自分の人間関係を表す際、英語でどこまで表現することができますか?father, mother, borther, sister, friend, family…思ったより多くの人を表現できることに気付くでしょう。それでは、「知っているけれど仲良くはない人」を表す英単語は何でしょうか?
答えは”acquaintance”です。高校英語で学ぶ英単語ですが、スペルも発音も難しく非常に覚えにくい英単語の1つなので、答えられなかった人も多いのではないかと思います。
本記事では、知っておくと便利な”acquaintance”に焦点を当てて、その意味や使い方を解説していきます。最後まで読んで、”acquaintance”を使いこなせるようになりましょう!
”acquaintance”の意味
自分の人間関係を見返した時に一番多いのは、”acquaintance”です。まずは”acquaintace”の意味を確認してみましょう。
知人・知り合い
一般的によく使われる意味は「知人、知り合い」です。仕事やイベントでお互いに挨拶をして名前は知っているけれど、友人とは言えないぐらいの人…おそらくこの関係性の人があなたの身の回りでも最も多いのではないかと思います。
He is not a friend, just an acquaintance.
訳)彼は友だちではなく、ただの知り合いです。
知識
「知人」はその「人」を知っている状態ですよね。そこから派生してその「モノ」を知っている状態の「知識」という意味も持ちます。「知人」の意味では可算名詞ですが、「知識」を意味する場合は不可算名詞になる点に注意しましょう。
Aさん
My acquaintance with the matter is slight.
訳)その問題に関する知識は、ほんのわずかしかありません。
知識の意味の”acquaintance”は”knowledge“で置き換えることもできます。ただし、knowledgeの後に続くく前置詞は”with”ではなく、”on”になります。”knowledge”も不可算名詞なので、「知識」の意味の”acquaintance”が不可算名詞になるのは、納得できますね。「専門知識」については、”expertise“という表現で置き換えることもできます。
”acquaintance”を使った便利なフレーズを紹介!
”acquaintance”は単体で使われるよりもフレーズで使われることが多い単語です。ここでは、覚えておくと便利なフレーズを紹介します。簡単なフレーズばかりなので、ぜひ会話の中で取り入れてみてください。
make someone’s acquaintance
誰かと知り合いになった時に使えるフレーズです。意味はそのまま「〜と知り合いになる」で、”acquaintance”の前に代名詞の所有格をとります。個人名であれば、”make the acquaintance of~”と言い換えることもできるので、どちらも覚えておきましょう。
Aさん
I made her acquaintance through his introduction.
訳)彼の紹介で彼女と知り合いました。
Aさん
I made the acquaintance of Julia through his introduction.
訳)彼の紹介でジュリアと知り合いました。
acquaintance with
「知識」の意味で使う場合、withを伴って知識の内容を伝えることができます。
Aさん
I gained acquaintance with the country.
訳)その国のことを知りました。(その国に関する知識を得ました。)
また、”acquaintance with someone”で「その人との付き合い」を意味します。
Aさん
I began acquaintance with her.
訳)彼女と交際を始めました。
Aさん
I cut acquaintance with him.
訳)彼と絶交しました。
of one’s acquaintance
「知り合いの弁護士に相談します。」このように日常会話で意外と「知り合いの〇〇」という表現を使いませんか?これも”acquaintance”を使って表現することができます。
Aさん
I will talk about it with a lawyer of my acquaintance.
訳)知り合いの弁護士に相談します。
on (further) acquaintance
“on (further) acquaintance”で「知れば知るほど、付き合ってみると」という意味になります。この表現を知らなければ、”the more I know ~, the more~”や”knowing ~ more and more”のように表現が長くなってしまいます。今回紹介するフレーズの中でも最も使いこなせるとかっこいい表現の1つと言えるでしょう。
Aさん
On further acquaintance, I found him a nice fellow.
訳)よく付き合ってみると(彼をより深く知ることで)、彼がいい人であることに気付きました。
mutual acquaintance
“mutual”は「お互いの、共通の」を意味する形容詞です。”mutual acquaintance”で「共通の知人」を意味します。この場合、”mutual”を使うのがぴったりで、日本語が「共通の」となっていても、”acquaintance”の前に”common”を使うべきではありません。
Aさん
I made her acquaintance through the introduction of a mutual acquaintance.
訳)共通の知人の紹介で彼女と知り合いました。
chance acquaintance
”chance acquaintance”で「運命の出会い」を意味します。
Aさん
Even a chance acquaintance is a divine ordinance.
