読者のみなさんは、一週間にどれくらいの頻度で、インターネットを使った調べものをしますか? 仕事や勉強、あるいは交通経路の検索のため、「毎日使っている」という方もなかにはいるのではないでしょうか。

今回は、この調べものを「英語」でしてみることによって、日常生活のなかで英語に触れる機会を増やす方法を紹介します。

英語を学習しているひとのなかには、日常で英語を使う機会があまりない方もいると思います。英語を上達させるためには、「英語を学ぶ」ことも大事ですが、「英語を使う」ことも、同じくらいにとても大事です。

なぜなら、いくら英語を学んでも、繰り返し復習をする、または実生活で使っていかなければ、せっかく覚えたことを忘れてしまう上、よりふさわしい使い方に更新していくことができないからです。

机の上で勉強した英語を、自分の血肉にしていくためには、口に出して話してみる、書いてみる、使ってみる場面が必要です。

英語を使う」機会を増やすために、英語を日常生活に取り入れるには、さまざまな方法があります。

  • 英語で日記を書く
  • 英語でひとりごとを言う
  • 英語のエンターテイメント(映画や音楽など)を楽しむ
  • 英語でSNSを運用する
  • オンライン英会話に取り組む など

この記事では、上記の方法に比べて紹介されることが少ない、「英語で調べものをする」方法について詳しく紹介します。

英語で調べものをするとは?

英語で調べものをするとは?

インターネットを使って調べものをするのは、どのようなことが多いでしょうか。

  • 電車の乗り継ぎを調べる
  • わからないことばを調べる
  • 観たい映画やコンサートの情報を調べる
  • 作りたい料理のレシピを調べる
  • 気になる商品の評価を調べる

このように、何か特別なことがなくても、インターネットを使って調べる機会は多いと思います。

こういった調べものの際に、英語でも検索して英語の検索結果を確認するのが「英語で調べものをする」方法です。次項から詳しく説明しましょう。

英語で調べものをするのに向いているカテゴリー

英語の学習以外にも、英語を使って調べものをすることに利点がある場合がいくつか考えられます。

  1. 日本語では得られない情報がある
  2. 日本人以外の視点・感想を知ることができる
  3. 英語の使用例を学べる

などです。

ここでは、特に英語の調べものに向いた領域として、旅行関係、ウィキペディア、ニュースの3つを取り上げ、それぞれのカテゴリーの例文や学習のポイントを紹介しましょう。

「調べもの」に関する英語表現

なお、「調べものをする」は、英語ではこのような言い方ができます。

look into (広く)調べる:

Aさん
We need to look into the cause of the trouble.

わたしたちは問題の原因を調べる必要があります。

look up 本・コンピューターなどを使って情報を探す:

Bさん
Look up new words you come across in the dictionary.

知らない単語は辞書で調べなさい。

check 好ましい状態かどうかを確かめる:

Aさん
I will check the flight schedule on the Internet.

インターネットで飛行機の時間を調べておくよ。

consult 辞書・地図・電話帳などを使って調べる:

Bさん
You can consult our encyclopedia if you need to.

必要なときには百科事典を使ってくださっていいんですよ。

do some research:

Aさん
We are going to the college library to do some research tomorrow.

わたしたちは明日、大学の図書館で調べものをしてきます。

英語で調べもの①:旅行関係

旅行関連/ホテルレビュー

旅行に関連する分野のうち、特にホテルや観光地のレビュー(感想)は短い文が多く、読みやすいので、英語に自信がない方にも勧められます。

日本国内の観光地については、すでに予備知識がある分、英語で調べものをしても内容がわかりやすいと思います。もちろん、外国人に対して、どのような補足説明がされているかを知る機会にもなります。

さらに、海外旅行について英語で調べものをするのも、たいへん役に立ちます。

英語で調べものをしてみた例

では、実際に英語で調べものをしてみると、どのような英語に触れることができるのでしょうか。まずはホテルのレビューについて、英語で調べてみた例を紹介します。

英語での調べものは、海外旅行について特に威力を発揮します。

観光地や交通機関の案内なども、英語で情報を集めることができますが、ホテルのレビュー(宿泊したひとの感想)は、日本語以外でも読めると、特に役立ちます。

サービスや食事などは、外観・写真からはわからないことも多いものです。そこで、実際にそのホテルを利用した、いろいろな国の旅行者が、どういう印象をもったのかがわかると、ホテルを選んで予約する際の参考になります。

たとえば宿泊予約サイトには、このような感想が掲載されています。

Phenomenal service, comfortable, and offering one of the best hotel breakfast experiences I have had.
(素晴らしいサービス、快適さ、そして今まで経験したなかで、もっとも良質なホテルの朝食のひとつが提供されました。)
Stay here it’s absolutely the best in terms of service, breakfast and a great shower!
 (ここに泊まってみてください、サービス、朝食、素晴らしいシャワーについては間違いなく最高です!)
Based on one night stay, king bed, no exterior window.
Pros: new, clean, superior service, excellent restaurant food, good location.
Cons: rooms quite small for two people plus luggage, noise from hall/stairs carries into rooms quite easily.
I would definitely stay here again.
(外に向けた窓がない、キングサイズのベッドの部屋に一泊した感想。
よい点:新しく、清潔で、上質のサービス、優れたレストラン料理、良いロケーション。
悪い点:部屋は、荷物のあるふたりには狭すぎる、廊下や階段の騒音が部屋まで響く。
間違いなく、わたしはまたここに泊まるでしょう。)

