イギリスはロンドンの真ん中でも緑豊かな風景が広がります。ナショナルトラストという自然保護の慈善団体による数おおくの歴史的な場所や緑地などを保存する活動も130年以上継続しています。
そして、英国王室も自然環境を保護するためのガーデンを複数所有していることをご存知ですか?
この記事では、イギリスの世界遺産「キュー王立植物園」を紹介します。王室の植物に関する想いや魅力を英語で表現してみましょう。
キュー王立植物園の基本情報
キュー王立植物園はイギリス、ロンドンのテムズ川のほとりにあります。東京ドームの約30個分の広さを誇り、ここでは多くの花々や植物を楽しめます。
まず、キュー王立植物園の基本的な情報からみていきましょう。
Royal Botanic Gardens Kew
キュー王立植物園は英語で”Royal Botanic Gardens Kew”になります。イギリス人は親しみを込めて、キュー王立植物園を”Kew Gardens(キュー・ガーデンズ)”と呼びます。
公式サイトRoyal Botanic Gardens Kew
Royalは国王や女王以外に「王立の」や「王室の援助を受けた」といった意味があります。そしてBotanicは「植物の」であることから、キューは王立の植物園となります。
訳)キュー王立植物園は、ロンドン南西部のキュー、リッチモンドにあります。
訳)キュー王立植物園の敷地は、1731年にウェールズ王子と王女によって取得され、1759年に外来植物の庭園として設立されました。
この例文からも、英国王室がキューに関わってきたことが分かります。exotic plantsとは外来植物、本来はその土地に生息していなかった植物を指します。これらを観ることができるのがロンドンのキュー王立植物園です。
訳)1840年に設立されたキュー王立植物園は、世界でもっとも広大で重要な植物園のひとつである。
キュー・ガーデンズの特徴と、東京ドーム約30個分ほどと言われる規模がわかる例文となっています。
キュー王立植物園が世界遺産になった理由は?
イギリス人はガーデニングが大好きで、多くの人は週末に家の庭を手入れしたり、ガーデンセンターへ行きランチやお茶をすることが定番となっています。イングリッシュ・ガーデンは本当に美しいです。
そもそも、植物園が世界遺産ってすごいことではないでしょうか?
キュー王立植物園が世界遺産になった年
訳)キュー王立植物園は、2003年にユネスコの世界遺産に登録されました。
キュー王立植物園が世界遺産になった理由
世界遺産に登録されるためには、顕著な普遍的価値を有し、かつ、保護と管理する体制が整っていることが条件になります。
訳)この歴史的な景観庭園には、18世紀~20世紀にかけての庭園技術に関する重要な時代を示す要素が取り入れられています。
訳)庭園には、何世紀にも渡って大幅に充実してきた植物コレクション(保存植物、生きた植物、文書)が収蔵されています。
このように、キュー王立植物園にはユネスコが認めた普遍的価値があるということなんですね。ロンドンでは47%ものエリアで公園やガーデンといった緑が大切にされています。東京では樹齢の長い木々を切ってしまうプロジェクトに反対する声が上がっていますが、イギリスは王室からしても正反対の考えを持っています。
引用:UNESCO World Heritage Centre
Kew Gardensのミッションとは?
Kew Gardensの公式サイトにはミッションに関して、明確に伝えるページがあります。そこで、彼らのミッションを紹介しましょう。
Kew Gardensのミッションと優先事項
訳)私たちの目標は、絶滅の危機を終わらせ、自然が保護され、評価され、持続可能な方法で管理させる世界の創造に貢献することです。
このミッションを果たすためにも、キューガーデンズでは地球上のすべての生命の未来のため、植物そして菌類を保護するという10年戦略を2021年に開始しています。
引用:Royal Botanic Gardens Kew “Our mission and priorities”
Kew Gardensのコレクションを紹介
Kew Gardensにはアイコンにもなっているガラスの巨大温室があります。ここでは、世界最大かつもっとも多様な植物と菌類のコレクションを紹介します。
Kew Gardensの膨大なコレクション
訳)キューガーデンズには、50,000種類を超える生きた植物と、700万を超える保存標本が収蔵されています。
訳)キューガーデンズは美しい空間であるだけでなく、植物に関する知識の宝庫でもあり、図書館には750,000冊を超える書籍とイラストが収蔵されています。
何世紀にも渡って充実させてきたコレクションによって、キューガーデンズが世界でもっとも重要な植物園であることが認められています。
引用:The London Pass “Top Facts about Kew Gardens”
Kew Gardensが誇るパーム・ハウス
Kew Gardensが誇る温室、それがヴィクトリア時代後期の建築物パーム・ハウス(Palm House)です。
Palm Houseを紹介
ガラス温室であるPalm Houseにいったん足を踏み入れれば、その湿度によってメガネが曇るほどです。その名のとおり、温室内にはヤシの木など熱帯植物が生い茂っています。
訳)パーム・ハウスは、この規模で建てられた最初の温室でした。
ダイアナ妃によってオープンした温室
キューガーデンズには、外観が三角形の屋根が連なったPrincess of Wales Conservatoryという温室もあります。
Princess of Wales Conservatoryを紹介
この温室は1982年に建設スタート、1986年に植栽が始まりました。イギリスの動物学者・植物学者・作家やナレーターで有名なデイビッド・アッテンボロー卿(2025年で98歳)は、この温室が建設中であった1985年重要な食用作物や絶滅危惧種の種子が入ったタイムカプセルを基礎に埋め込みました。このタイムカプセルは2085年に開封される予定です。
さて温室が出来上がったのが1987年、このときにオープンしたのが故ダイアナ妃だったのです。
訳)1987年、ダイアナ妃がこの温室をオープンしました。
キューは王立ということを改めて感じさせられるエピソードですね。
もうひとつのキュー・Wakehurst
実は、キューガーデンズはロンドンだけでなく、サセックス州にもうひとつあります。
Wakehurstを紹介
ウェイクハースト(Wakehurst)はキュー王立植物園が資金提供し管理している植物園で、南東イングランドのサセックス州にあります。
ロンドンのキューもサセックスのウェイクハーストも素晴らしい自然に触れることができる場所としておすすめです。Wakehurstでは地図を片手に広大な敷地の散策をしたり、カフェ、レストラン、ティールームで一息ついたりとのんびりとした1日を過ごせます。これら飲食代も維持するための管理に役立ちます。
まとめ
本記事ではロンドン屈指のスポットであり、イギリスの世界遺産「キュー王立植物園」を紹介しました。
キューの入場料はオンライン予約で£22、当日購入で£25、午後4時以降であれば£11です。ロンドンの華やかさを楽しんだ後、花や植物、散策というイギリスならではのリラックスした過ごし方がキューガーデンズででき、大変おすすめです。
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