訳)袖振り合うも他生の縁(どんなに些細なことでもすべて宿縁によって起こるものであるという意味のことわざ)
形容詞”acquainted”も使いこなそう
“acquaintance”は「知り合い」「知識」という意味の「名詞」ですが、その形容詞形 “acquainted”についても解説します。
“be acquainted with モノ”
「モノをよく知っている、モノに精通している」という意味になります。例文を見てみましょう。
Aさん
He is acquainted with AI technology.
訳)彼はAI技術に精通している。
Aさん
She is acquainted with business manner.
訳)彼女はビジネスマナーをよく知っている。
Aさん
The lawyer is acquainted with corporate law and M&A.
訳)その弁護士は、企業法務とM&Aに詳しい。
“be acquainted with モノ”は、”be familiar with モノ”という表現に置き換えることもできます。
“be acquainted with 人”
「人と知り合いである」という意味になります。be 動詞を使うと状態を表しますが、”become”や”get”に変えると、「知り合いになる」という意味になります。例文を見てみましょう。
Aさん
I am acquainted with a Japanese actor who has worked with Hollywood actors.
訳)ハリウッド俳優と一緒に働いたことがある日本人俳優と知り合いです。
Aさん
It is easy to become acquainted with someone through social networking services these days.
訳)最近、SNSを通して誰かと知り合いになることは簡単です。
“become acquainted with 人”は、”get to know 人”という表現に置き換えることもできます。
「〜と知り合いになる」という表現で、”make someone’s acquaintance” や ”make the acquaintance of 人”という表現を紹介しましたが、become [get] acquainted with 人の方が一般的によく使われる表現です。さまざまな単語が出てきますが、一般的によく使われる表現を覚えておいて、ぜひ英会話で使ってみましょう。
“acquaintance”と”friend”に違いはある?
最後に”acquaintance”と”friend”の違いについてみてみましょう。ここまで読んでいただければ、ある程度の違いはご理解いただけているのではないでしょうか?
相手との距離感
「知人」とは、知っているけれど仲良くはない人のことです。一方、”friend”は「友人」を意味しますよね。一番の違いは、相手との距離感ですが、実は”friend”はとても幅広い単語です。一度しか会ったことがなくても、親しくなりたい人には”friend”を使うこともありますし、味方や後援者など自分にとってプラスになる存在も”friend”で表現することがあります。ですので、親しくない人全員が”acquaintance”ではないということは覚えておきましょう。
“acquaintance”はかたい表現
ここまで”acquaintance”の解説をしてきましたが、この英単語は実は少しかたい表現です。日常会話で「知り合いになる」は、”We have known each other.”と、”know”を使って表現することができます。またバーで知り合う場合には、”acquaintance”を通り越して一気に”friend”ぐらいの関係になることも多いでしょう。
そのため実際の英会話の場面では、”friend”の方がより多く使われます。”acquaintace”は会社の関係の知り合いや、目上の知り合いを指す際に使うようにしましょう。
“acquaintance”の対義語
次に、”acquaintance”の対義語について見ていきましょう。
”acquaintance”には、「知り合い」と「知識」という意味があるので、それぞれの意味について対義語があることが考えられます。
“stranger”
「知り合い」の反対の意味を表す対義語は、「見知らぬ人」”stranger”ですね。
Aさん
Parents must tell their children not to follow strangers when they are spoken to by strangers.
訳)親は子供に見知らぬ人に話しかけられても、ついていかないように教えなくてはならない。
“unfamiliarity”
「知識」の反対に意味を表す対義語は、「精通していないこと(不慣れなこと)」”unfamiliarity”となります。
“be acquainted with 物”は、”be familiar with モノ”という表現に置き換えられると説明しましたが、”familiar”の対義語は、”unfamiliar”になります。”unfamiliar”の名詞形は”unfamiliarity”ですね。
Aさん
My sister decided to decline the offer from that company due to her unfamiliarity with the matter.
訳)私の妹は、その会社からのオファーをその問題に精通していないために辞退することにした。
まとめ
今回は”acquaintance”について解説しました。単語単体で使うことは少ないですが、「知り合いの〇〇」や「〜と知り合いになる」など、日本語ではよく使うけれど英語ではパッと思い浮かばないことを表現できます。まず、”acquaintance”は「知り合い」と「知識」の2つの意味があることをおさえておきましょう。
英語と日本語は言語形態が大きく異なるため、語彙力があっても日本語から英語に訳しにくいことが多々あります。そのような場合は、ぜひ表現方法を調べてみましょう。”acquaintance”という名詞から、”acquainted”という形容詞も覚えて、それらをどんなふうに使うのか、その同意語や反意語まで調べて覚えていくと、ボキャブラリーがどんどん増えていきます。
分からないことをそのままにせず、納得するまで調べてみてください。「塵も積もれば山となる」どんな些細な知識でも積み重なれば膨大な情報量となり、英語力アップに繋がります。