英検1級は、英検準1級からさらに難易度が飛躍した、専門性の高い英語が運用できるかを測る試験です。

すでに難関資格だった英検準1級からさらにレベルがグンと上がり、とても専門性の高い英文を扱えるかを問われる非常に高いレベルの英語力を問われます。

さらに2次試験となる面接試験も、自分の主張に対して面接官から深堀りした説明を求められるなど、スピーキング面でも高い英会話力に加えて、一貫した論理構築能力も求められます。

この記事では、英検1級が具体的にどれくらいのレベルなのかと、ライティング問題の対策方法、準1級以下とは大きく変わった二次試験の特徴と対策方法についても詳しくお伝えします。

この記事を読み終わる頃には、英検1級の具体的なレベルに加えて、どんな対策が効果的かがわかるのでぜひ最後まで読んでみてください。

2025年度の試験日程

まず、2025年度の試験日程を確認しておきましょう。

個人受験と団体・学校受験で試験日程が違いますので、ご注意ください。

2025年度の個人受験の日程は、こちらのリンクで確認できます。
https://www.eiken.or.jp/eiken/schedule/2025-examinee.html

2025年度の団体・学校受験の日程は、こちらのリンクで確認できます。
https://www.eiken.or.jp/eiken/schedule/2025-group.html

2025年度に受験を検討されている方は、試験日程を確認し、合格に向けて準備していきましょう。

英検1級のレベルは?

英検1級のレベルについて、英検の主催者である「日本英語検定協会」は以下のように記載しています。

推奨目安:大学上級程度

出題目安:二次試験では2分間のスピーチと、その内容への質問がなされます。カギは英語の知識のみでなく、相手に伝える発信力と対応力。世界で活躍できる人材の英語力を証明します。

引用:日本英語検定協会

英検協会は「大学上級程度」としていますが、英検1級の難易度は「大学上級程度」では測れない難しさを持っています。

もう少し具体的に、英検1級のレベルを深堀りしていきましょう。

英検1級の単語レベル

英検1級からは約10,000語〜15,000語レベルの英単語が出題されます。

英検準1級の英単語レベルが7,500語〜9,000語レベルからの出題でしたから、英検準1級と比べて約1.5倍~2倍もの英単語レベルを要求されます。

英検準1級の時点ですでに英語が得意な人の中でも、限られた人しか合格できない難易度なのに、そのまた2倍の英単語量を要求されることから難易度の高さが伺えます。

英検1級の単語・熟語問題

1級の大問1は、単語・熟語問題で、2023年度までは25問でしたが、2024年度からはライティング問題が1問追加されたので、大問1は3問減って、22問になりました。(19) ~(22)の4問は、熟語問題です。

大問1で約7割の正答率を目指す場合、15問か16問以上の正解を目指したいですね。実際に問題を解いていただくとお気づきいただけるでしょうが、大問1で7割以上の正答率を目指すのは、至難の業ですが、単語・熟語問題の過去問をできるだけたくさん解いて、その出題傾向を探りましょう。

英検1級のライティング対策

writing

英検1級にはライティング問題があります。2023年度までは、ライティングは意見陳述問題だけだったのですが、2024年度から意見陳述問題に、英語要約問題が追加されました。

英検1級のライティング問題(意見陳述)

英検1級のライティング問題では、与えられた話題(トピック)に対してあなたの意見を、200語〜240語を目安に英作文していきます。

また英作文(ライティング)をする際に以下の条件にしたがって書く必要があります。

  • あなたの意見を3つの理由とともに書くこと
  • 「導入文、本題、結論」の構成で書くこと

英検2級、準1級のライティング問題と似た形式で、語数と指定された理由の数が増えるような形ですね。理由は1つ増えるだけですが、語数が準1級 (120語~150語) よりかなり増えるので、どのように工夫して語数を増やすかを考えなくてはなりません。

英検1級のライティング問題(要約)

2024年度から英検1級のライティング問題に要約が追加されています。2級や準1級より、英文がかなり長くなっていますが、90~110語にまとめなくてはなりません。

英文のパラグラフは3つですが、英文によって、どのパラグラフが長いかは違ってきますが、各パラグラフにつき、1、2文でまとめたいところです。

英検1級のライティング対策(意見陳述)

英検1級のライティング対策はTopic(議題)と模範解答(モデルエッセイ)のパターンを覚えるのが効果的です。

英検1級のライティング試験で、どんなことを問われ、どんな風に答えるのが理想的かを身につけることでスムーズに書けるようになるのが狙いです。

1級のライティング(意見陳述)問題では、文全体の構成を考え、パラグラフごとに何文ぐらい書くかを考えましょう。第1パラグラフで賛成か反対か自分の立場を明確にしますが、前置きをしつつ、導入文で賛成か反対かを明確にして、3文ぐらい書きます。第2パラグラフから第4パラグラフで、3つの理由を書きますが、各バラグラフにつき2、3文書きます。第5パラグラフの結論は、2文ぐらい書いて、自分の意見をまとめましょう。

英検準1級のライティング対策は、「旺文社 英検準1級 過去6回全問題集」などの、英作文(ライティング)問題と模範解答(モデルエッセイ)を含んだ過去問で演習するのがおすすめです。

さらに、「もっと演習をして英作文問題を得点源にしたい!」という方には「ジャパンタイムズ社 最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇」がおすすめです。

30問もの予想問題に加えて、肯定意見と否定意見の2パターンで60パターンもの模範解答(モデルエッセイ)を参照することができます。

英検1級のライティング対策(要約)

英検1級のライティング要約問題には、”summarize in your own words as far as possible in English”という指示があるので、元の英文をそのまま書き写すより、できるだけパラフレージング(同じ意味の別の単語で置き換える)しながら書いた方が評価は高くなります。

意見陳述の問題は、本番でどうしても自分の意見が出てしまい、模範解答の答えを覚えていてもあまり役に立たないということはありますが、要約問題はパターンによってまとめ方のコツがあります。ですので、たくさん問題を解いて、模範解答と見比べて、要約のコツを覚えていくのが効果的だと考えられます。

英検1級の合格点は?何点取れば合格?

