日本ではお盆のころになると大量発生する「クラゲ」。見ているぶんには神秘的ですが、いざ刺されると痛いだけでなく、毒性があって命に危険が生じることも…。

さて、そんな美しくも脅威的な存在であるクラゲ、英語では何て表現するかご存じですか?

そこで今回は、クラゲを英語で何と呼ぶかということに始まり、クラゲに関する日英さまざまな雑学、いろいろなクラゲの種類の英名に至るまで、クラゲについて深掘りしていきたいと思います。

これを読めば、あなたもクラゲマスターになれること間違いなし!それでは、早速始めていきましょう。

クラゲは英語で何て言う?

クラゲは英語で何て言う?

クラゲは英語で “jellyfish” と言います。発音は「ジェリーフィッシュ」、直訳すれば「ゼリー状の魚」ですね。

複数形にする場合は、そのままでは読みづらいので es を付けて “jellyfishes” となります。読み方は「ジェリーフィッシーズ」。

クラゲ=意志の弱い人?

jellyfish という単語は、「意志の弱い人」を指して使われることもあります。形がフワフワしていて掴みどころの無い姿を考えると、なんとなく納得できますね。

Aさん
Are you still debating?
訳)まだ迷ってるの?
Bさん
I’m a jellyfish…
訳)僕って意志が弱いんだ…。

 

余談ですが、日本語では同じ海洋生物由来で、物事が上手でない人を指して「タコ」と呼ぶことがあります。なんでもこれはゴルフ由来の言葉で、「8打もするくらい下手」ということから8本足のタコになぞらえて呼ぶようになったんだとか。さらにミスをして10打だと「イカ」と呼んでいたそうですが、こちらはあまり一般化しなかったようですね。

とはいえ、英語にしろ日本語にしろ、他人を海洋生物にたとえて言うのはあまり褒められたことではありません。滅多なことでは使わないようにしましょう。

 

クラゲって魚なの?

jellyfish という単語を見て、「クラゲって魚なの?」と思った人は鋭い。fish とは付いていますが、見た目の通り、クラゲは魚ではありません。厳密には「刺胞動物(しほうどうぶつ)」という種族に分類されるようです。

「魚じゃないのに fish が付いているのはどうなのか」と思う人も多いでしょうが、日本語でも哺乳類である鯨(クジラ)に魚編が使われているなどして、よその国のことは言えません。

しかし、やはり fish が含まれていると誤解を生むということなのか、最近では jellyfish の代わりに “(sea)jellies” という呼び方もされているようです。

 

クラゲって漢字で何て書く?

余談ではありますが、クラゲを漢字で何と書くか知っていますか?

最近は変換機能が充実しているので答えは簡単に確認できますね。正解は「海月、水母」です。

「海月」は、クラゲの姿が海に映る月に似ていることから当てられた字です。なんとも詩的な表現ですよね。「水月」と書くこともあります。

「水母」は中国語での呼び方をそのまま輸入した表記のようです。水の母なんて大仰な字が使われていますが、その由来などはわかっていません。ここにも言葉のロマンを感じますね。

 

「クラゲに刺された」は英語で何て言う?

「刺す」は英語で sting なので、「クラゲに刺された」と言いたい場合には、 “be(get) stung” と受け身にして表現しましょう。

Aさん
What happened?
訳)どうしたの?
Bさん
I was stung by a jellyfish.
訳)クラゲに刺されたんだ。

 

この  “be(get)stung” という表現は、蜂などの生き物に刺された場合にも使える便利な表現。ただし、蚊に刺された場合は “ be(get)bitten” という方が自然です。英語だと蚊は刺す(sting)のではなく噛む(bite)とされているんですね。言語によって世界の見え方が違っていることを示す好例です。

Aさん
Have you ever been stung by a bee?
訳)今まで蜂に刺されたことある?
Bさん
No. But I have been bitten by a mosquito many times.
訳)無いよ。蚊に刺されたことは何度もあるけどね。

 

