ジャムのミナレットはアフガニスタンにある塔の形をした遺跡です。2002年に世界遺産に登録されたミナレットにはどんな歴史があるのでしょうか。訪れる前に知っておきたいミナレットの魅力を英語での説明とともに紹介します。
ジャムのミナレットとは?
ジャムのミナレットは、アフガニスタンのゴール州に位置する高さ約65メートルの美しい塔で、ユネスコ世界遺産に登録されています。12世紀にゴール朝によって建設され、イスラム建築の傑作と称されるこのミナレットは、複雑な装飾と歴史的価値から世界中の注目を集めています。
ジャムのミナレットの歴史
ジャムのミナレットは、1194年頃にゴール朝の将軍、クトゥブッディーン・アイバクによって建設されたと考えられています。当時、ゴール朝はアフガニスタン一帯に勢力を拡大し、インドにも進出した強大なイスラム王朝でした。
このミナレットは、本当に存在していたかが確認されていません。周囲にモスクがあるわけではないので、「昔に存在していたモスクの残骸」やアイバク将軍の「戦勝記念塔なのではないか」などと、その存在理由は諸説あると考えられています。
英語での説明:
The Minaret of Jam is a tall tower. People think it was built around 1194 by a general named Qutb al-Din Aibak.
At that time, his group, the Ghurid dynasty, was very powerful. They controlled a lot of Afghanistan and even went into India.This tower is a bit of a mystery. No one is sure why it was built. There’s no mosque nearby, so it might not have been part of one.
Some people think it could be the remains of an old mosque. Others think it was built to celebrate a victory in war. No one knows for sure.関連:国連教育科学文化機関
建築の特徴と美しさ
ジャムのミナレットは、高さ約65メートル、直径約9メートルの円筒形で、先端に行くに従って徐々に細くなっている円すい形の塔の形をしています。
特徴的なのは、外壁に施されたクーフィー体で書かれたアラビア語の碑文や幾何学模様です。特にクルアーンの章句が彫られており、芸術性と宗教性が融合した見事なデザインが施されています。
コーラン第19章などがアラビア語で彫られており、その内容から宗教的な色合いが強い建造物だということがわかります。
英語での説明:
The Minaret of Jam is a tall, round tower, about 65 meters high and 9 meters wide. It gets thinner as it goes up, like a cone.
It’s special because of the carvings on the outside. There are Arabic writings and patterns. Some of the writings are verses from the Quran. It’s a beautiful mix of art and religion.
You can see parts of the Quran, like chapter 19, written in Arabic. This shows it was probably a religious building.
世界遺産登録とその意義
2002年にユネスコ世界文化遺産に登録されたジャムのミナレットは、「危機遺産リスト」にも掲載されています。
その理由は、自然災害、侵食、略奪行為によって保存状態が悪化しているためです。特に周囲を流れるハハリー・ルード川の浸水被害が深刻であり、ミナレットの土台倒壊リスクが指摘されています。
また、ホテルや道路の建設により、取り壊しをされてしまうのではないかと心配もされています。
さらに2001年のアメリカによるアフガニスタン侵攻では、混乱に乗じて文化財が盗まれるという事件も起こりました。
この遺産は、イスラム文化と中央アジアの交流を示す貴重な証拠であり、歴史的・文化的な意義が非常に高いと評価されています。こうした文化財の破壊から守るためにも、世界遺産に登録され保護されるということは極めて重要なのです。
英語での説明:
The Minaret of Jam became a UNESCO World Heritage site in 2002. It is also on the “World Heritage in Danger” list.
This is because natural disasters, erosion, and looting have damaged it. The nearby Hari Rud River causes serious flooding, which may weaken the minaret’s foundation. There are also worries that new hotels and roads might lead to its destruction.
During the U.S. invasion of Afghanistan in 2001, some cultural treasures were stolen during the chaos.
The Minaret of Jam is an important symbol of the connection between Islamic culture and Central Asia. Protecting this site is very important to keep its history safe for future generations.
アクセスと観光情報
ジャムのミナレットはアフガニスタンの山岳地帯に位置しており、アクセスは非常に困難です。実物のミナレットを見に行くときはしっかりと準備しておきましょう。
所在地:アフガニスタン・ゴール州ジャム渓谷
最寄り都市:ヘラート(約200km東方)
治安上の問題もあり、観光目的で訪れるのは容易ではありませんが、学術的価値や文化的意義から研究者の関心を引き続き集めています。
ジャムのミナレットの保存活動
現在、アフガニスタン政府と国際機関が協力し、ジャムのミナレットの保護と修復活動が進められています。
主な活動内容:
- 洪水対策の強化
- 石材の補修と安定化
- 遺跡周辺の監視と保護
アフガニスタン国内では経済開発計画のため、ミナレットの倒壊を望む声も上がる中、国際社会からの支援を得て、貴重な文化遺産を後世に引き継ぐ努力が続けられています。
まとめ
ジャムのミナレットは、アフガニスタンの壮大な歴史と文化を象徴する世界遺産です。素朴なシルエットと対象的に、その幾何学的な彫刻は繊細さを感じさせます。12世紀に建てられたこの塔は、重要な文化財として今も世界中の関心を集めています。
世界遺産であるジャムのミナレットについて調べたい、訪れたいという方々に向け、この貴重な遺産の歴史、建築の特徴、保存活動について詳しくご紹介しました。英語での説明も理解できるよう英会話力を磨いていきましょう。英会話ならKimini英会話を試してみては?