グローバル化が進み、子どもへの英語教育のニーズが高まっています。未就学のうちから英語に触れさせようと、プリスクールの人気も加熱。英語力を持った保育士の活躍の場が広がっています。
この記事では「保育士」や「幼稚園の先生」の英語での呼び方や、保育中に使える単語やフレーズをご紹介。さらに保育の英検「幼保英検」や、英語力を活かせる保育施設まで幅広く解説します。
英語教育に興味のあるパパ・ママにも役立つはず。この機会に、子どもの英語教育について考えてみませんか?
「保育士」って英語で何て言う?
「保育士」は、英語で”daycare teacher(デイケア・ティーチャー)”または”nursery teacher(ナーサリー・ティーチャー、ナースリー・ティーチャー)”です。”daycare”とはアメリカでよく使われる言葉で、保育園のことを指します。daycareで働くteacherで、保育士ですね。
一方イギリスでは、保育園を指す言葉としてdaycareではなく”day nursery”が一般的。そのためイギリスでは、nursery teacherを使う方が自然です。また、保育園には”nursery school”という言葉も使えます。
日本で「私は保育士です」と説明する場合には、どちらの言葉を使ってもOK。
I’m a daycare / nursery teacher.
訳)私は保育士です
”work”を使ってこんな言い方もできます。
I work at a daycare / nursery school.
訳)私は保育園で働いています。
「幼稚園の先生」って英語で何て言う?
「幼稚園の先生」は英語で”preschool teacher(プリスクール・ティーチャー)”です。英語では幼稚園のことを”preschool”と呼びます。
「私は幼稚園の先生です」と言いたい場合の英語はこちら。
I’m a preschool teacher.
訳)私は幼稚園の先生です。
I work at a preschool.
訳)私は幼稚園で働いています。
海外には、日本にはない「プレ小学校」がある
アメリカやイギリスには、日本にはない「プレ小学校」のような教育機関があります。そういった場所で働いている先生を表すときには、daycareやpreschoolではない単語が必要。
アメリカでは、日本の年長さんにあたる5歳児は”kindergarten(キンダーガーテン)”という場所に通います。kindergartenの多くは小学校に併設されており、子どもたちは入学に備え基礎的な学習を行うのです。
kindergartenはドイツ語で「子どもの庭」という意味。英語圏でも「キンダーガーデン」ではなく、ドイツ語のまま「キンダーガーテン」と呼ばれます。
イギリスにも同じような施設があり、”reception(リセプション、レセプション)”と呼ばれます。イギリスでは、小学校入学の年齢が日本より1年早い5歳です。そのため、入学前の4歳児たちが1年間receptionに通います。
したがって、kindergartenで働く先生は”kindergarten teacher”、receptionの場合は”reception teacher”ですね。
保育にまつわる英語表現
Please make sure to put his / her name on every item.
訳)持ち物全てに記名をお願いします。
Please make sure to arrive at the daycare before 9 tomorrow.
訳)明日は9時までに保育園に来てくださいね。
Let’s start potty-training this year.
訳)今年からトイレトレーニングを始めましょう。
What time will you pick up John today?
訳)今日は何時にジョンを迎えに来られますか?
Can you wait for your turn?
訳)順番を待てるかな?
Take turns, please.
訳)順番を守ってね。
Use your words.
訳)言葉で言ってごらん。
Use your gentle hands.
訳)やさしく使いましょう。
Aさん
Let’s go change your diaper.
