某ジブリ映画が好きでよく観るのですが、最初に映画館で観たときは違うエンディングだった記憶があります。しかし、もう数十年前のことなので記憶違いだろうと思っていたのですが、先日知人も同じエンディングを記憶していることが発覚。とはいえ、そのようなエンディングがあった事実は存在せず、まさか我々は並行世界から…。
ということで、今回のテーマは「記憶」です!
「記憶」を英語で表すにはいくつか表現が存在しますが、それぞれにニュアンスが異なります。この記事では、それらの違いを語源を踏まえて詳しく確認していきます。
また、記憶に関連して「思い出」を表す表現についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「記憶」は英語で何て言う?
「記憶」に相当する英単語は “memory”、”recollection”、”reminiscence” の3種類です。
それぞれにニュアンスが異なるので、詳しく確認していきましょう。
記憶①:memory
「記憶」という意味で最も一般的な英語は “memory” です。発音記号は「mém(ə)ri」、カタカナでは「メモリー」となります。日本語でもよく聞かれる言葉なので、聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。
What is your earliest memory?
訳)一番古い記憶って何?
When I was around 1 year old, I thrusted my hand to a video cassette recorder.
訳)1歳くらいのとき、ビデオデッキに手を突っ込んだ記憶だね。
Wow. What happened then?
訳)うわ、それでどうなったの?
I got an electric shock.
訳)感電したよ。
memory は記憶という概念だけでなく、いわゆる「記憶力」を表すこともあります。その場合は、”have a good memory(記憶力が良い)”、”have a bad memory(記憶力が悪い)” の形でよく使われます。
I have a good memory for names.
訳)人の名前を覚えるのが得意です。
Then, what is my name?
訳)じゃあ僕の名前は?
I don’t know at all.
訳)知らないよ。
また、memory には「思い出」というニュアンスもあります。「過去の思い出」といったようにたくさんの出来事の総体を表す場合は memories と複数形で、「あの日の思い出」といったように具体的な1つの思い出を表す場合は a memory などと単数形で表現します。
I will never forget my memories of high school.
訳)高校時代の思い出を忘れることはないでしょう。
記憶②:recollection
“recollection” も「記憶」という意味でよく使われる表現です。発音記号は「rèkəlékʃən」、カタカナだと「リコレクション」となります。
「再び(re-)収集する(collect / collection)」という語源から、記憶の中でも特に、意識的に努力して思い出したものを表します。
I have no recollection of things I did yesterday.
訳)昨日何をしたか、全然記憶が無いんです。
No wonder. You were sleeping all day.
訳)そりゃそうだ。一日中寝てたじゃない。
記憶③:reminiscence
少し綴りの難しい単語ですが、”reminiscence” も「記憶」の意味でしばしば使われます。発音記号は「rèmənísns」、カタカナだと「レミニセンス」が近いです。
reminiscence はラテン語由来の言葉で、「再び(re-)思い出す(memini)行為(-ence)」というのが語源です。構造は recollection に似ていて、memini は memory の語源でもあるので、これら3単語はそれぞれに遠い親戚のような関係にあります。
reminiscence はラテン語由来の繊細な言葉なので、特に過去の出来事にゆっくり想いを馳せるシチュエーションで好んで使われます。ニュアンスとしては「回想」や「追憶」などが近いと言えるでしょう。動詞形の “reminisce” でもよく使われます。
My parents often reminisce about their good old days.
訳)両親がよく昔のことに想いを馳せてるんだ。
Time is one of the greatest seasonings.
訳)時間は最高の調味料の1つだからね。
「記憶する」は英語で何?
ちなみに、「記憶する」と動詞で表現したい場合は “remember” と “memorize” がよく使われます。
remember は「re(再び)+memor(心に留める)」が語源で、何かを覚えることを幅広く意味します。
また、memorize は先述の memory の動詞版です。意識的に記憶に叩き込むようなイメージなので、「暗記する」に近いニュアンスで使われます。
ちょっとオシャレな「〇〇な思い出」の言い方
先述の通り、思い出は一般的に memory で表しますが、ひとくちに思い出といってもそのニュアンスはさまざま。良い思い出から悪い思い出、忘れたくないものから忘れたくないものまで、色とりどりの思い出が存在します。
ここでは、「〇〇な思い出」の表現を確認していきます。オシャレな言い方も多くあるので、ぜひ参考にしてみてください。
precious memories「かけがえのない思い出」
「貴重な」という意味の precious を添えて、”precious memories” で「かけがえのない思い出」という意味になります。
単数形の a precious memory でも悪くないですが、かけがえのない思い出というのは相互に関連しあっているもの。そのため、precious memories と複数形で用いることの方が多いです。同じ理由で、以下の思い出たちも memories の方が一般的です。
unforgettable memories「忘れられない思い出」
“unforgettable memories” で「忘れられない思い出」を表します。unforgetable は分解すると「忘れること(forget)ができ(able)ない(un)」となります。
忘れられないという理屈から言えば、良い思い出も悪い思い出も表しそうなものですが、実際はほとんど良い思い出ばかりを表します。
painful memories「つらい思い出」
忘れられないほどつらい思い出を表す場合は “painful memories” と言います。
pain は「痛み」という意味なので、painful memories は文字通り、「思い出すことに痛みを伴う思い出」ということです。
bitter memories「苦い思い出」
日本でも悪いことを「苦い」と味覚に例えますが、英語も同じです。そのため、「苦い思い出(悪い思い出)」は “bitter memories” と表現します。
ちなみに、bitter(苦い)の反対語は sweet(甘い)なので、sweet memories で「甘い思い出(良い思い出)」という意味になります。
bittersweet memories「甘酸っぱい思い出」
日本語では青春の思い出などを「甘酸っぱい」と表現しますが、英語の場合は「ほろ苦い」という意味で “bittersweet memories” と言います。苦さの中に甘さが併存しているイメージですね。
英語にも「甘酸っぱい」という意味の “sweet-and sour” という表現が存在しますが、これは味覚のことにしか使いません。そのため、思い出を例える際に使うと不自然なので気をつけましょう。
まとめ
今回は「記憶」をテーマにお話ししてきました。
記憶を表す英単語は memory、recollection、reminiscence の3種類が代表的。そのうち、memory は「思い出」というニュアンスもあるので、いろいろなシチュエーションで広く使われます。
今回ご紹介したことを参考に、ぜひ英語でもいろいろな思い出を作っていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!