つくば市は、国内最大級の科学研究機関や大学が集積した「研究学園都市」として知られています。人口は約26万人、そのうち0~14歳の子どもたちの人口は全体の約7%に当たる1万9000人です。そんな子どもたちが未来を担う存在として育まれています。

その研究学園都市としての知的な環境を背景に、英語教育にも力を入れ、国際社会で活躍できる人材を育成しています。さらに、子どもたちが科学と英語を結びつけて学べる独自の教育連携が進められています。

この記事では、「つくば市の英語教育モデル校」や「つくば市の留学プログラムサポート」など、つくば市が取り組む英語教育の全貌をご紹介。また、つくば市で行われる英語スピーチコンテストの情報や、つくば市ならではの「科学と英語の教育連携」についても詳しく解説します。ぜひ、つくば市の英語教育の魅力をご覧ください!

つくば 英語教育 モデル校の取り組み

世田谷区の小中学校の英語教育

つくば市では、先進的なICT教育を独自に開発してきました。その教育は小学校1年生から導入されており、英語教育にもそのシステムが導入されています。ここでは、ICTを活用した英語教育を行なっているモデル校を紹介します。

つくば市立みどりの学園義務教育学校

つくば市立みどりの学園義務教育学校では、つくば市の強みであるICTを活用した英語教育が提供されています。「未来型アクティブラーニング」を掲げており、図書館ではいつでもパソコンが利用できます。英語の需要では、小型の英会話ロボットを相手に会話練習ができるのも特徴です。

また、AIを活用したディベート練習も盛んに行われています。例えば、「夏vs冬」のようなテーマを英語で討論します。生徒が発言した内容をAIが聞き取り、瞬時に反論を生成するといった最先端の英会話練習が行われており、まさに未来型のアクティブラーニングと言えるでしょう。

つくば市立豊里学園沼崎小学校

つくば市立豊里学園沼崎小学校の英語の授業では、「習得は短時間、活動を十分に」というスローガンを掲げた授業展開がなされています。授業の冒頭では、単語の名称の復習から始まり、カードを用いた生徒同士での英単語ゲームでウォーミングアップを行います。
従来型の英文法メインの英語の授業、ゲームばかりの授業とは異なり、会話のフレーズを紹介し、ペアワーク、グループワークを通じて、自然に習得できる授業は生徒一人ひとりの実践力を向上させます。

また、独自のオリジナル教科書、「モジュール105」を用いて、発音や聞き取りの練習にも余念がありません。
実践英会話にこだわった授業展開が行われています。

つくば竹園東小学校

つくば竹園東小学校は筑波研究学園都市内にあるという優位性を生かして、1977年からコンピュータを使った授業を提供する小学校。つくば竹園東小学校で使用されているICT教材は筑波大学との共同開発されています。電子黒板やハイスピードカメラ、ネットワークコンテンツは全学年で導入され、学習効率の向上の一助となっているのです。
また、独自の英語教育プログラムとして、「竹園ワールド」「つくばスタイル科」と呼ばれる、英語教育カリキュラムも魅力のひとつ。筑波大学との連携により先生たちや生徒たちの意欲も高いのも特徴です。

つくば市で留学プログラムのサポートを受けるには?

アメリカ留学には必須!TOEFLの勉強法について

つくば市の学生で、留学を希望する学生や社会人は多数存在します。つくば市から海外留学をするにはどうしたら良いのか?留学プログラムや留学サポートをしてくれる機関があるのかを解説します。

筑波大学スチューデントサポートセンター

本格的に海外留学をするのであれば、筑波大学のスチューデントサポートセンターを利用するのが一番手っ取り早い方法でしょう。留学の公募情報や国際交流イベントの開催など、情報提供をしてくれるだけでなく、協定校とのやり取りや、奨学金の案内などもしてくれます。

