おせち料理は、日本のお正月に欠かせないものですよね。昔はどの家でも手作りしていましたが、近年ではおせちを作らないお家も増えました。
また和食だけでなく有名シェフ監修の洋食や中華のおせち、またスイーツのおせちなど、さまざまな種類のおせちが登場し、手作りより購入するという人も多いようです。
さて、このおせちという日本の文化を英語で説明するとしたら、どう表現するのが良いでしょうか。
今回は、おせちにまつわる単語やフレーズをいろいろご紹介します。
お正月って英語でなんて言う?
お正月は英語で「New Year’s Day」といいます。元々は一年の始まりを表すもので、1月の別称でしたが、現在ではお正月の行事をする期間を指すようになりました。
過ごしてきた一年が無事に終わったことを感謝し、新たな年をお祝いをする行事です。元旦には新年を司る年神様のおもてなしをして見送るための伝統行事が数多くあります。年神様は、1年の幸せや健康をもたらしてくれるとされています。
By the way, what do people do for New Year’s Day in Japan?
訳)ところで日本ではお正月に何をするの?
New Year’s Day is the most important holiday for Japanese people. Many shops and companies are closed for the first few days of January and people spend with their families. Many people return to their hometown to spend the New Year’s holiday with their family and friends.
訳)お正月は、日本人にとって一年で最も大切な祝日です。年明けの数日間は、多くのお店や会社が閉まり、家族と一緒に過ごします。お正月休みに地元に帰省して家族や友人と過ごす人が多いです。
御節とはお正月のものではなかった?
御節(おせち)とは、そもそも季節の節目である「節」(せち)の日を指す言葉です。
節の日には、「ご節会」という儀式を行い、「御節供(おせちく)」と呼ばれる特別な料理を神様に供えていたそうです。その後、最も大切な節の日であるお正月の「御節供」を「御節」と呼ぶようになりました。御節は松の内にあたる7日、あるいは15日までの来客をもてなすものなので、もてなし自体を「おせち」と呼ぶこともあります。
What is Osechi-ryori?
訳)お節料理ってどういうものなの?
It’s a traditional Japanese New Year’s dish. It is an assortment of small dishes, each with a special meaning. It is then eaten to pray for good health, a good harvest, longevity, and prosperity of descendants for the year.
訳)日本の伝統的なお正月料理のことです。それぞれに特別な意味を持った小皿料理の盛り合わせです。そして、一年の無病息災や五穀豊穣、長寿、子孫繁栄などを祈願して食べるのです。
When do you prepare them?
訳)いつ準備するの?
We prepare them before New Year’s Day to avoid being busy on the first three days of the New Year.
訳)お正月の三が日が忙しくなるのを避けるため、新年を迎える前におせち料理を準備します。
海外のおせちを知りたい!
日本だけでなく、新年の前後を祝う風習が見られます。例えば、イタリアでは豚足の皮に豚挽肉を詰めた「ザンポーネ」にレンズ豆を煮込んだものを添えて食べますし、ロシアでは、牛肉や羊肉の挽肉を包んだ「ペリメニ」という水餃子を年末から新年にかけて用意します。
またアメリカ南部ではブラックアイドピーという黒目豆の煮込みの入った「ホッピン・ジョン」という料理を食べると、新年が幸せに過ごせるといわれています。
日本でいう「年越しそば」みたいなものはある?
大みそかには年越しそばを食べる風習がありますが、海外でも大みそかに行う風習はあるのでしょうか。調べてみると、スペインのマドリードでは、深夜12時に鳴るソル広場(プエルタ・デル・ソル)の時計台の鐘に合わせて12粒のぶどうを食べると、新年は縁起が良いといわれています。そのため、年末のスーパーや八百屋さんでは、ぶどうが目立つ場所に陳列されるそうです。でも、鐘に合わせてぶどうを食べるのは意外と大変なんだそうですよ。
伊達巻って英語でなんて言う?
