緑は緑でも、草木などを表す際に使われる「黄緑」という色は、完全な緑でも完全な黄色でもない難しい色ですよね。曖昧なニュアンスの色なので日本語でも説明するのが難しいですが、英語だとなおさらです。どのように表現すれば伝わるのでしょうか。ということで、今回のテーマは「黄緑」です。

ひとくちに黄緑といっても、それに該当する表現はさまざま。ここでは、それぞれの微妙な違いや由来などについて、幅広く解説していきます。

これを読めば、英語での色世界がより鮮やかなものになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

 

「黄緑」は英語で何て言う?

「黄緑」は英語で何て言う?

日本語の「黄緑」に相当する色を表す表現は、英語に全部で5種類存在します。ここでは、それぞれのニュアンスなどの違いについて詳しく確認していきましょう。

黄緑を表す英語①:light green

黄緑を表す英語として最も一般的なのは “light green” です。日本語でも「ライトグリーン」とカタカナ表記することが多々あるので、馴染みがある方も多いのではないでしょうか。

直訳すると「明るい緑・薄緑」ですが、日本語の黄緑と薄緑に明確な線引きがないのと同様、英語でも淡い緑色全般は light green と呼ばれます。

これ以外にも、英語で色合いを表す際は明度に着目して、淡い色合いだったら “light 〇〇”、濃い色合いだったら “dark 〇〇” と表現するのが一般的です。

  • light green(薄緑色)
  • dark green(暗緑色)
  • light blue(薄青色)
  • dark blue(暗青色)
  • light red(薄赤色)
  • dark red(暗赤色)
  • light purple(薄紫色)
  • dark purple(暗紫色)

 

黄緑を表す英語②:yellow green

日本語の「黄緑」という語感に最も近い英語は “yellow green(yellow-green)” です。yellow が黄、green が緑なので、日本語の黄緑とまったく同じ組み合わせ。黄色と緑の絵具を混ぜ合わせたような、黄と緑の中間色を表します。

英語では上記の light green の方が一般的ですが、yellow green もよく使われる表現です。日本語でも同じものを指して「薄緑」「黄緑」と人によって表現が違いますが、どちらが正解ということはないですよね。英語でもそれと同じです。絶対の正解があるわけでなく、どちらも正解なんです。その時々でしっくり来る表現を使ってあげればOKですよ。

Aさん
This looks yellow green, and that looks light green.
訳)これは黄緑色に見えて、あれは薄緑色に見える。
Bさん
You have an extraordinary color sense.
訳)色彩感覚研ぎ澄まされまくりだね。

 

黄緑を表す英語③:yellowish green

「~がかった(~っぽい)」という意味の -ish を付けた “yellowish green” という表現も黄緑を表してよく使われます。直訳すれば「黄色みがかった(黄色っぽい)緑」ですね。

Aさん
My mother bought a new yellowish green car.
訳)私の母は黄色みがかった緑色の新車を買ったんだ。
Bさん
She has good taste!

訳)お母さん良い趣味してる!

 

-ish という接尾辞(単語の末尾に付ける飾り)はその他にも、以下のようにさまざまな色に付けて「~がかった」という意味を表現することができます。

  • blackish(黒みがかった)
  • whitish(白みがかった)
  • greenish(緑がかった)
  • blueish(青みがかった)
  • reddish(赤みがかった)
  • brownish(茶色みがかった)

その結果、「〇〇ish △△」とすれば、「〇〇がかった△△色」と、幅広い色合いを表すことが可能です。

Aさん
I like blueish reddish yellowish green!
訳)私は青みがかって赤みがかって黄色みがかった緑が好き!
Bさん
To sum it up, what color is it?
訳)結局のところ、それって何色?

 

黄緑を表す英語④:lime green

黄緑色は、果物のライム(lime)の色になぞらえて ”lime green” と表現されることも多いです。日本語でも「青りんご色」と呼ぶことがありますが、同じような感覚ですね。

ここまでにご紹介してきたものと同様、それぞれの表現に厳密な使い分けはないので、その時の気分に合わせて使い分けてあげましょう。

Aさん
Hey! A green apple which looks lime green is an apple or a lime?
訳)ねえ、ライムグリーン色の青りんごってりんご?それともライム?
Bさん
What are you talking about?
訳)何言ってんの?

 

黄緑を表す英語⑤:chartreuse

黄緑を表す表現には “chartreuse” という少々マニアックなものもあります。発音記号は「ʃɑɚtrúːz(ʃɑːtrˈəːz)」、カタカナだと「シャルトルーズ」が発音としては近いです。

chartreuse はもともと「リキュールの女王」とも称される、フランス由来の有名なお酒のこと。さまざまなハーブを用いて作られていることから美しい黄緑色をしているのが特徴で、それがもとで chartreuse という単語は色の名前としても使われています。

chartreuse というお酒が生まれたのは1600年頃のフランス。なんでも当時は不老不死の薬草として作られたんだとか。こういう話を聞くと、黄緑色がなんだか神々しい色に思えてくるから不思議なものです。

 

【補足】黄緑を表す略称はある?

黒はBK(BLK)、白はWH(WHT)といったように、色の英語表記には2文字か3文字の略称が設定されているものですが、残念ながら黄緑にはそのような略称が存在しません。

GREENならGR(GRN)、YELLOWならYE(YEL)と略すことは可能ですが、それはこれらが1単語だから。以上見てきたように、黄緑を表す場合は基本的に「〇〇 green」のかたちになってしまいます。そのため、どうしても2単語での表記になってしまい、略称にすることができないんですね。

ちなみに、理論上 chartreuse ならCH(CHA)などと略称にすることも可能ですが、chartreuse という単語が一般的でないうえに、チャコール(charcoal)と紛らわしいので現実的ではありませんね。

 

まとめ

まとめ

今回は「黄緑」を表す英語表現について確認していきました。

結果的には全部で5種類もありましたが、それぞれが表す色が明確に違っているわけではありません。あるときには light green に見えたものが、またあるときには yellow green に見え、ある瞬間には chartreuse が最もしっくり来るなんてことも考えられます。このように、目の前の色を表すのに唯一の正解はありません。感性の赴くまま、その時々で自由に使い分けてあげるようにしましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!