日本の英語力レベルは他のアジア圏の韓国や中国よりも低いと言われています。
- 日本の英語学習は間違っている?
- 同じアジアで母国語でもないのに英語力の差が激しいの?
- 中国に行って英語は通じるの?
と不安や疑問を感じている方は多いのではないでしょうか?
本記事では、「英語力に不安がある学習初心者の方」に向けて、中国の英語レベルと学習、日本との違いについて述べています。
記事を読んでいただければ、中国の英語実情と日本との違いがわかりますよ。
ぜひ、中国の英語事情を知りたくてこの記事にたどり着いた方は最後まで記事をチェックしてみてください。
英語力の指標とは
英語力の指標・EF EPI能力レベルは、EF試験を受験した人の結果から算出されています。
英語を母国語としない国・地域における英語能力の指標で、数値として算出されるため国と地域を比較できます。
2021年度版の指標では112ヶ国中、以下の結果となっています。
- 中国:49位 標準的な英語レベル
専門分野の会議への参加やメールでのやり取り可能
- 日本:78位 低い英語レベル
簡単なメールや会話は可能
中国と日本における英語力には、大きなレベル差があります。
参考:https://www.efjapan.co.jp/epi/
中国の基本知識(国名・言語)
まずは、中国について確認しましょう。
中国の正式名称は中華人民共和国です。
英語表記は”China”、正式名称は”People’s Republic of China”となっています。
22省・5自治区・4直轄市・2特別行政区にわけられています。
人口は約14億人で、面積は日本の25倍程度もある広大な面積を誇ります。
公用語は中国語ですが、広大な国面積・人口を誇る中国では言語は大別して7つに分かれています。
同じ中国語に分類されますが、日本の方言とは全く異なり別の言語と感じるほど会話が成り立たないことがあります。
中国の英語力
実情
上海の人の英語力は中国内で最も高いと言われており、香港の人よりも高いスコアを維持しています。
北京の人の英語力は香港の人と同程度の非常に高いと言えます。
主要都市の人の英語のレベルは中国国内において高い傾向にあります。
小学校での英語学習が必修となった世代の人の多くは、英語への苦手意識が少ない傾向があります。
英語学習への取り組み
中国では上海や北京等の一部地域の小学校に英語教育が試験的に盛り込まれたのは1978年です。
小学校3年生以上が対象となっていました。
さらに2001年から小学校での英語教育を国として推進し、2005年にはほとんどの国内で英語が必修科目になり実施されました。
国が英語教育を積極的に行う背景には、WTOの加盟や北京オリンピックがあったとされています。
1978年に小学3年生だった子どもたちは、2022年にはすでに50歳を超えています。
英語の早期学習を受けた子どもたちが、国全体の英語力を押し上げてきたといっても過言ではないでしょう。
早期の英語教育に力を入れる国の政策により、結果として中国の英語力が飛躍的に向上しました。
中国と日本の学習の違い
日本と中国の英語早期学習の違いは圧倒的な勉強量の差です。
日本では2011年から英語学習を小学5・6年生に開始、さらに2020年以降では小学3・4年生から必修化になりました。
一方、中国では2001年に小学生から必修科目になりました。
中国では早期学習開始時の目標で、小中校卒業時に2800語を習得することとなっています。
日本では2011年時点で、小中学校で学ぶ単語数は1200語とされています。
2020年以降は小学校で600から700語、中学校で1600から1800語を学習することになりました。
中学卒業時に、2200〜2500語を習得するのが目標とされています。
すでに20〜30年前の中国の英語教育のレベルにようやく達したことになります。
圧倒的に義務教育で英語学習や知識量が少ないことがわかります。
環境・言語・国民性の違い
早期の英語学習、学習量によって中国の英語力が伸びたことは明らかですが、他に要因があるのか気になる方は多いのではないでしょうか。
環境、言語、国民性の違いについて確認しましょう。
環境の違い
中国では中国語が公用語ですが、広大な国内では同じ中国語でも大きく7つに分かれています。
同じ中国語でも、標準語とされている北京語でないと話が通じず別の言語と感じることがあるほど違う言葉と言われています。
中国国内において、ヨーロッパのような多言語を使用する環境に近いことが伺え、他の言語に対する機会や耐性がある人が多いことが挙げられます。
一方、日本でも日本語が公用語ですが、地域によって方言はあるものの全く話が通じないレベルではありません。
そのため、日本国内では他の言語に触れる機会はかなり少ないと言えます。
言語の違い
中国語と英語は似ていると耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
中国語は英語と同様に文の構成が主語、動詞、目的語の順になります。
一方、日本語では、主語、目的語、動詞の語順になります。
さらに中国語、英語には、日本語の助詞といわれる「が」、「も」、「に」がありません。
中国語と英語の相違部分はあるものの、この文を構成する基礎的な部分が似ているので、理解がしやすいと言われています。
国民性の違い
中国では英語に高い重要性を感じ、保護者が早期の英語教育に積極的であったり、学習する本人の意欲が高い傾向があると言われています。
英語での会話においても積極的で、発言をためらわない人が多いことも高い英語力を持つ要因のひとつです。
日本には漢字だけでなくカタカナもあり、英語を学ばなくてもなんとなくで過ごすことができると感じる方が多いのではないでしょうか。
グローバル化してきてるとはいえ、他の言語に触れる機会も少なく英語学習に高い重要性を感じている人が中国に比べて少ない傾向にあります。
遠慮しがちな人が多い日本の国民性も英語の習得に大きく影響していると考えられます。
中国で英語は通じる?
英語力の指標で日本を上回る中国ですが、実際に訪れた際に英語が通じるのか気になる方は多いのではないでしょうか。
英語力の指標は試験を受験されている方のスコアから導き出されているので、訪中すると違った一面を感じることがあります。
北京・上海などの主要都市
空港、ホテル、観光名所などでは英語が通じ、問題なくコミュニケーションがとれるレベルです。
外国人観光客が多い場所では、英語でのコミュニケーションに困ることは少ないでしょう。
主要都市では英語を話せる人のレベルは、高く堪能と感じる人が多い印象です。
地元の人が多い場所などでは、簡単な単語でも通じないことも多くあります。
日本でも同じように街の全ての人が英語を話せるわけではないので、留意しておく必要があります。
地方
観光名所や観光客の多いエリアでは簡単な単語が通じるとこが多いですが、都市部と比較すると格段に英語でのコミュニケーションは難しいことが多いです。
まとめ
「英語力に不安がある学習初心者の方」に向けて、中国の英語レベルと学習方法、日本との違いについてご紹介しました。高い英語力を持つ中国では、早期の英語教育に国として力を入れてきたことが大きく影響しています。
環境、言語、国民性の違いによる影響もありますが、圧倒的な勉強量で英語力を押し上げてきたことがわかります。英語に不安を感じる人でも基本をしっかり学び、アウトプットすることで確実に英語力を向上することができます。英語の基礎を固めることは地道で時間が必要な作業ですが、英語力のアップにかかせません。