞なのかで英文の作り方が異なるため、どこに置くべきものなのかもチェックしておくことが大事です。