ホテルのレビューに使われる単語

まずは、そのホテルに泊まった印象がよかったのか、悪かったのか、そしてその理由がわかると思います。

そしてこういうホテルのレビューを読んでいると、旅行に関する単語がよく出てくるので覚えておくと便利です。

上の例では、このような単語が使われていました。

breakfast (名詞)朝食

stay (名詞)宿泊、(動詞)泊まる

window (名詞)窓

restaurant (名詞)レストラン

location (名詞)立地、場所

luggage (名詞)荷物

hall (名詞)(アメリカ英語)廊下、通路/ 類義語 corridor

stair (名詞)階段

また、英語に豊富な形容詞・副詞の使用例を確認することもできます。

phenomenal (形容詞)並外れた

comfortable (形容詞)快適な

absolutely (副詞)無条件に

excellent (形容詞)優秀な

definitely (副詞)間違いなく

英語で調べもの②:ウィキペディア(Wikipedia)

東京オリンピック2020

無料で使えるインターネット百科事典「ウィキペディア」には、いろいろな言語のヴァージョンがあります。

英語での調べものが、主に英語の語彙を増やす目的であれば、日本語版を読んでから、英語版も読んでみるとよいと思います。内容が難しいと感じる場合、見出しの右側にある「言語版」の選択肢のなかには「Simple English」(シンプル英語版)もあるので試してみてください。

シンプル英語版ウィキペディアは

基本的にベーシック英語(チャールズ・ケイ・オグデンが1920年に考案した国際補助語で、英語の基礎的な語850語のみを使用する)とスペシャル・イングリッシュを基本にした約1500語の語彙を用いて執筆されている

ウィキペディア「シンプル英語版ウィキペディア」

通常版のウィキペディアよりも短く、情報量が少ないという制約はありますが、英語学習者にとっては最初の一歩として取り組みやすい文章のはずです。

英語で調べものをしてみた例

ウィキペディアで”2020 Summer Olympics”(東京オリンピック2020)について調べてみました。

Tokyo was selected as the host city during the 125th IOC Session in Buenos Aires on 7 September 2013.

These Games will mark the return of the Summer Olympics to Tokyo for the first time since 1964, and the fourth Olympics overall to be held in Japan, following the 1972 Winter Olympics in Sapporo and the 1998 Winter Olympics in Nagano.

They will be the second of three consecutive Olympic Games to be held in East Asia, following the 2018 Winter Olympics in Pyeongchang, South Korea, and preceding the 2022 Winter Olympics in Beijing, China.

Wikipedia “2020 Summer Olympics”

(東京は2013年9月7日、ブエノスアイレスでの第125次IOC総会において開催地に選ばれました。
この大会は、1964年以来初めて、夏季オリンピックが東京に戻ってきたものになり、1972年の札幌冬季オリンピック、1998年の長野冬季オリンピックに次いで、日本で開催される4度目のオリンピックになります。
この大会は、2018年の韓国における平昌<ピョンチャン>冬季オリンピック以降、3大会連続で東アジアで開催されるオリンピックの2番めの大会で、2022年に中国・北京で開催される冬季オリンピックへ続きます。)

ウィキペディアに使われる表現

さまざまな年代が出てきて少し混乱しそうになりますが、基本的には難しい単語があまりなく、読みやすい文だと思います。こういった文のなかからも、よく使う表現を確認することができます。

be held in ~で開催される

for the first time since/for ~ぶり

英語で調べもの③:ニュース

気になるニュースは、日本のニュースであっても、英語で検索してみるとおもしろいものです。

海外メディアの英語ニュースは、概して文章が長くて難しい場合が多いので、NHK WORLD JAPANの英語版を勧めます。日本のニュースから国際ニュースまで、内容が簡潔にまとめられています。

英語で調べものをしてみた例

たとえば、NHK WORLDのニュースでは、先ごろ中国に返還された、上野動物園の二頭のパンダの話題があります。

Male panda Ri Ri and female Shin Shin, who lived for more than 13 years at Ueno Zoological Gardens, better known as Ueno Zoo, were sent back to China on September 29 on account of their age.

上野動物園で13年間にわたって飼育されてきた、雄のパンダ「リーリー」と雌のパンダ「シンシン」は、高齢が理由で9月29日に中国に送り返された。

Zookeeper says pandas returned to China from Tokyo’s Ueno Zoo doing well(2024年10月17日)

ニュースに関する英語表現

例に挙げた文章からは、雌雄の説明や、どこで飼育されたかという情報などが含まれていることがわかります。

〇〇 Newspaper has reported on ▲▲.(〇〇新聞は▲▲についてリポートしました。

Police in Japan have arrested ○○.(日本の警察は○○を逮捕しました。)

〇〇 has agreed with ▲▲. (〇〇は▲▲と同意しました。)

また、上の例のように、ニュースでは見出しや書き出しの文で現在完了が使われていることがよくあります。これは、現在完了の用法のひとつに「最近の新しい情報」を表すこと、があるからです。

英語のニュースで調べものをすることで、こういったニュースによく出てくる文法や、自分の興味のあるニュースに頻出する単語を覚えていくことができます。

まとめ

今回の記事では、「英語で調べものをする」ことで、英語を日常生活に取り入れる方法を紹介しました。

例に挙げた旅行関連や、ウィキペディアに載っていること・ニュースなどに関しては、特に英語で調べものをしやすいので、ぜひ試してみてください。

また、英語で調べものをすることを習慣化することで、自分の興味がある分野の単語や表現に、より効率的に、たくさん触れることができます。慣れてきたら、この記事で勧めた3つのカテゴリー以外にも、ぜひいろいろなことを英語で調べてみてください。

Happy learning English!