日本語でもエクササイズというカタカタ言葉は日常的に使いますね。ですから、英語のexerciseという言葉も、なんとなく「運動」というような意味で捉えている人が多いでしょう。
もちろん、exerciseは日本語のエクササイズと同じ意味がありますが、実は他にも色々な意味があるんですよ。

今回はexerciseという言葉のさまざまな意味・使い方をご紹介していきます。日常英会話の範囲でよく使われるものばかりですから、ぜひ覚えて使ってみてくださいね。

「Exercise」の種類

前述のとおり、exerciseには運動などのエクササイズの意味がありますが、その他にも意味があります。
まずは、exerciseに含まれる意味を、わかりやすくリストにしてみました。

  • 運動・エクササイズ・稽古(身体的なもの)
  • 練習・課題・訓練(心身・頭脳を鍛えるためのもの)
  • 行使(権力・権利・力など)

上の2つはピンとくる人も多いでしょう。しかし、「行使」という意味は知らなかった人も多いかもしれませんね。
今回はこの3つの意味にわけて、excerciseの使い方をご紹介していきます。

運動などの身体的なExercise

運動などの身体的なExercise

運動やエクササイズ、お稽古といった、体を動かす意味での「excercise」は、日本語のエクササイズとほぼ同じ使い方ができます。

使い方のポイントは、「work out」との違いではないでしょうか。「work out」にも運動するという意味がありますが、work outとexcerciseにはきちんと違いがあります。
その違いをわかりやすく下記にまとめてみました。

Exercise:体を動かすことが目的の軽めの運動、楽しむための運動(ダンス、水泳、ウォーキングなど)
Work out:体を鍛えるための運動、筋トレ

違いがわかるでしょうか。つまり、筋肉増強のためなどに激しく運動するのが「work out」で、健康などのために体を動かすような運動は「exercise」となります。

おそらく日常的に運動をしている人のほとんどがexerciseをしているでしょう。
会話例文でも、身体的なexerciseの使い方をご紹介します。

Aさん
You are sweating! Did you work out?
汗をかいてるよ! 運動(work out)したの?

Bさん
No, not really. I was just exercising a bit. 
いや、そういうわけじゃないよ。ちょっとエクササイズをしてたんだ。

Aさん
What did you do?
何してたの?

Bさん
Zumba. Have you ever heard of it?
ズンバだよ。聞いたことある?

Aさん
Yes! I’ve always wanted to try that.
うん!ずっとやってみたいと思ってたの。

Bさん
Oh? Why don’t you join me then?
そうなの?じゃあ、一緒にどう?

Aさん
Sounds great! I’ve been thinking that I should do some exercise. I’m gaining my weight recently.
いいね!運動(exercise)しなきゃと思ってたんだ。 最近、体重が増えてるから。

文中のように、excerciseは動詞としても名詞としても使うことができます。「エクササイズする」なら動詞で、単に「エクササイズ」なら名詞ということですね。

勉強や練習などのExercise

勉強や練習などのExercise

日本語でも「頭のエクササイズ」なんて言ったりしますが、英語でもそんな風に勉強や練習に関してexerciseという単語を使うことがあります。
たとえば、英語の練習に関するエクササイズなら、下記のような文章が使えますね。

Aさん
I have to do a lot of speaking exercises so that I will be able to speak more fluently.
もっと流暢に話せるようになるために、スピーキング練習をたくさんしなければなりません。

Bさん
You should work on listening exercises as well. It’ll help your speaking skill too.
リスニングの練習に取り組むとよいですよ。それもスピーキングに役立ちますから。

Aさん
Hmm…my text book doesn’t have many exercises, actually.
うーん、実は私のテキストにはあまり練習問題が載っていないんです。
Bさん
Let’s go to a bookstore to find the best exercise book for you, then!
じゃあ、本屋さんに行って、あなたに合った練習問題本を探しましょう!

ちょっとexerciseを使いすぎてくどい感じがしますが、このように何かの練習というときに、非常によく使える単語です。
身体的なエクササイズとともに、使い方をマスターできると良いですね。

「行使する」という意味のExercise

「行使する」という意味のExercise

次は、ちょっと聞き慣れず使い慣れない「行使する」という意味のexerciseについても解説します。
この意味のexerciseは「行使する」とあることから、日常会話ではあまり使われることはありません。もし使ったとしたら、少し堅い言い回しになります。

「apply」や「use」などとも似た表現ですが、例文で見た方がわかりやすいでしょう。会話例文は作りづらい表現なので、一文ずつ例文を作ってみました。

Aさん
You should exercise common sense when you meet new people.
新しい人と出会うときは常識を働かせる必要があります。

Aさん
I must exercise my imagination more.
もっと想像力を働かせなければならない。

Aさん
We need a prime minister who exercise his right with discretion.
慎重な権利行使をする総理大臣が必要です。

Aさん
The people can not exercise their authority directly.
国民が直接権限を行使することはできません。

ちょっと難しい感じがしますね。「権限・権利の行使」ということが言いたい場合は、exerciseを使って表すことができます。これはもう、ひとまずそういう言い方をするのだとセットで覚えておいた方が良いかもしれません。

そのほかにも、1番目の例文のように、「常識を働かせる」の働かせるの部分もexerciseと言えますし、「注意力を働かせる」「集中力を働かせる」「想像力を働かせる」のような文章でも、少し堅めの文章ならexerciseを使って表すことができます。
ちなみに最初の文章だと、カジュアルに言えば「You should use your common sense」と言えます。(useを使う場合は、one’s とします。)

意外と使い道の多いExerciseという言葉

「エクササイズ」というと体を動かすことを想像する人がほとんどかと思いますが、今回ご紹介したように、英語のexerciseはとても使う範囲の広い言葉です。
勉強などの練習という意味では非常によく使われますし、最後に解説した「行使する」という意味でも、日常会話ではそれほど使われないとは言え、一般的な使い方であり、覚えておくと使うこともあるでしょう。

さまざまな使い方ができるexerciseという言葉。たくさん練習して、英会話に役立ててみてくださいね。