“break down”は、「壊れてしまう」という意味があるように聞こえますが、実は違います。日常会話で使うと少し意味が異なります。ただ、知っておくと日常的に便利なフレーズです。今回は”break down”について紹介していきます。また、名詞の”breakdown”の使い方も合わせて見ていきましょう。
“break down”はどういう意味?
“break down”は「崩壊する」「圧倒する」「破壊する」「分類する」「故障する」という意味です。
動詞の”break”と、落ちる、下にいくなどという意味の”break”が組み合わさったイディオムです。イメージとしては、何かが壊れてしまったりばらばらになってしまった様子を表現するときに使います。
泣き崩れたり、心が動揺した時の”break down”
人が何かショックを受けた時に、泣き崩れたりしてしまうことがあります。そんなときも”break down”を使います。その人そのものでなく、感情が壊れてしまったときに使います。
She broke down when she heard the news.
訳)彼女はそのニュースを聞いたとき、泣き崩れた。
モノが崩壊した時の”break down”
The building has broken down.
訳)そのビルは崩壊してしまった。
交渉が決裂した時の”break down”
The negotiation has broken down.
訳)交渉が決裂した。
移動するモノが故障した時の”break down”
I don’t know why, but my car broke down suddenly.
訳)どうしてか分からないんだけど、車が急に動かなくなった。
移動しないモノが故障した時は”break down”は使えない?
“work”は「機能する」「正常に動く」という意味があります。
This printer isn’t working now.
訳)このプリンターは故障している。
“break down into”
“break down into~”は、「~状に壊れる」という意味です。例えば、より細かく壊れると言う表現をする際は”break down into pieces”とします。”pieces”は「粉々に」「細かく」という意味です。
Anton broke down the Lego car into pieces.
訳)アントンがレゴの車を粉々にした。
The report can be broken down into 3 sections.
訳)レポートは、3セクションに分けられる。
名詞の”breakdown”はどういう意味?
それでは、名詞の”breakdown”はどういう意味でしょうか?
“break down”は、様々意味があるので、ここではよく耳にする一部を紹介します。
breakdown①:「故障」「機能停止」
日本語でも「ブレイクダウン」というように、“breakdown”は壊れてしまう、崩壊してしまう様子を指します。また、団体や教室などが正常に機能していない場合にも使います。
The breakdown in our classroom is a disaster. We don’t know how to fix it.
訳)私たちの教室の崩壊はひどいよ。どうやって直していけばいいのかわからない。
breakdown②:「衰弱」「衰退」
身体的にも精神的にも衰弱してしまう様を”breakdown”で表現します。
My aunt is recovering from her breakdown.
訳)わたしの叔母は衰弱した状態から回復しています。
breakdown③:「分解」「分析」
物を壊してバラバラにするというイメージがある”breakdwon”ですが、細かいところまで調べるために「分解」「分析」するという意味にもなります。
Today, we will lean the breakdown of alcohol.
訳)今日は、アルコールの分解について勉強していきます。
スラングで”break down”はどういう意味?
HipHopなどの洋楽を聞いていると、パフォーマンス中に”break it down!”とミュージシャンが叫んでいるのを聞くことがあります。これは、テンポやビートなどの曲調が変わる際に、「いくよ!」「ガーンと行っちゃって!」という意味で言う掛け声のようなものです。
Come on! Break it down!
訳)さあ、いくよ!
また、“break down”は、「すべて吐き出して話して!」という意味にもなります。先ほど上記で話した通り「泣き崩れる」という意味がある”break down”。泣き崩れたいほど悩み詰めている人に思いきり話して良いよ、と声をかけるフレーズとしても使えます。
Break it down! You are in a safe place!
訳)さあ話して!ここは安全な場所よ!
また、同様に「説明する」という意味にもなります。「分解する」という意味から派生して「詳しく話をかみ砕いて説明する」というニュアンスのフレーズとして使えます。
Can you break it down for me? It’s difficult to understand.
訳)詳しく説明してくれないかい?理解するには難しくって。
“break 人 down”で「~をダメにする」といった意味になります。つまり、「壊す・ダメにする・破綻させる」という直訳的な意味から、相手を「がっかりさせる」「打ちのめす」「落胆させる」というニュアンスの表現になります。
If you do this one more time. I will break you down!
訳)もしこれをもう一回したら、おまえを打ちのめす!
“break down”は何かが壊れた時に便利なフレーズ
心理的に打ちのめされたとき、車が壊れたとき、交渉が決裂したときなど、”break down”は様々な場面で使えるフレーズです。また、合わせて”breakdown”を覚えておくと会話の内容も広がるはずです。例文を参考にぜひ覚えておきましょう。