訳)オムツを替えようね。
保育に英語を活かす「幼保英検」
幼児教育や保育に特化した英検があるのをご存知ですか?「幼保英検」という試験で、保育現場での英語運用力を証明するのに役立ちます。
ここからは「英語力を活かして保育現場で活躍したい」「子どもと英語で触れ合いたい」という人におすすめの、幼保英検について解説します。
幼保英検とは、幼児教育・保育の英検
「幼保英検」の正式名称は「幼児教育・保育英語検定」。幼稚園や保育園、こども園での英語コミュニケーション能力を測る試験です。
幼保英検は、園にいる乳幼児との英会話や外国人保護者への連絡など、実用的な英語力を身につけることを目的としています。具体的には、室内遊びや屋外遊び、お昼ごはんやトイレ、体調不良時の対応など。保育現場ですぐに役立つ英語表現を学べます。
「プリスクールで働きたい」「外国人の子どもが増えてきて、コミュニケーションに困っている」そんな保育士さんにぴったりの検定です。普段の生活で英語を使って、子どもの英語教育に役立てたいパパ・ママにもおすすめ。
試験内容
幼保英検には、1~4級があります。2級と1級の間には準1級が設けられており、全部で5級です。準1級と1級には二次試験があり、スピーキングテストが行われます。
4級
- 到達像:幼保英語士へのファーストステップ
- 推奨目安:中学初級~中級程度
- 出題内容:リーディング(50分)
- 出題目安:幼保英語習得へのきっかけとして、初歩的な単語、フレーズを理解でき、知識を有する。など
3級
- 到達像:英語を使う園でのチャレンジ
- 推奨目安:中学卒業程度
- 出題内容:リスニング(20分)、リーディング(50分)
- 出題目安:幼保英語の基本的な文法を理解し、定型的なフレーズを用いた表現でコミュニケーションが取れ、簡単な会話を聞き取ることができる。
2級
- 到達像:アシスタントティーチャーへの一歩、海外やインターナショナルスクールでのチャレンジ
- 推奨目安:高校中級~卒業程度
- 出題内容:リスニング(25分)、リーディング(50分)
- 出題目安:幼保英語に必要な文法知識を有し、コミュニケーションができ、簡単な文章作成ができる。など
準1級
- 到達像:アシスタントティーチャーへの指示、ヘッドティーチャーへ
- 推奨目安:大学中級程度
- 出題内容:リスニング(30分)、リーディング+ライティング(50分)、二次試験(10分)
- 出題目安:幼保英語を使った円滑なコミュニケーションと、幼児教育現場の活動における文章作成ができる。など
1級
- 到達像:幼保英語のエキスパートへ
- 推奨目安:大学上級程度
- 出題内容:リスニング(30分)、リーディング+ライティング(50分)、二次試験(10分)
- 出題目安:幼保英語を使って支障なく幼児教育現場で活動が行える。など
試験会場、日程、検定料
幼保英検は、会場だけでなくオンラインでも受けられます。試験日程は、春季・秋季・初春で年間3回です。検定料は下記の通り。
4級 | 3,500円 |
3級 | 4,000円 |
2級 | 4,500円 |
準1級 | 6,500円 |
1級 | 7,000円 |
保育士が英語力を活かして働ける場所
保育士が英語力を活かして働ける代表的な保育施設は、プリスクールとインターナショナルスクール。それ以外でも、英語教育を行っている園では英語力を活かせる場面があるでしょう。
プリスクール
英語のpreschoolは、日本では幼稚園にあたります。一方日本でいう「プリスクール」は、子どもたちが日常的に英語を使って過ごす保育施設です。対象は、英語を母国語としない日本人。
全てのコミュニケーションを英語で行う場合や日本語を併用する場合など、園によって英語の使用比率は変わります。ただ一般的な保育施設よりも英語に触れる時間が圧倒的に長く、子どもたちが自然と英語を身につけられる場所です。
保育士はネイティブ講師のサポートなどを行うため、日常会話レベル以上の英語力が必要です。
インターナショナルスクール(幼稚園部)
インターナショナルスクールは、英語を母国語とする子どもたちが通う場所。プリスクールが日本人の英語習得を目的としているのに対し、インターナショナルスクールは外国人が母国語で教育を受けるための施設です。幼稚園~高校まで通えます。
日本人を受け入れているスクールも多くありますが、保育中は全て英語。英語しか話せない保護者も多いため、より高いレベルの英語力が求められます。
まとめ
「保育士」と英語で言いたい場合は”daycare / nursery teacher”、「幼稚園の先生」の場合は”preschool teacher”です。
「早くから子どもに英語を習わせたい」と考える保護者が増える中、英語力は保育士の大きな強みに。幼保英検などを通じて英語力を磨き続ければ、プリスクールなど活躍の場がさらに広がります。
自宅保育を行う家庭でも育児に英語を交えれば、子どもの好奇心を伸ばせますね。ぜひ楽しみながら、保育にまつわる英語表現を学んでください。
【参考サイト】 幼保英語検定