英検準1級の合格点は毎回の試験ごとに異なります。なので「何点取れば合格!」とは断言できません。

ただし、英検協会の発表と英検独自の採点方式である「英検CSEスコア」に基づくと、「各技能(リーディングやリスニングなどのこと)で、7割程度の正解率で合格できる可能性が高い」といえます。

「英検CSEスコア」とは以下の特徴を持つ採点方式を指します。

2016年度の試験から、英検は採点方式を「英検CSEスコア」という独自の方式に移行しました。

英検が英検CSEスコアを採用した背景として、「各技能(リーディングやライティングなどのこと)で点数に偏りがある受験者よりも、各技能でまんべんなく点数を取れる受験者が合格しやすい仕組み」を取ったことが挙げられます。

また、英検を主催している日本英語検定協会の公式ホームページからは以下の言葉が記載されています。

正答数の目安を提示することはできませんが、2016年度第1回一次試験では、1級、準1級は各技能での正答率が7割程度、2級以下は各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格されています。

引用:日本英語検定協会公式ホームページ

以上の「英検CSEスコアの性質」と「英検協会からの言葉」から、英検1級では「各技能(リーディングやリスニング、ライティングなどのこと)で、まんべんなく7割程度の正解率で合格できる確率が高い」と言えるわけです。

英検1級の面接・二次試験対策

面接

英検1級の面接・二次試験は、英検準1級までとは大きく異なります。

英検協会の公式ホームページで「バーチャル二次面接」を受験できるので、大まかな流れを把握しておくと良いですよ。

面接試験では、以下の流れで試験が行われます。

  • 面接試験全体で扱われるトピックが5つ書かれたカードを渡される。トピックは「インターネットは規制されるべきか?」など一般的に意見が二分されるもの。
  • 5つのトピックの中から1つを選び、自分の意見を2分間で主張するスピーチを構成する。(考える時間は1分間)
  • 2分間、あなたの選んだトピックでスピーチを行う。
  • スピーチの後、あなたのスピーチに対する質問、トピックに関してあなたの意見をもう少し詳しく聞かせて欲しいなどの質問をされる。
  • トピックが書かれたカードの返却をうながされ、その後退出する。

といった流れで行われます。

英検1級の面接試験対策は…

  1. どんなトピックが出題されるのか
  2. どんなスピーチ構成が好ましいの?
  3. スピーチやトピックに関して、どんな質問がされるの?
  4. 質問に対して、どんな回答をすればいいの?

↑の4点をあらかじめパターンを掴んでおくとスムーズです。

英検1級の2次試験は、準1級より下の級と比べて大きく形式が変わると同時に難易度もグッと上がります。

これまで以上にしっかりと二次試験に向けての対策をしっかりと行いたいところです。

与えられた5つのトピックのうち、1つ選んで、2分間の意見陳述を行いますが、1分間でどのトピックを選ぶか、賛成か反対か、その理由はどうするかなどを考えなくてはなりません。

5つのトピックには、一般的な内容のものと専門知識を要するものがあるので、自分がその分野の専門知識を持っているトピックが見つかれば、それを選ぶといいですが、そうでない限りは、一般的な内容のトピックを選ぶようにしましょう。

2分間スピーチが終わった後、面接官から自分の意見陳述について反論をされて、ディベートをしなければなりません。専門知識を要するトピックを選んで、専門的な内容を含む反論をされると、何も言い返せないという状況に陥るかもしれないので、一般的な内容のトピックを選ぶのが無難です。

2分間で「導入、理由、結論」をうまくまとめなければならないため、導入を何文にするか、理由はいくつ挙げるか、結論は何文にするかなど、さまざなまトピックで何度も練習して、本番に臨むことをおすすめします。理由を3つにすると、よほど速く英語を流ちょうに話せないと厳しいので、理由は2つにするのがおすすめです。導入は短すぎても長すぎても、タイムコントールがうまくいかないので、導入は2文、結論は1、2文などと決めておき、理由は問題によっていくつかのパターンをストックして覚えておくようにするといいです。

英検1級合格に役立つ 学研のKimini英会話コース

英検

どうしても二次試験を落としたくない場合や、自分ひとりで面接対策をするのが不安な人は、学研のKimini英会話が提供するフリートークコースやニューストークコースなどで対策をするのもおすすめです。

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まとめ

この記事では、英検準1級の1.5倍~2倍もの語彙力を試され、専門性の高い英語を運用できるかを測る英検1級についてお伝えしました。英検1級のレベルは、準1級より格段に難しいことは確かですが、2倍ぐらい難しいかというと、2倍ではないでしょう。1級に出てくる単語・熟語は、準1級に出てくるものもたくさん含んでおり、ライティングでも共通している部分はあるので、1級は準1級の延長線上にある難しい試験だと言えるでしょう。

ここまでお読みのあなたは、英検1級合格に向けてまず何に取り組めば良いか、どんなレベルの問題が出るのか、どれくらい問題に正解すれば良いか、二次試験の面接にどう対策にすれば良いかなど、知識を十分に持っているでしょう。

この記事でお伝えしたことが、あなたの英語学習をより豊かにできれば幸いです。