日本で暮らしていても、様々な「偏見」に出くわすことがありますよね。
「男の子は青、女の子はピンク」という偏見はもうほとんどなくなりましたが、いまだに「女は裁縫と編み物が好き」などと決めつけられるとイラッとしますよね。
そして英語学習、特に海外留学の場面では、残念ながら人種的偏見の問題に直面することがあるかもしれません。特に欧米の田舎では人種的偏見が根強く、アジア系の外見をしているという理由でイヤな思いをしてしまう場合も。
ただ、きちんと議論を重ねていくことで偏見は少しずつなくなっていくと思います。
「偏見」に関する話題をうまく乗りきるためのフレーズと、おさえておきたい英語表現についてご紹介します。
「偏見」って英語で何て言うの?
「偏見」は一般的に英語で「prejudice」と表現します。「pre」(事前の)「judge」(判断)という意味で考えると分かりやすいかと思います。
ただ、「predice」は格式ばった文脈で使う傾向が強く、一般的な会話では「bias」を使うことが多いです。
「bias」は「先入観」とも和訳され、「偏見」というネガティブなイメージの言葉より中立的なニュアンスの言葉なので、むしろ良い意味合いで使われる場合もあります。
偏見に関連する言葉
英語圏で遭遇する可能性が多いのが「人種的偏見」ですが、英語では「racial prejudice」といいます。
人種に関する誤った先入観を「racial prejudice(人種的偏見)」といい、「人種的偏見をもとに相手を不当に低く扱うこと」を「人種差別(racism)」と表現します。
「偏見」を表す英語表現としては、「prejudice」を使う場合は、ほかに以下のものがあります。
- 「肌の色による偏見(color prejudice)」
- 「性的偏見(prejudice of gender)」
- 「宗教による偏見(prejudice of religion)」
表現方法としては、例えば「性的偏見」を表す場合、「prejudice of gender」以外に「prejudice of gender」「gender-based prejudice」という言い方のバリエーションがあります。
「bias」を用いる場合も、「bias against women(女性に対する偏見)」のようにagainstを使ったり、「bias for Japanese(日本人に対する偏見)」のようにforを使う場合があります。
逆に偏見がない状態は「unprejudiced」や「unbiased」と表現します。
形容詞としては、「impartial」や「open-minded」も偏見のない状態を指す表現として使われ、「偏見のない見方」としては「liberal view」という言い方もあります。
impartial
「impartial」は「公平な」とも訳される単語です。
「partial」は「部分的な」と訳すことが多いので、分解しても少し分かりにくい単語ですが、「不完全な・不公平な」という意味もあるので、否定の接頭辞「im-」がくっついて「公平な」という意味になります。
open-minded
「open-minded」について解説の必要はないかと思いますが、「mind」は「心・精神」以外に「知性・知力・精神の正常な状態」を指す、意味の広い単語だということをおさえておきましょう。
liberal view
「liberal view」の「liberal」は「自由主義的な」という意味の単語で、カタカナ語でも「リベラルな考え方」という使われ方をしています。
そのため「liberal view」は「偏見にとらわれない自由な見方」という意味で「偏見のない見方」として使われているようです。
「偏見」を越えた議論をするには?
自分の偏見かもしれない話は言い出しづらいかもしれません。
しかし、むしろ偏見について議論を重ねることが、偏見をなくしていくことにつながると思います。
そこで、「偏見かもしれないけど」「偏った物の言い方をしてるってわかってるけど」と前置きをするフレーズを紹介します。
基本的には「I may be biased, but…」という表現を使うのですが、もう少し謙虚な言い方を紹介します。
I might be biased, but people who take a shower in the morning are more effective.
訳)偏見かもしれないけど、朝シャワーを浴びる人の方が仕事デキるよね
「may」より「might」を使うと、よりマイルドな印象になります。
ちなみに私はお風呂は夜に肩まで使って入った方がいいと思います。
I know I may be biased, but it’s better to study at night.
訳)間違ってるかもしれないけど、勉強は夜やった方がはかどるよね
「may」を使う場合でも、「I know」をつけて「偏見だという可能性は重々承知だけど」と使うのも効果的です。
ちなみに私は夜しか勉強に集中できないタイプでした。
もちろん、「bias」は「偏見」という日本語より軽いニュアンスの言葉なので、こんな使われ方もします。
I like dogs more, but I might be biased.
訳)少数派かもしれないけど、犬派なんだよね
そしてこんな使い方もします。
I may be biased, but my boy is the best on the team.
訳)親バカだろうけど、家の子がチームで一番だ
このように、基本的に会話の中では「偏見」については「bias」を使います。
それに対して、「prejudice」は以下のような表現で使われます。
We need to get rid of prejudice in our society.
訳)社会から偏見をなくさなければならない
Prejudice never disappears from society.
訳)社会から偏見は決してなくならない
まとめ
今回は「偏見(prejudice、bias)」についてお話ししました。
誤解が生じるかもしれない内容について、日本人は言及を避けてしまいがちですが、思い切って「I might be biased, but…」と前置きして自分の意見を表明してみましょう。
きちんと議論してみると、自分の考えが間違っていることが再確認できたり、逆に周りのみんなも同じ考えであることに気づけたりするものです。
逆に、相手が「I know I may be biased, but…」と前置きして話し始めた時は、自分の考えとは違う内容が待っているかもしれませんが、とりあえず内容を受け入れる姿勢を持ちましょう。