英語で「have to」と言えば、「~しなければならない」とか、「~する必要がある」と習いましたね。読み方も特徴的で、「ハフトゥー」になります。これは現在公立中学校の2年生が習う文法です。ただ、同じ意味の助動詞も習いませんでしたか?それが「must」です。これ、実は初めて学ぶと複雑で、肯定文ではほぼ同じ意味なのに、否定文になると意味が変わるのです!では、「have to」や「must」の違いについてここで復習していきましょう!
「have to」が持つ意味
「have to」は、客観的に見た時に使える助動詞表現です。訳としては「~しなければならない」となりますが、それは主観的にそう思っているというよりは、周囲の状況を鑑みるにそうしなければいけないだろうと思っていることになります。日常的に人に対して使うこともできます。
主観的に使うのか、それとも客観的に使うのかまでの説明は中学校ではされません。習うとしたら高校ですが、それでも偏差値によっては習わないところや飛ばすところがあります。しかし、英語を操るならニュアンスの理解は必要です。日本語訳で理解していく日本の英語教育では、ネイティブに使うとキレられることすらあるのでその理解に努めることが重要です。
You have to submit the document by tomorrow.
訳)明日までにその書類を提出してください
Yes, sir.
訳)わかりました。
「must」が持つ意味
英語の「must」は義務を表す助動詞です。意味は「~しなければならない」となり、何かを強いる時に使います。自分に対して自分で言うこともできますが、相手から言われた時のニュアンスは「逆らえない」という強い強制です。命令と言っても良いでしょう。
ですから、もし人に「must」を使って「~しなければならない」と言うのであれば、日本語訳以上の強く強制力がつくので注意が必要です。
You must study English. は「あなたは英語を勉強しなければならない」と習いますが、実際にネイティブが聞くと「英語を勉強しろ!!」というようにとても強く聞こえます。
今まで、「have to」と「must」は同じ意味であるとか、書き換え問題でこの2つを入れ替えたら正解をもらえていたと思いますが、その学生時代の様子をネイティブが見たら違和感を持つでしょう。
You must go home.
訳)家に帰りなさい!!
Oh no, Ms Watson!
訳)しまった!ワトソン先生だ!
「have to」と「must」の違い
先ほど説明したのは「have to」と「must」の肯定文のことでしたが、ここからは否定文での違いに着目していきます。肯定文だと「must」の方が「have to」よりも随分と厳しい印象があり、主観的な意見であると説明しましたね。これが否定文になると、それぞれ意味が違うものになります。
「have to」の否定形
例えばこちらの例文、あなたならどんな訳をつけますか?
You don’t have to attend the meeting.
正解は、「あなたはそのミーティングに出席しなくてもいいです。」です。
don’t have to doは、直訳すると「(状況的に)~するべきことをもっていない」となります。つまり、そのような状況にないのでするべきこともないとなるわけです。中学生が習う訳は、「~する必要はない」と、「~しなくてもよい」の2つです。
You don’t have to study German today.
訳)今日はドイツ語を勉強しなくてもいいよ。
Why? You always say I should study.
訳)なんで?いつも勉強しなさいって言うのに。
「must」の否定形
では、「must」の否定形はどのような意味になるのでしょうか。これも先に問題を出しましょう。以下の文章にどのような訳をつけますか?
You mustn’t attend the meeting.
正解は、「あなたはそのミーティングに出席してはいけません。」です。
先ほどのやんわりとした「~しなくてもよい」とは異なり、今度は「~してはいけない」という禁止になりました。これは命令形の否定文に言い換えることもできます。肯定文と同じく強制的な意味合いが色濃く出るので、使うシチュエーションはかなり限られますね。
「have to」と「must」の否定形の意味の違いは中学生の定期テストで絶対と言っていいほど出題されるので必死に覚えた人もいるのでは?今回はその内容も思い出してしっかり定着させていきましょう!
まとめ
「have to」と「must」の違い、中学生で習ったこととネイティブが感じることを照らし合わせてみると、随分と誤差があることがわかりましたね。否定文の違いは習うものの、肯定文の違いは説明されることなく進むため、今回知ってびっくりした人も多いのではないでしょうか。どちらも同じと考えず、「must」を使う際にはかなりの強制力が働くことを覚えておきましょう。上司であっても「must」を使えば部下はかなり恐縮するのかもしれませんね。日常生活ではまず友達には使えないでしょう。