新型コロナウイルスが収束しつつあり、海外旅行に行くのを検討し始めている方もいるでしょう。

 

予算や時間の兼ね合いによってさまざまな場所が対象になりますが、東南アジアは比較的気軽に旅行しやすい場所です。

その中でもタイは「ほほえみの国」と呼ばれ、人に対してフレンドリーな国です。

 

ただ、旅行に行くとなると気になるのが、タイ語の英語事情ではないでしょうか。
カタコトでもコミュニケーションが取れればいいですが、英語が全く通じないとなると不安に感じるでしょう。

そこで今回は、タイの英語事情やタイの特徴について解説していきます。

タイってどんな国?

まずはタイがどのような国なのか解説していきます。

タイの面積は51万4,000㎢で日本の約1.4倍、人口は約6,800万人です。
インドシナ半島の中央部に位置し、首都はバンコクとなっています。タイはタイ族が85%を占めていますが、そのほかは中華系10%と少数民族で構成されています。

タイといえば、あちこちに美しい仏閣があるのをイメージする方が多いのではないでしょうか。それはタイ国民の95%が仏教徒であることが理由で、観光地にもさまざまな仏閣があります。ちなみに男性のタイ国民は人生で一度は短期間出家する習慣を持っています。

タイ王国を英語で

タイの正式名称はタイ王国といい、英語で表記すると「Kingdom of Thailand」になります。
王国という名が付いている通り、王が国を支配しています。王が君主として存在し、国の最高権力者が「王」なのです。

王国がタイのほか、カンボジアやマレーシア、ヨーロッパではオランダやスウェーデン、スペインなどが挙げられます。

首都のバンコクは英語で「Bangkok」と表記しますよ。

タイの公用語

タイの公用語

タイの公用語は「タイ語」のみです。
フィリピンやシンガポールなど同じ東南アジアでも英語が公用語に含まれているところもありますが、タイではタイ語が公用語となっています。

タイ語といえば、記号のようなタイ文字の印象が強いでしょう。日本人からすると記号にしか見えませんが、タイ人でも習得するのに時間がかかるほどむずかしいとされています。

タイ語の特徴

タイ語の特徴の一つが、男女で丁寧語の言い方が変わることです。女性は「カー」、男性は「クラップ」という言葉を語尾につけます。

たとえば「ありがとう」という意味の「コップン」は、
女性が言うの場合「コップンカー」、男性が言う場合「コップンクラップ」となります。

また、タイ語と英語が共通している部分もあり、基本的な語順が同じです。「主語+動詞+目的語」の順番になります。
なお、タイ語は過去形・未来形がなく、代名詞の活用もありません。そのためタイ文字はむずかしいものの、英語よりも文法は単純なのです。

タイの人の英語力

タイの人の英語力

タイに仕事で駐在することになった、旅行でタイに行きたいという場合に気になるのが、タイで英語が通じるのかどうかでしょう。

公用語がタイ語であるものの、場所によっては英語が通じます。ただし、場所・エリアによってはタイ語しか通じないところもあるため注意しなければなりません。

まず、英語が通じるところは観光地エリアが挙げられるでしょう。バンコクやプーケット、パタヤなどのエリアは多くの観光客が来るため英語が通じやすくなっています。
観光地に関連して、観光地エリアのホテルやタクシー、トゥクトゥク、市場なども英語が通じるケースが多いです。

ただし、農村部などの観光地から外れたエリアはタイ語しか通じないケースも珍しくありません。

バンコクにいるタイの人の英語力

タイはエリアによって英語が通じるかどうかの差が大きいといえます。

タイの首都であるバンコクは観光客が多く英語が通じやすいエリアですが、「EF EPI」を元にどの程度通じるのか解説します。

英語能力ランキング「EF EPI」とは、グローバル教育機関が実施する「EF試験」を受けた成人の、国ごとの英語能力指数を表すランキングのことです。世界の112の国や地域を対象に実施されます。

2021年の「EF EPI」の結果を見てみると、タイは112か国の中で100位に入っており、「非常に低い」と評価されています。

ちなみに日本は112か国中78位で、「低い」と評価を受けていますよ。

つまり、EF EPI」のベースに考えると、日本よりもさらに英語が通じにくい環境と言えるのではないでしょうか。

バンコクで英語が通じる場所

バンコクで英語が通じる場所として挙げられるのがホテルでしょう。ホテルのランクにもよりますが、ある程度レベルの高いホテルではどこも英語が通じます。

また、電車の駅も基本的に英語対応となっており、改札にいるスタッフとも英語が通じるケースが多いです。ただし、バスやタクシーは英語が通じないケースが多いため、注意しなければなりません。とくに適当に乗り込んだタクシーで英語が通じないと危険なため、配車アプリを利用するのがおすすめです。

なお、バンコクにあるスーパーやコンビニ、カフェなどはネイティブではないものの英語でコミュニケーションが取れるでしょう。

タイの人が話す英語の特徴

タイの人が話す英語の特徴

タイの公用語はタイ語のため、タイの人同士で会話をするとなると英語を話す機会がほとんどないと言えます。

そのため、バンコクには英語を話せる人が多いとはいえ、文法や発音に特有のなまりや誤りがある場合があります。

発音

発音は母国語の影響を受けやすいポイントです。日本人の話す英語も「カタカナ英語」などと表現されますよね。

たとえば濁点が消える、普通の会話で語尾を上げて発音し、疑問文のように聞こえるといった点はタイの人が話す英語の特徴です。反対に疑問文は上げ調子にならないケースもありますよ。

文法

文法についてですが、時制を気にせず話す人が多い傾向にあります。

タイ語には未来形や過去形を表す活用形がないと解説しましたが、その影響を受けて英語でも時制の活用形を省略するケースが多いです。そのため、動詞は時制の活用形に変化させずyesterdayやtomorrowだけで過去形や未来形が表現されるケースがあります。

・I study yesterday.
・I study tomorrow.

違和感があるかもしれませんが、時制に関係なく常に動詞は原型になるので慣れれば使いこなせるでしょう。

語尾に「ナ」や「カ」がつく

日本語の「です」「ます」を意味する「ナ」「カ」といった音が英語の語尾にも使われがちです。

意味は特にないのですが「OK na !」といった具合に使われます。「OK na !」=「OKです」といったニュアンスです。

誤りではありますが、タイに行って英語でコミュニケーションを取るときに混乱しないよう意識しておきましょう。

まとめ

いかがでしょうか。

今回はタイの特徴やタイで英語は通じるのかについて解説しました。

タイの公用語はタイ語のため、どのエリアでも英語が通じるとは言えません。しかし、観光地などの海外の人が多く訪れるエリアは英語が通じる場所もあります。

ただし、タイの人が話す英語は独得のなまりがあったり、正しい英語からすると文法的に間違っていたりするケースがあります。

また、海外旅行に行く際は、英語だけで会話しようとするのではなく、現地の挨拶や簡単なお礼位は話せるとより観光を楽しめますよ。

ぜひ今回の記事を参考に、タイの英語事情についてチェックしてみてください。