日本語の「汚い」は、非常に幅広く使える言葉です。物理的に汚れている様子から、心や考えなどの概念が汚れている様子、汚れている行動、言葉の汚さなど、挙げればキリが無いほどです。さて、そのような幅広い汚さを英語で表現するには、どうすれば良いのでしょう。

ということで、今回のテーマは「汚い」です。

英語で「汚い」を表す代表的な9つの単語について、その意味やイメージを詳しく確認していきます。

これを読めば、英語でも的確に汚さを言い表して、それらから距離を取ることができるようになるはずです。

それでは、早速始めていきましょう!

「汚い」は英語で何て言う?

「汚い」を表す代表的な英単語は以下の9種類です。

  • dirty
  • messy
  • filthy
  • grubby
  • unfair
  • mean
  • shabby
  • unclean
  • polluted

ひとくちに「汚い」と言っても、それぞれに表す汚さの程度や種類、意味合いは異なります。使いどころを間違えると上手く意味が伝わらなかったり、場合によっては大きな誤解に繋がることもあるので注意が必要です。

それでは、1つずつ順番に詳細を確認していきましょう。

汚い①:dirty

「汚い」は英語で何て言う?

「汚い」という意味で最も多く使われる単語が “dirty” です。発音記号は「dˈɚːṭi」、カタカナで表すと「ダーティ」となります。

“dirty” が表すのは、泥などの汚れ(dirt)が付いた汚さです。泥遊びをした直後のちびっ子の状態を想像してもらえれば、それがまさに dirty の辞書的イメージになります。

Aさん
Dad, I’m home!
訳)お父さん、ただいま!
Bさん
Oh, you got dirty! Take a shower now.
訳)うわ、全身汚れてんな。風呂入ってきなー。

 

また、dirty は日本語の「汚い」と同様、幅広い意味で使うことができます。目に見える汚さに限らず、「汚い手段」や「意地汚い」といった概念的な汚さ、「暴言」などの言葉の汚さも幅広く表現可能です。

そのため、英語で「汚い」と表現する際に迷ったら、ひとまず dirty を選んでおくと打率が高くなります。

汚い②:messy

汚い②:messy

“messy” が表すのは、散らかった汚さです。発音記号は「mési」、カタカナだと「メシー」となります。

messy は物事が散らかって乱雑な様子を表すので、決して不潔なわけではありません。引っ越した直後で段ボールだらけの部屋の様子を想像してもらえれば、それがまさに messy の辞書的なイメージになります。

そのため、よくある「部屋が汚いから、ちょっと待ってて」というシーンで “My room is dirty now.” などと言ってしまうと、不潔な部屋に住んでいると思われかねないので注意です。その際は “My room is messy now.” と言うようにしましょう。

Aさん
Just wait a minute. My room is dirty now, so I want to clean it before you enter.
訳)ちょっと待って。部屋が汚れてるから、掃除させて。
Bさん
Oh, OK…
訳)わ、わかった…。

 

ちなみに、「整理整頓されている」という意味の “tidy(タイディ)” の対義語である “untidy(アンタイディ)” も messy とほとんど同じ意味を表します。

汚い③:filthy

“filthy” は dirty の強化版、とてつもなく不潔な状態を表します。発音記号は「fílθi」、カタカナで表すと「フィルシー」が近いです。

filth が「汚物」という意味なので、filthy が表すのは汚物にまみれたような汚さ。ちょっと想像したくないレベルですね。

また、dirty と同じように、実際の汚れ以外を形容する際にも使えますが、「下品な」「卑猥な」といった力強いネガティブワードになるので、使いどころには注意しましょう。

Aさん
That was quick.
訳)おかえり、早かったね。
Bさん
The entrance was so filthy that I lost my motivation.
訳)入口が汚過ぎて入る気が失せちゃった。

 

汚い④:grubby

汚い④:grubby

“grubby” は filthy の強化版、物理的汚さの最上級のような言葉です。発音記号は「grˈʌbi」、カタカナだと「グラビー」となります。

grub が「蛆虫」という意味なので、grubby が表すのは蛆虫が湧くような汚さ。ちょっとどころか、絶対想像したくないレベルです。汚さの関係性は「grubby > filthy > dirty」の順になります。