中高生を対象とした留学支援

つくば市では、国際交流を推進するため、中高生向けの留学プログラムを積極的に支援しています。これにより、生徒たちは海外での生活を体験し、異文化理解を深めながら英語力を伸ばす機会を得ています。主に中学生、高校生にはAFSと呼ばれる国際的なボランティア団体が提供する留学プログラムがおすすめです。AFSが提供するプログラムは主に以下の2つです。

  • 短期留学プログラム
    夏休みや春休みを利用した10日間~1ヶ月程度のプログラム。STEM、リーダーシップ、SDGsなどのテーマ別に学習することもできます。英語圏の国を選択すれば、英語で上記のようなテーマを議論していきます。
  • 年間留学(ホームステイ)
    つくば市内の高校生が対象で、1年間の海外留学を支援する奨学金制度を提供。約40カ国から留学先を選ぶことができ、現地ではホームステイが可能です。2026年出発分は2025年の3月3日に公開される情報をチェックする必要があります。

つくば市国際交流イベント

つくば市で公共の留学サポートを希望する場合、つくば市が提供する国際交流イベントに参加するのもおすすめです。つくば市では「第2次つくば市グローバル化基本指針」に基づいて外国人と日本人の交流を盛んに行なっています。

国際交流フェア

毎年5月に「つくばフェスティバル」の一環として開催されています。海外の人たちによるダンスや歌などが披露されます。また、各国の伝統料理も楽しむことができるので、異文化理解には絶好の機会と言えます。

国際理解講座

つくば市の国際交流員や留学生交流員が外国の文化についての講義をしてくれます。「つくば市出前講座」という市が提供する年間プログラムの一部となっています。

つくば市の英語スピーチコンテスト情報

成功へのステップ
つくば市では、日本国際学園大学(旧筑波学院大学)が主催する「高校生コンテスト」と呼ばれる大会では、英語でのプレゼンテーションを競うコンテストがあります。主に近隣の高校生が大学生や大学教員と共同で参加できる英語スピーチコンテストです。

元々は筑波学院大学が開催していた、KVA Cupと呼ばれる英語のスピーチのコンテストがありましたが、2024年度に日本国際学園大学に名称が変更となり、英語に止まらず、幅広いテーマでのプレゼンテーションの大会にリニューアルしました。2025年度の詳細はまだ未定となっています。

英語でのプレゼンテーション大会は、つくば市の英語教育における目玉イベントの一つであり、前身のKVA Cupは近隣の小中高校生たちが実践的な英語力を磨く貴重な機会となっています。

つくば市の科学と英語の教育連携

【子育て英語】「将来なにになりたい?」子どもに人気の英語を生かした仕事

科学都市ならではのユニークな教育

つくば市は「科学都市」としての特色を活かし、科学と英語を連携させた教育プログラムを展開しています。特に近年話題になっているSTEM教育、STEAM教育に英語教育を掛け合わせた独自の教育システムの提供が可能になっています。この取り組みにより、生徒たちは英語を学びながら科学的な思考力も養うことができます。

つくば科学万博記念財団とTISの連携

つくば科学万博記念財団とつくばインターナショナルスクール(TIS)は科学分野と英語教育の融合を目的とした連携をしてきました。一方で、TISは国際バカロレア教育を導入しており、国際基準の教育を提供してきました。その結果、小中高の教育を提供できる学校としての認定を受けています。

このような教育連携は、子供たちが科学的な知識と英語の実践的なスキルを同時に身につけるための理想的な環境を提供しています。

まとめ:つくば市の英語教育で未来を切り開く

つくば市は、国際社会で活躍できる人材を育成するため、科学と英語を融合した独自の英語教育プログラムを導入しています。その強みを活かしAIを活用したICT教材の開発にも力を入れています。
また、地域の大学が中心となって開催する英語プレゼンコンテストなど、市内のイベントを通じて、生徒たちが自信を持って英語を使う機会も豊富です。つくば市で育まれる子どもたちの未来に注目し、この街が提供する教育環境を活用してみませんか?