よく、アメリカ人が気軽に面白がって言うことを「アメリカンジョーク」と言いますよね。しかしこれ、問題なのは日本人にとってはイマイチどこが面白いのかわからず、反応に困るという点。上手い返しもできないし、苦笑いをしたら変な空気になりそうと悩む場合は、まずアメリカンジョークの特徴を知るところから始めましょう。イギリスのブラックジョークや皮肉めいたものとはまた違う笑いのツボがあるので、その特徴を具体例と共にご紹介しますね。

アメリカンジョークの具体例

アメリカンジョークの特徴を説明する前に、まずは最初に具体例を見てもらってどんなジョークなのか知ってもらった方が話が早いです。ということで、以下の英語を読んで、できれば和訳を見ずに理解してみてください。レッツチャレンジ!

The balding middle-aged man asked his barber, “Why charge me the full price for cutting my hair — there’s so little of it.”

“Well, “said the barber, “actually I make little charge for cutting it. What you’re paying for is my searching for it!”

引用:American Jokes

どうでしょう。笑えましたかね。以下が日本語でまとめたものなので、イマイチわからなかったという方は参考にしてみてください。

床屋さんで、ほとんど髪の毛がない人が「なぜ普通の人と同じ料金なんですか?」というと、床屋さんが「あなたの髪の毛を探す料金ですよ!」と言い返しました。

では他の例もご紹介しましょう。

Early one morning, a mother went in to wake up her son.

Aさん
Wake up, son. It’s time to go to school!
Bさん
But why, Mom? I don’t want to go.
Aさん
Give me two reasons why you don’t want to go.
Bさん
Well, the kids hate me for one, and the teachers hate me, too!
Aさん
Oh, that’s no reason not to go to school. Come on now and get ready.
Bさん
Give me two reasons why I *should* go to school.
Aさん
Well, for one, you’re 52 years old. And for another, you’re the PRINCIPAL!

引用:American Jokes

これも日本語訳なしで読んで笑えるものだとわかったら、アメリカンジョークの特徴がつかめてきたという証拠ですね。以下に日本語訳も載せておきます。

ある朝、お母さんが子供を起こそうとしています。

なかなか起きません。そこで、

Aさん
学校へ行きたくない理由を2つあげなさい。
Bさん
生徒に嫌われている。そして先生も僕のことを嫌いなんだ。
Aさん
そんなの理由じゃない!
Bさん
じゃあ、なぜ僕は学校にいかなければならないの?2つ理由を教えて!
Aさん
ええとね、あなたは52歳。そして、校長だからよ!

オチが来るまでは普通の文章ですが、her sonという言葉や、小学校に行きたくないという言葉からどうしても小学生を想像してしまいますよね。そこを上手く突いたジョークでした。

アメリカンジョークの特徴

アメリカンジョークの特徴

先ほどご紹介したアメリカンジョークの具体例のように、アメリカンジョークには日本で言うところの大喜利チックなニュアンスがあることがわかりました。これぞアメリカンジョークの特徴ですね。

この特徴がわかっていれば、例えば海外ドラマや洋画を英語で見た時にアメリカ人の笑いのツボがわかるようになります。感覚的にわかるというよりは論理的にわかるというレベルでしょうけれど、笑いの違いは文化の違いなのでこれはいささか仕方ありません。

しかしこのアメリカンジョークの流れ、結構リアルでもあります。なんて頭の回転が速いんだとこちらが関心してしまうほどのスムーズなアメリカンジョークを繰り出せる人が多く、何か学校でアメリカンジョークの特殊訓練でもしたのかと思ってしまうほど。

そしてこれは日本で言うところの大喜利に近いのではないかと感じます。ということは、普段から大喜利が得意な人はアメリカンジョークも得意・・・?もし笑点の皆さんが英語が堪能だったら上手いこと言えるのではなんて思ってしまいます。相手の言葉に対してどのように面白く返せるかが勝負ですね。

knock-knock joke(ノックノックジョーク)とは

knock-knock joke(ノックノックジョーク)とは

さて、アメリカンジョークをご紹介しましたが、ここからは英語圏の定番ジョークであるノックノックジョークというものをご紹介しましょう。なぜノックなのかというと、ドアの内側にいる人と、ダジャレを言うドアの外にいる訪問者という設定があるからです。

これも日本人が笑いのツボを理解するのは難しいものもあるので、やはり文化の違いを感じられるものとなっています。ノックノックジョークの具体例もご紹介しましょう。

Bさん
Knock Knock.
訳)ノック・ノック。
Aさん
Who’s there?
訳)どなた?
Bさん
Lettuce.
訳)レタスだよ。
Aさん
Lettuce who?
訳)レタスって?
Bさん
Lettuce come in!

これは日本語訳を一緒に書きましたが、これには意味があります。日本語訳に頼って読んだ人は、このノックノックジョークのどこが面白いのかまったく理解できなかったはずです。しかし、英語を頼りに読んだ人ならもしかしたらあることに気付いたかも・・・!

笑えるところを説明すると、最後の ‘Lettuce come in!’ は、 ‘Let us come in!「私たちを中に入れてよ!」’ と言うべきところなのですが、音が似ているので Lettuce「レタス」と Let us「レット アス」をかけているのです。このジョークは聞いたり自分で声に出して読まないとオチに気づけないかもしれませんね。

このように、最後にジョークを言ってオチをつけるのがノックノック・ジョークのお決まりなのです。自分で作ろうと思うと難しいですし、英語圏では定番と言われていても一定のレベルとウィットへの理解がないと笑えるところまでいきませんね。

まとめ

イギリスのジョークとはまた違ったニュアンスを持つアメリカンジョーク。具体例を見てなんとなくその笑いのツボは理解できたでしょうか。一度読んだだけでは「え・・・?」とわからなくても、説明されるとわかるものも多いです。他にも世界各国のジョークを調べてみると、お国柄が出ていて笑えるというよりとても興味深かったりします。英語圏の人でもジョークのすべてを知っているわけではないので、もしオンライン英会話などで外国人の方と話す機会があれば、1つ覚えて披露してみてはいかがでしょうか。果たして笑ってくれるのか、それとも感心してくれるのか・・・!