「あの人はリーダーとしての威厳を保っている」
このようなことを会話で言いたいとき、威厳は英語でどう表現するのでしょうか?

この記事では、威厳・荘厳・壮大や陛下などの意味を持つ英語majestyの使い方、そしてマジェスティがイギリスの国王を表すことなども紹介します。万が一、イギリスのロイヤルメンバーに会う際の挨拶方法も併せてお届けしましょう。

majestyの意味

majestyの意味

英語majestyは名詞で、カタカナ語でマジェスティという読み方をします。それでは、さっそくmajestyがどのような意味を持つのか、そして例文とともに使い方もみていきましょう。

majestyの意味

majestyは名詞ですが、可算名詞と不可算名詞として使い分けされる単語です。それぞれの意味を以下、紹介します。

(1) 不可算名詞のmajesty
「威厳(いげん)・荘厳(しょうごん・そうごん)」
※威厳とは、堂々としていておごそかな様子。
※荘厳とは、見事でおごそかなこと。
両方に使われる「おごそか」という表現は、気持ちが引き締まるほど重々しい様、礼儀正しく近寄りがたい様子を指します。

(2) 可算名詞のmajesty
「陛下」
※陛下とは、君主に対する尊称の一つ。日本では天皇陛下などとして使用されます。また、王室のある国では、国王にも使われます。

さて、majestyの語源ですが「威厳」や「偉大さ」という意味のラテン語majestasになります。majestyは現在、尊厳や権力に関する多くの文脈で、ある存在を称賛する場合によく使われる表現となりました。
なお、威厳を表す類語にはdignityがあります。

majestyの使い方

それでは、majestyの使い方を具体的に例文でみていきましょう。

Aさん
The majesty of the great cathedral in Italy made us speechless.
訳)イタリアの素晴らしい大聖堂の威厳に、私たちは言葉を失いました。

この例文の威厳とは、壮大、荘厳と言い換えることができるでしょう。

Aさん
My father maintained his majesty even after his illness.
訳)父は、病気になってからも威厳を保ちました。

「威厳を保つ」という言い方がありますが、例文にあるようにmaintain one’s majestyのパターンで表現します。

majesticの意味

majesticの意味

次にみていく単語は、majestyが形容詞になったmajesticです。

形容詞majesticの意味と使い方

majestic(マジェスティク)は形容詞であり「威厳のある」「堂々とした」「壮大な」の意味を持っています。特に、人の威厳ある態度や行動、自然の美しさ、建造物の威厳を表すときに使用されます。

Aさん
The leader’s majestic speech moved the crowd to tears.
訳)リーダーの威厳ある演説は、観衆の涙を誘った。

威厳ある演説は、堂々とした演説という言い方にも置き換えられます。

Aさん
My hobby is climbing mountains, and I was so touched when I saw the majestic Matterhorn in Switzerland just in front of me.
訳)私の趣味は山登りで、スイスの壮大なマッターホルンを目の前にしたときはとっても感動しました。

動画やテレビで見ていた憧れのマッターホルンの姿、実際に目の当たりにしたときの感動は想像できますね。山など自然が「威厳のある」「堂々とした」「壮大な」であるときに形容詞majesticを使って表現します。

イギリスの女王を呼ぶときの敬称majesty

可算名詞のmajestyには「陛下」の意味があることを紹介しました。さて、ここではイギリス好きの方のためにmajestyが女王を呼ぶ敬称に使われていることを紹介しましょう。

Her Majestyで「女王陛下」

イギリスの歴代女王はメアリ1世に始まり、ヴィクトリア女王、そして1952年から96歳で死去するまで70年以上にわたって在位したエリザベス女王(エリザベス2世)が多くの人の印象に残っています。
このような女王たちの敬称がHer Majestyです。Her Majestyで「女王陛下」また「王妃陛下」の意味になります。

Aさん
She was invited to tea with Her Majesty the Queen at Buckingham Palace.
訳)彼女は、バッキンガム宮殿での女王陛下とのお茶会に招待されました。

例文のとおり、Her Majesty the Queenとします。また、His Majestyで「国王陛下」となり、イギリスの現在のチャールズ国王はHis Majesty The Kingと表現します。
このように、国王や天皇、そしてその配偶者に対する敬称としてMajestyが使用されます。Majestyは女王(Queen)や王(King)に相当する表現なのです。

yes your majestyの意味

”yes your majesty”というフレーズがあります。いったい、どのような意味で使用されているのでしょう?

yes your majestyで「はい、陛下」

国王や女王とのやりとりがあるとき、返事をするフレーズに”yes your majesty”があります。この意味は「はい、陛下」です。この方々を名前で直接呼ぶのは敷居が高すぎるため、majestyという敬称を使うのです。

なぜ、my majestyでなくyour majestyなの?

しかし、なぜyour majestyなのでしょう?私の陛下への応答であればmy majestyになりそうですよね?ここは、本記事のテーマである「威厳」にも関係する理由が隠れています。「はい、陛下」には、「あなたのご威光」という意味が含まれているためyour majestyなのです。

「Your Highness」と「Your Majesty」の違い

名詞Highness(ハイネス)には「殿下」の意味があります。さらにみていくのは”Your Majesty”と”Your Highness”の使い分けです。

”Your Majesty”と”Your Highness”の違い

陛下とは、君主に対する尊称の一つであり、日本で天皇陛下などとして使用されます。また、王室のある国では、国王にも使われます。一方、殿下とは陛下以外の皇族や王族の敬称です。

ご想像のとおり、”Your Majesty”と”Your Highness”の違いは呼びかけの対象にあります。
Your Majestyは、国王や女王が対象。
Your Highnessは、国王や女王以外の例えば王子や王女が対象。
さらに、Your Royal Highnessとすることでも「殿下」や「妃殿下」を表現します。

イギリスのロイヤルメンバーに会うときの挨拶

最後に、もしかして何かの機会にイギリスのロイヤルメンバーに会うかもしれない、そんなときのルールを”Greeting a Member of The Royal Family”のページから紹介しましょう。

伝統的な形式を守る

女王や王室メンバーに会う際、義務的な行動規範はありません。しかし、昔からの伝統的な形式を守りたいと考える人が多くいます。女王や国王に紹介されるときYour Majestyといい、軽くお辞儀をします。ちなみに、イギリスで2024年10月現在、このYour Majestyという対象はチャールズ国王、そしてカミラ王妃です。

引用:Greeting a Member of The Royal Family

日本人で最初にイギリスの勲章を受章したのは伊藤博文です。彼もYour Majestyと言ったことでしょう!

まとめ

本記事では、普段それほど使うことのない単語majestyを紹介しました。majestyには「威厳」や「陛下」といった意味があります。今後はイギリスの映画やドラマで”Your Majesty”が使われているシーンも注目しましょう。

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