「まだごはんが半分残ってるね」
「まだ宿題やってないの?」
「まだ検討中です」
こんな風に「まだ」という言葉、生活でかなり使っていませんか?この「まだ」に当たるのがstillとyetです。
ところで、stillとyetはどちらも「まだ」の意味ですが、使い方にはかなりの違いがあります。
そこで、今回の記事はネイティブがよく使う「まだ」です。stillとyetの違い、それ以外で「まだ」を表す表現も併せて紹介します。
stillとyetの使い分けに迷いがあるいう人、ぜひこの機会を活かしてニュアンスの違いを学習していきましょう!
一般的な「まだ」の表現stillとyet
「まだ」を表す一般的な英語はstill、そしてyetです。英語ではこの2つの単語の使い分けをする必要があります。
まず、その区別の仕方をすっきりさせましょう。
still → 過去の時間に始まって、現在もそれが続いていること
yet → まだ起こっていないが、起こると推定されること
stillは「その状態がまだ続いている=まだ終わっていない」、yetのほうは「まだ起こっていない」となり、物事が始まったのか始まっていないのかというポイントでかなりの違いがあることが分かりますね。
この違いを英語の例文を使って確認していきましょう。
例文1 The English teacher was still teaching even though the lesson time is over.
英語の先生は授業時間が終わってもまだ教えていました。
例文2 The English teacher has not yet started the lesson even though it’s time.
英語の先生は、時間になったというのにまだ授業を始めていません。
stillを使っている例文1は、すでに始まっていた授業が今も続いている状態であることを表し、yetを使った例文2は、先生が遅れているのかおしゃべりをやめないでいるのかといった理由から始まっているべき授業がまだ始まっていない状態を言っています。yetを使う文は「まだ~していない」と、”まだ起こっていない”=”未だ行なわれていない”となりますので否定文で使うというポイントも併せて覚えましょう。
ここで、stillとyetをもう少し詳しく解説しましょう。
stillの意味や使い方
stillは副詞として「まだ」の意味があり、これは今もなお・いまだにというニュアンスから上で紹介したように、過去の時間に始まって、現在もそれが続いていることの状態を表す単語です。
大きな災害があって数年経ったときに当時を思い出すシーンの例文をみてみましょう。
I remember the disaster.
訳)震災のこと覚えているよ。
I still remember the disaster.
訳)震災のことは今でも(まだ)覚えているよ。
stillが入ると何年経っても今でも忘れないというニュアンスが入ってきますね。今だに覚えているということからstillが使われています。このように、始まった時点から現時点までの時間には制限がなくstillが使えます。
ここでstillの否定文についてもみてみましょう。
He still hasn’t found a life partner.
訳)彼はまだ人生のパートナーを見つけていないんだ。
人生を一緒に過ごす相手を探してはいるもののまだ縁がないということで、そんな状態が続いているので否定文にもstillが使われています。
他には、形容詞の「じっとした・動かない」「静かな・しんとした」という意味もあり、物事が動いていない=それがまだ続いているという理解をすれば、今回のテーマ「まだ」のニュアンスを理解するのに役立ちます。
さらに、炭酸水(スパークリング)に対し、still waterといえば普通の水を指します。炭酸のシュワシュワに比べて動きのない状態の水だからです。海外旅行などでミネラルウォーターを買ったりオーダーする時のため、ぜひ覚えておくと便利です。
yetの意味や使い方
副詞yetには「まだ」「今のところは」の他に「これから・いつか・やがて」や「それにもかかわらず」などの意味があります。
”未だ行なわれていない”となりますので、yetは否定文で使うということを前述しました。
例文2 The English teacher has not yet started the lesson even though it’s time.(英語の先生は、時間になったというのにまだ授業を始めていません)を再度見てみましょう。”今のところは始まっていない授業”について、ここでは先生、早く授業を始めてよ、まだ?!というネガティブな気持ちが込められている可能性があることも加えておきましょう。
クイズ!still?yet?
例えば、冒頭の例文でどちらを使うか確認すると理解できるでしょう。皆さんもクイズのように、still?yet?と回答してみてくださいね。
「まだごはんが半分残ってるね」
子どもがゆっくりご飯を食べていますが、お腹がいっぱ~いと言って食べるのを止めようとしています。こんなときにお母さんやお父さんが言うのがこのセリフです。回答は、、、もうお分かりですよね。stillの「まだ続いている」が正解です。ご飯を食べている状態が続いているからです。
英語にしてみましょう。
There’s still half a bowl of rice left.
「まだ宿題やってないの?」
優先順位が間違っていて宿題が後回しになっている、そんな時にいつ始めるのかを冷静に聞く代わりにまだやってないんだ?と攻めてしまうことってありますよね。この場合はstill?yet?
まだ起こっていないが、起こると推定されること→まだ起こっていない=宿題を始めていないので、そうyetですね。
英語にすると、Haven’t you done your homework yet?です。
これなら、stillとyetをしっかり使い分けできそうですね!
stillとyet以外の「まだ」の表現
stillとyetの他に「まだ」を表す表現があります。覚えたい表現を3つほど紹介しましょう。
better than
「まだ○○のほうがいいね」なんていう英会話にぴったりなのがこの表現です。2つ以上の物事を比較するため、goodの比較級betterを使います。主語はbetterなもの、better以降はそれの比較対象をもってきます。better thanをrather thanに置き換えると「どちらかって言えば、まだ○○だね」というニュアンスを表すことができます。
My English is better than your Japanese.
訳)私の英語のほうがあなたの日本語よりまだいいよね。
sooner or later
何かがまだ起こっていない状況で、それがいずれにしても「遅かれ早かれ」起こるだろうという言い方になります。sooner or laterと遅かれ早かれで順番が入れ替わっているところにも注目です。
Oh no, you haven’t told her about it! She will find out sooner or later.
訳)え~まだ彼女に話してないんだ、いずれはバレるよ。
only
副詞で「ほんの・たった」という意味のonlyを「まだ」というニュアンスで使うことができます。
I’ve been living in Hong Kong for only 2 years.
訳)香港に住んで、まだ2年なんですよ。
ビジネスで使う「まだ~(中)です」の英語の略語とは?
さて、ビジネスのシーンで英語「まだ」を表す言葉があります。そして、それらにはメールなどで便利に使える略語があります。注意すべき点は初めてのやりとりからは使うべきではない、誰にでも使えるものでもないというマナー。さっそく紹介しましょう!
TBD (to be determined)
「(まだではありますが)今後、決定する予定です」となり、まだ検討中ということを相手に伝えるフレーズです。
TBA (to be announced)
「追ってお知らせ致します」の意味になります。まだ今はお知らせできないのでという状態でも一言伝えることでコミュニケーションをとることができます。
英語で「まだ」まとめ
- stillは「その状態がまだ続いている」
- yetは「まだ起こっていない」
stillとyetの違いによる使い分け、いかがでしたか?
日本語が英語に変わったときに使い分けに気をつけるべき表現はいくつもあります。stillとyetもその一つ。この機会に普段から積極的に使い、stillとyetの使い分けを完璧にしていきましょう!