人物や行為を形容する際に grubby を使うこともできなくはないですが、とても攻撃的で辛辣な意味になります。滅多なことが無い限りは使わないようにしましょう。

Aさん
What’s this!? Grubby!
訳)何これ、汚い!
Bさん
Sorry, it is what we call a moldy bread…
訳)ごめん、いわゆるカビパンってやつです…。

 

汚い⑤:unfair

“unfair” が表すのは、不公平から生じる汚さです。発音記号は「`ʌnféɚ」、カタカナだと「アンフェアー」となります。

スポーツなどで「フェアプレイ(fair play)」とよく言いますが、unfair はその fair の対義語です。手段や方法が公平でなく汚いことを表します。敢えて一言でまとめるなら「unfair = ルール違反」というイメージです。

Aさん
What you have is mine. Of course, what I have is also mine.
訳)あなたのものは私のもの。もちろん、私のものも私のもの。
Bさん
You’re unfair!
訳)ずるい!

 

汚い⑥:mean

“mean” が表すのは、人間としての汚さです。発音記号は「míːn」、カタカナだと「ミーン」となります。

mean が表すのは汚い考えから生まれる行為全般です。そのため、unfair と同様のずるい手段を表すこともあれば、イジワルをするなどの卑劣な行いを表すこともあります。「悪人がやりそうなこと=mean」というイメージで概ね間違いありません。

ちなみに、綴りと発音が「意味する」という動詞 “mean” 、「手段」という名詞 “means” とほぼ同じなので、使用する際は誤解が生まれないよう注意しましょう。

Aさん
Do you mean mean means?
訳)汚い手段を意味してますか?
Bさん
You just want to say that. It sounds like buzzing of a cicada.
訳)言いたいだけでしょ。なんかセミの鳴き声みたい。

 

汚い⑦:shabby

汚い⑦:shabby

“shabby” が表すのは、古びてみすぼらしい汚さです。発音記号は「ʃˈæbi」、カタカナだと「シャビ―」となります。

日本語で「汚い身なり」と言いますが、このイメージに最も近い英単語が shabby です。特段大きな汚れが付いているわけではないものの、全体的に薄汚れてボロボロな様子を表します。

人の行為などを形容する際は、特に「けちな」という意味になることもあります。

Aさん
Why do you always wear shabby cloths?
訳)何でいつもボロボロの服を着てるの?
Bさん
To hide that I’m actually a rich.
訳)本当は金持ちなことを隠すためさ。

 

汚い⑧:unclean

“unclean” が表すのは「汚れ(よごれ)」ではなく「汚れ(けがれ)」です。発音記号は「`ʌnklíːn」、カタカナだと「アンクリーン」となります。

unclean は見ての通り “clean” の対義語です。そのため、「清潔ではない」という意味になるのは納得がいくと思います。

しかし、unclean は主に道徳的、宗教的によろしくない行いを形容する際に使われます。「穢れ」という字の方がイメージとしてはしっくり来るかもしれません。

Aさん
I got lots of disposable chopsticks at a self checkout.
訳)セルフレジで大量に割りばし取ってきた。
Bさん
That may be clean legally, but I think it is unclean morally.
訳)法律的には問題ないかもだけど、道徳的に良くないよ。

 

汚い⑨:polluted

汚い⑨:polluted

“polluted” が表すのは汚染された汚さです。発音記号は「pʌˈlutɪd」、カタカナだと「ポリューテッド」が近いでしょう。

polluted はもともと “pollute(汚染する)” という動詞から生まれた表現です。そのため、薬物や廃棄物などで汚染された状態を表します。

感覚的な汚さを超えて、環境や人体に悪影響を与える汚さなので、polluted と形容される場所にはなるべく近づかないようにしましょう。

Aさん
The lake is polluted.
訳)その池は汚染されてるの。
Bさん
OK. I’ll stay away from it.
訳)わかった、近寄らないようにするよ。

 

まとめ

今回は「汚い」に関して説明してきました。

「汚い」という意味で最も幅広く使えるのは dirty ですが、意味合いによっては不適切な場合もあります。今回ご紹介したその他8つの単語も活用して、シチュエーションに即した「汚い」を表現できるようにしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!