伊達巻は英語で「sweet rolled omelet」といいます。伊達巻は、卵と魚のすり身、お砂糖を混ぜて焼き、渦巻のように巻いて仕上げた卵料理のことです。昔は勉強のために用いられていた巻物のような形状をしているため、学業成就の願いが込められています。また、その色合いからおせちに華やかさを加え、豪華に見せる役割もあります。他にも、伊達巻には卵を使っているところから子孫繁栄と、巻いて作るその形状から、家庭円満の願いも込められています。老若男女に人気のある一品です。
黒豆が詰められる意味を英語で説明したい!
おせちに使われる黒豆には、「まめ」に働く、「まめ」に暮らすという意味があります。
黒豆は甘くやわらかく煮て作りますが、その際も、関東では「しわができるまで元気で働けるように」という願いを込めて、わざとしわが寄るまで煮たり、やわらかく丸くなるまで煮たり、といった地域による特徴があります。ちなみに黒豆を煮る時に錆びた釘を入れるのは、縁起を担ぐためではなくきれいな黒色に仕上げるためですよ。
Kuromame (sweet black soybeans) is one of the most typical New Year’s dishes. The color black is believed to have the effect of purging evil spirits. Mame, or soybean, has the same pronunciation as another Japanese word meaning “diligence.”
訳)黒豆はお正月の代表的な料理のひとつです。黒い色には魔除けの意味があって、「マメ」は「勤勉」を表す「マメ」と同じ発音なので、食べるとマメになるといわれています。
Oh, is that so? I need to have many beans then.
訳)えっ、そうなの?じゃあ、いっぱい食べなきゃ。
栗きんとんがおせちに入っている意味を英語で説明したい!
栗きんとん(Kurikinton)は、漢字では「栗金団」と書きますが、これには「金の布団」とか「金の団子」という意味があります。見た目が黄金色であることから「金運上昇」を願い、おせちに詰められています。また栗を干してつき、殻と渋皮を取り去った物を「搗栗(かちぐり)」といいますが、「かちぐり」は「勝ち栗」とも読めるため、勝利への願いも込められています。
幸先の良い栗を年の始まりに食べ「勝負強い一年になるよう」縁起を担ぐ意味もあります。
“Kurikinton” is mashed sweet potato with sweet chestnuts. It’s said to raises money luck because of its golden color.
訳)栗きんとんは潰したさつまいもと甘栗でできています。黄金色をしているので金運が上がるといわれています
Then I better eat a lot. Right?
訳)じゃあ、いっぱい食べた方が良いよね。でしょ?
子孫繁栄って英語でなんて言う?
おせち料理に詰められる数の子はニシンの卵で、二親(ニシン)からたくさんの子が生まれることが由来となっています。一般的に関東では、「田作り、黒豆、数の子」の3種の料理とお餅が揃えばお正月を迎えることができるとされており、それらを総称して「祝い肴三種」と呼ばれています。 田作りは五穀豊穣、黒豆は無病息災の願いが込められており、お重に詰める際には一番上の重につめて新年を迎えます。
What is this yellow stuff?
訳)この黄色いのは何?
It’s Kazunoko. It is a lot of roe, so it means “descendants prosperity”.
訳)数の子です。たくさん卵があるので、子孫繁栄を意味しています
おせち料理を含めた日本の文化が、文化庁のホームページで紹介されています。英語版もあるので興味のある方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
お正月の食卓に欠かせないおせち料理。その中に詰められたお料理のひとつずつに願いが込められているなんてステキですよね。
時代の流れとともにおせちをお家で作らなくなってもおせちに込められた思いは忘れたくないものです。日本の文化に興味を持つ外国人は多いですから、ぜひ今回ご紹介した単語やフレーズを使って、日本のお正月の文化を教えてあげて下さい。もちろん、一緒におせちを美味しく味わいながら♪
Have a great time!