イギリスが好きだったり、イギリス英語を学んでいる人が多くいます。一方、イギリスの食文化に興味がある人はそれほどいないかもしれません(笑)ところで、イギリスにはトライフルというとっても美味しいデザートがあることをご存知ですか?

この記事では、イギリスの代表的デザート「トライフル」を特集します。あらゆるお祝い、毎日のおやつや食後のデザートにと、イギリス人、在英日本人に大人気のスイーツがどんなものか紹介しましょう。

イギリスの代表デザート「トライフル」

イギリスの代表デザート「トライフル」

イギリスの話になると、食事がまずいという話が耳に入ってくることがあるでしょう。節は色々ありますし、実際には美味しいものまずいものあります。
しかし、本記事で紹介するトライフルは間違いなくイギリス発祥の美味しいデザートです。それぞれの項目では、英文でトライフルを説明してみましょう。

トライフルの英語表現

トライフルは英語でtrifleと書きます。トライフルにはフルーツが使われますが、例えばイチゴのトライフルならstrawberry trifle、ラズベリーならraspberry trifleになります。ちなみに単語trifleには「つまらないもの・些細なこと」という意味もあります。トライフルデザートは決してつまらないものではないので、安心して読み続けくださいね。

トライフルってどんなデザート?

さて、フルーツを使うと書きましたが、トライフルにはその他の材料も必要になります。というのも、トライフルは層になっているデザートだからです。
その他の材料とは、スポンジケーキ、ゼリー、カスタードクリーム、生クリームです。これらによって層を作ったものがトライフルです。ちなみに、子どもが食べるのでなければスポンジケーキにはシェリー酒を浸したものを使うこともあります。そして、仕上げのトッピングにはフレッシュなフルーツやナッツやスライス状のチョコレートでデコレーションしたりします。

Aさん
A trifle is a confection that is typically composed of sponge cake, that has been soaked in sherry and is then topped with layers of fruit, custard, and whipped cream.
訳)トライフルは、通常シェリー酒に浸したスポンジケーキにフルーツ、カスタード、ホイップクリームを重ねたお菓子です。

すべての層を一気に楽しむトライフル

トライフルはそれぞれの材料を層に重ねて作られたデザートということが分かりました。では、実際のお味は?

トライフルってどんな味?

トライフルはゼリー、カスタードクリーム、生クリームなどを使い冷たくして食べるため、chilled dessert(冷蔵保存が必要な冷たいデザート)のひとつになります。スプーンで層のすべてをすくって食べてみれば、クリームの甘さ、果物の酸味、スポンジケーキの柔らかさが冷たさを緩和し至福の瞬間が訪れます。

Aさん
A trifle is a chilled dessert, and should be kept in the fridge.
訳)トライフルは冷たいデザートなので、冷蔵庫で保存する必要があります。
Aさん
I love trifle as it’s a no-bake (win!) and this oh-so-delicious pudding serves a crowd.
訳)焼かずに食べられる(やったね!)からトライフルが大好き、そしてこのとっても美味しいデザートは大勢の人に出されるわ。

イギリスの家庭やレストランで食事をするときに覚えておきたい単語にpuddingがあります。puddingはイギリスではデザートの意味で使われます。日本で言うプリンはcream caramelやcustard puddingなどで表します。

トライフルヒストリー

イギリスで定番中の定番デザートのトライフルはいつから食べられるようになったのでしょう。ここでは、トライフルの歴史をたどってみましょう。

トライフルの起源は16世紀

16世紀のイギリスはルネサンス期と知られ、大きな文化変動の時でした。16世紀前半には史上最悪の国王と呼ばれたヘンリー8世が絶対王政を強化し、ローマ教会と対立したという時代でもあります。
1585年、トライフルはすでにThomas Dawson氏によって書かれた料理本THe Good Huswifes Jewellに登場したと言われています。この時は、砂糖、生姜、ローズウォーターで味付けした濃厚なクリームのレシピとして記載されました。

定番になっていったトライフル

その後、エリザベス時代にクリーム、フルーツ、香料だけ使ったトライフルに変化、その後18世紀に古くなる焼き菓子を節約するために、スポンジケーキがトライフルに加えられました。
19世紀にはクリスマスの定番デザートとしてトライフルが人気になっていきました。

Aさん
Trifle originated in the 18th century in Britain and was invented to use up leftovers and stale pieces of cake.
訳)トライフルは18世紀にイギリスで生まれ、残り物や古くなったケーキの端切れを使い切るために考案されました。

ご飯の残り物が出ることがありますが、英語ではleftoverと表現します。

トライフルの作り方

トライフルの作り方

次に、トライフルの作り方を紹介します。日本でも簡単に作ることができますよ。

トライフルを作ってみよう

トライフルを作るのに準備するのは、以下です。
スポンジケーキ
フルーツ(お好みで)
ゼリー
カスタードクリーム
ホイップクリーム
ナッツやチョコレート(仕上げのデコレーション)

上の材料が揃ったら、トライフルの特徴である層にしていきます。容器にまずスポンジをひきます。その上にゼリー、カスタード、ホイップクリームを順々に乗せていきます。最後にフルーツ、ナッツやチョコレートを好みでトッピングしたら出来上がり!なんて簡単なんでしょう。しかし、全材料を一緒に使うレシピはそうないかもしれません。

容器は透明にしてトライフルの層を見せる

ホームメイドでトライフルを作る場合、直径30センチメートルほどの大きなガラスボールを使うことが多くあります。市販のトライフルは大きなものを1つで、または1人用トライフルが3つセットになったパターンで売られています。どちらも透明なプラスチック容器に入っています。
これらは、トライフルのカラフルな層が見えるようにしているのです。美味しく美しい見た目も綺麗なトライフルを楽しめます。

トライフルのバリエーション

トライフルのゼリーはいちごとラズベリーを基本に、トッピングにはブルーベリー、マンゴーなども使われます。ラズベリートライフルを食べれば、果肉はたっぷりつぶつぶの食感も楽しめます。

また、チョコレートやピーチパンナコッタバージョンもあります。さらに、ヴィーガンの人のための乳製品不使用のトライフルも登場しています。

トライフルはいつ食べるの?

さて、トライフルは年間を通して売られ、日常のデザートしても食べられる人気のスイートです。

トライフルは特別な日のスイーツ

日常のデザートとして大人気のトライフルですが、クリスマスや誕生日といった特別な日に用意されるデザートでもあります。寒くて暗いイギリスの冬に、冷たいけれど華やかな見た目のトライフルがクリスマスのテーブルに上がることもよくあります。

イギリス4つの国どこでもトライフル?

イギリス4つの国どこでもトライフル?

さて、イギリスといえば、イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドという4つの国から構成されることは皆さんご存知でしょう。最後に、この4つの国のトライフル事情を紹介します。

イギリス4つの国のトライフル事情

どの国でもトライフルが食べられていることは事実です。ロンドンを含むイングランドではトライフルは超定番であり、ウィスキーで有名なスコットランドではスポンジケーキにシェリーの代わりにウィスキーを染み込ませるバージョンがあります。ウェールズと北アイルランドでは人気はあって定番ではあるもののイングランドほどではないという印象があります。

まとめ

本記事では、イギリスの超代表的デザート「トライフル」を紹介しました。イギリス在住の筆者もトライフルが大好きで、日本人ゲストが来るときにはイギリス食文化体験のひとつとして必ずトライフルを出しますが、今まででは美味しいという感想を100%もらっています。皆さんも機会があれば、ぜひ食べてみてください。

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