ミズクラゲなど、いろいろなクラゲの種類を英語で確認しよう

ミズクラゲなど、いろいろなクラゲの種類を英語で確認しよう

ひとくちにクラゲと言っても、そこにはいろいろな種類がありますね。果たして、それらはすべて jellyfish なのか、それとも別の呼び方があるのでしょうか。

ここでは、クラゲの種類ごとに英語での呼び方を確認していきたいと思います。

ミズクラゲ

日本人がイメージするクラゲといったら、大体がミズクラゲです。世界中の温帯・熱帯海域に生息しています。

そんなミズクラゲ、英語では “moon jellyfish” と呼ばれています。名前の由来は、その姿が月に似ているから。そう、日本の「海月」とほとんど同じ由来なんです。

日本で最も有名なクラゲの英名と、日本語表記の漢字の由来が同じというのは、なんだか不思議な偶然ですね(偶然じゃないのかも?)。

ちなみに、moon jellyfish はあくまで通称で、正式な学名は “Aurelia aurita” と言います。

 

アカクラゲ

赤い傘部分が特徴的なアカクラゲ。日本では主に春から秋にかけて、北海道から南、日本海側で全国的に広く見られる種類です。刺されるとかなり痛いらしいので、海で赤い傘を見かけたら要注意ですね。

そんなアカクラゲ、英語では “Japanese Sea Nettle” と呼びます。nettle は「イラクサ」という意味で、sea nettle で一部のクラゲを表すことがあるそうです。

つまり、Japanese Sea Nettle が意味するのは「日本のクラゲ」ということ。きっと日本以外ではあまり見られない品種なんでしょうね。ちなみに、学名は “Chrysaora pacifica” です。

タコクラゲ

タコに似た形をしていることから、その名も「タコクラゲ」。日本では本州より南側の穏やかな湾内に生息しています。体内に褐虫藻(かっちゅうそう)という生物が共生していて、なんと光合成をしながら生きているという変わり種クラゲです。毒性は弱いらしいですが、刺されれば少なからず痛いので要注意。

そんなタコクラゲ、英語では “Papuan jellyfish” と呼ばれています。Papuan はパプアニューギニアのことなので、そちらで多く見られる品種ということでしょうか。学名は “Mastigias papua” 、こちらにもパプアが入っていますね。

 

電気クラゲ

本名は「カツオノエボシ」。刺されたときに電気が走ったような激痛が走ることから、通称「電気クラゲ」と呼ばれ恐れられる存在です。電気クラゲの毒は非常に強いため、刺されると死亡してしまうこともあり、お盆の時期などは各地で注意喚起がされています。

そんな危険な電気クラゲ、英語では “Portuguese man o’ war” と呼ばれています。海面から見える姿が大航海時代に名を馳せたポルトガルの軍艦に似ていることから名づけられたそうです。名前の由来が「軍艦」ということの裏には、見た目だけでなく、その脅威の影響が少なからずあるような気もしますね。

 

キクラゲ

野菜炒めなどに入っているとコリコリした食感で美味しいキクラゲ。名前には「クラゲ」と入っているものの、実はクラゲじゃないって知ってました?

実はこれ、倒木などに生えているキノコの一種なんです。その食感がクラゲに似ていることから「木に生えるクラゲ」ということで「キクラゲ」と命名されたそう。

そんなキクラゲ、英語では “wood ear” と呼びます。直訳すると「木の耳」ですね。実はキクラゲ、漢字表記すると「木耳」となり、英名とまさかの一致を果たします。これは偶然なのか、それともどちらかがどちらかを真似たのか、気になる人はぜひ語源を研究してみてください。

 

まとめ

今回は、海中をフワフワと漂い掴みどころの無い「クラゲ」について詳しく確認してきました。

クラゲは英語で jellyfish、最近では(sea)jellies と呼ばれることも多くなっています。

ひとくちにクラゲといっても、その種類はさまざま。それぞれに名前の由来があり、日英で捉え方が違っている点も面白いところです。

今回の内容を参考に、ぜひ英語での表現の幅を広げていってくださいね。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!