「前の会議ではかなり重要なことを言っていたね。」
「前の上司から学んだことが、今でも仕事に活かされています。」
上の例文のように、時間的に「今よりも前」であったり、順番的に「前の」であったりと、「前の〜」という表現はよく使われますよね。
英語を使う外国人は、細かい意味や使い方ごとに、「前の」を色んな英語で表現します。
この記事では、そんな「前の」を意味する色んな英語表現を紹介します。
この記事を読み終わる頃には、「前の」を意味する色んな英語表現を、あなた自身も英語を使う外国人のように適切な使い分けをできるようになっているのでぜひ最後まで読んでください。
「前の」を意味する英語表現まとめ
「前の」を意味する英語には、主に以下の表現が挙げられます。
last
「前の」を意味する英語表現として、真っ先に思い浮かぶのが”last”でしょう。
「先週」を”last week”、「昨晩」を”last night”と言いますからね。
lastにはもともと「最後の」の意味があり、(これまでで)最後の週とか、(これまでで)最後の夜、といった意味合いで「前の週(先週)」や「前の夜(昨晩)」という使われ方がされています。
【例文】
- The last time we spoke, she mentioned her new job.
前回話したとき、彼女は新しい仕事について話していました。 - During the last trip, we visited several historical sites.
前の旅行では、歴史的な場所をいくつか訪れました。
previous
「前の」を意味する英語表現として”previous”も代表的な言葉です。
例えば英語で電子機器を操作する時に、”prev.”という表記を目にすることがあります。
”prev.”という表記は、”previous”の略語表現で、日本語に直すと「前のページに戻る」といった意味合いで使われることが多いです。
また”previous”は「前の」を意味する英語表現の中でも、時間的に直前のものを指して「以前の」や「前回の」を意味し、順序や連続性が強調されるニュアンスで使われます。
【例文】
- Her performance in the previous exam was much better.
前の試験での彼女の成績はたいへん良かったです。 - The previous meeting discussed the upcoming project deadlines.
前の会議では、来るプロジェクトの締め切りについて議論しました。
former
lastやpreviousの他にも、”former”を使って「前の」を英語で表現できます。
例えば、前に述べたことと、その後に述べたことを比べる時に、「前者と後者を比較する」と言いますよね。
「前者と後者」は、英語で”former and latter”と表現されます。”former”が「前者」で、”latter”が「後者」ですね。
“former”は「前の」や「元の」という意味で使われ、特に「以前の役職」を指して使われることが多いです。
「現在はその役職にない」ことを示しているわけですね。
【例文】
- My former boss now works at a different company in the city.
僕の元上司は今、市内の別の会社で働いています。 - The former president attended the ceremony as a guest of honor.
元大統領が主賓として式典に出席しました。
previousとformerの違いは?
ここで少し”previous”と”former”の、細かい意味の違いに触れておきましょう。
結論から言えば、”previous”が「直前の」を意味し、”former”が「今より前のこと全般」を指します。
例えば、”previous president”であれば「前・大統領」といった感じで、現在の大統領から一つ前に務めた人を指して使います。なので、2つ以上前の大統領のことは”previous president”で表さないわけですね。
対して”former president”は「元・大統領」といった感じで、現在の大統領よりも前に大統領を努めた人全般を含めて表現できます。
つまり「前」の範囲が、”previous”は「直前」で「限定的」なのに対して、”former”は「元」なので「広い範囲」であることが、両者の違いだと言えますね。
prior
”prior”も「前の」を英語で表現できる言葉の一つです。
これまで紹介してきた「前の」を意味する英語表現の中でも、フォーマルな文脈で使われることが多いのが特徴です。
また細かい意味合いとして、「時間的に前」の意味であったり、「前提知識」といった「物事の順序」での意味で「前の」というニュアンスを持っています。
【例文】
- I completed all my tasks prior to the meeting.
会議の前にすべてのタスクを完了しました。 - She had no prior experience in the field before starting the job.
彼女はその仕事を始める前は、その分野での経験がありませんでした。
earlier
”earlier”も「前の」を意味する英語だと言えます。
”earlier”は比較級の形ですが、元々の”early”の形であれば、教科書などで「早い」の意味で習うので、よく見知っている方がほとんどでしょう。
元々の”early”の特徴から、「前の」や「以前の」を意味する英語の中でも、「時間」的な「前」のニュアンスを持つ表現だと言えます。
比較的カジュアルな表現です。
【例文】
- I saw her earlier at the grocery store, buying some vegetables.
前に彼女が食料品店で野菜を買っているのを見かけましたよ。 - The earlier model of this smart-phone had fewer features.
このスマホの前のモデルには機能が少なかったです。
元〇〇 英語
「前の◯◯」の意味で使われる言葉として、”ex-〇〇”という言い方もあります。
”ex-〇〇”は、「元・〇〇」の意味になって「前の〇〇」を表現できます。
例えば、”ex-classmate”で「元・クラスメイト」の意味、”ex-colleague”で「元・同僚」の意味になります。
どちらも「前のクラスメイト」や「前の同僚」という意味にもなりますよね。
【例文】
- My ex-boss was very strict but taught me a lot.
元上司はとても厳しかったですが、多くのことを教えてくれました。 - I heard my ex-colleague got a promotion at his new job.
私の元同僚が新しい仕事で昇進したと聞きました。
まとめ
この記事では、「前の」や「以前の」を意味する英語表現を例文付きで紹介しました。
ここまでお読みのあなたは、「前の」を意味する色んな英語表現を、あなた自身も英語を使う外国人のように適切な使い分けられるだけの知識が身についているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語の表現力をより豊かにできれば幸いです。
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