「性格」は英語でCharacterですが、では「個性」は英語でどう言うのでしょうか。これもCharacterで良いのでしょうか。今回は、性格の中でもその人だけが持っている特徴的なところ、「個性」の英語について言及していきます。日本では個性がある人は嫌われて「出る杭は打たれる」なんて言葉がありますが、英語圏ではその個性を伸ばす教育を小さいころから行っています。文化の違いにも意識しながら読んでみてくださいね。
辞書で「個性」を調べてみた結果
まずは手っ取り早く、辞書で「個性」という英語には何があるのかを調べてみました。結果は以下の通りです。
個性の英語
英訳・英語
character; personality; individuality
Weblioという辞書で調べると、このように3つ出てきましたね。今回はこの3つに加えてもうひとつ最初にご紹介しますし、形容詞で「個性的な」という意味を持つ単語も追加しています。
ちなみに研究社 新和英中辞典で「個性」の英訳を見てみると、以下のような「個性」を含む英語表現が載っていました。どれも使えそうなのでここで一度暗記してみるのもおすすめです。
こせい 個性
one’s personality【形式ばった表現】 individuality
- 個性がない:lack individuality
- 個性を伸ばす:develop one’s personality
- 個性を発揮する:show [display] one’s individuality
- 個性的な:《a man》 with a great deal of personality
- 《a work》 marked by one’s strong individuality.
「個性を伸ばす」の「伸ばす」はDevelop、「発達する」と表現されているのが面白いですね。個性は発達するのかと言われたら謎ですが、環境要因や努力によって発達させる、つまり伸ばすことは可能かのかもしれません。得意な数学を伸ばしてそれを個性とするなどの場合に使えそうですね。
「個性を発揮する:show [display] one’s individuality」この記述からは、「発揮する」をShowやDisplayを使って皆に見せているという風に訳している点がわかります。「発揮する」を直訳しようと思うとなかなかその英語が出てこないものですが、Showだったら基礎英語なのですぐ使えますよね。このように、意外と簡単な英語でも表現できるのです。
また、個性は「《a work》 marked by one’s strong individuality.」というように、Strongを使って「強い」と形容することも覚えておきましょう。
originality
英語で「個性」と言いたい時にはOriginalityを使います。日本語でも既にオリジナリティーという言葉で使っていますよね。これは人に対してというよりはモノに対して言うことが多いのですが、英語の場合は人の個性に対しても使えます。
独創力やセンスとしての個性があることを指す言葉で、その個性の元となっているのが感性である点に注目してみましょう。ふるまいや態度に対する個性を表すのもOriginalityです。その結果、仕事で成果を出したり芸術で良い作品を残したりするというような意味が含まれています。
「have originality」で「個性がある」と言いますし、逆に個性がないと言う時には「lack originality」、「個性がない、没個性」と言います。
I feel he is lack originality.
訳)彼は個性がないと思うな
It can’t be helped. He came here only a day ago.
訳)仕方ないよ。まだここに来て1日だし
personality
Personalityも「個性」という意味で使います。こちらはその人の性格や気質に裏付けされた個性という意味を持っているため、先ほど解説したOriginalityのように、センスや感性が他にないという意味を持つ単語とは少しニュアンスが異なります。
「性格」と訳すこともできるので、意味としてはそちらに近いですね。言動からわかるその人が持っている個性を言いたいならPersonalityを使いましょう。
Personalityの場合、性格の強弱も表現できるのでStrongやWeekといった形容詞を使って、性格が強いことや弱いことを表したりもできます。
individuality
Individualityは、辞書の訳を見てみるとそのまま「個性」と書かれています。「特性」と訳されることもありますね。他の人とは違うという点に焦点を置いているのがIndividualityの特徴です。
一般的な個性として使うので、「性質」や「性格」という訳もできますが、ふとしたことでわかる些細な個性にも使える点が他の単語と違う点です。皆さんも他人に対して今まで気づかなかったふとした優しさにちょっぴり感心したり、意外と冷静な部分もあるのだなと思ったことはありませんか?そのような時にはIndividualityを使いましょう。
「個性が豊か」という表現もよくしますが、英語ではこのIndividualityを使って「a great individuality」と表現します。「豊か」であることをGreatで表すところが英語らしいですね。個性が豊かであることがとても良いことである文化に属していることがわかります。
Jane, you have a great individuality.
訳)ジェーン、あなたは個性が豊かね
Thank you, Ms. White!
訳)ありがとう、ホワイト先生!
character
「性格」という訳になるCharacterも、「個性」として使えます。その人が持っている性質であり、他の人とは違う点という意味ですね。
心の性格というイメージが強く、結果それが行動にも表れるのですが、その行動よりも心の部分に重きを置くのがCharacterです。いうなれば、その人が持つ独特の道徳観とでも言いましょうか。
unique
Uniqueは形容詞ですが、こちらも「個性的な」という意味です。日本語でもユニークな性格などと言うので、「ユニークな」という訳でも伝わるでしょう。
Uniqueは、他にはないその人だけの個性という意味が強く、たったひとつであることや、変わっていることを言います。そしてそれはポジティブな意味にもネガティブな意味にも捉えられるので、どちらの意味で言われているのかは文脈で判断するしかありません。皮肉が聞く国だと、どちらかあえてわからないように発言したりすることもありますからね。
その人個人のことをUniqueな人と言うこともありますが、どちらかというと洋服や作品のセンスについて形容する時に使われることが多い日常会話レベルの単語です。
This design is…very unique.
訳)このデザインは・・・ユニークだね
Oh I didn’t imagine you said so.
訳)あら、あなたがそう言うなんて予想してなかったわ
まとめ
「個性」は英語でOriginalityやPersonality、Individuality、Characterなどで表すのでしたね。それぞれ少し違いがありますが、基本的な意味は同じなのでどれを使っても構いません。ただ、他の単語とセットで使う時には、単語の相性というものがあるのでそのまま覚えてしまった方が無難です。「伝わるけれどネイティブにとっては違和感のある英語」をなくしていくのもレベルアップのコツですよ!