昨今、クリティカルシンキングやロジカルシンキングなどが注目を集めていますが、実際どのようなものなのか具体的にはわからないという方も多いでしょう。
そこで、今回はビジネスや教育現場でよく耳にする”Critical thinker”や”クリティカルシンキング”について解説します。
さらに、クリティカルシンキングと併せて注目されているロジカルシンキングとの違いについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Critical thinkerとは?
Critical thinkerとはcritical thinkingをする人、その概念を徹底している人を意味しています。あまり聞きなじみがない言葉ですが、近年注目を集めているワードといえるでしょう。
ただ、critical thinkerの意味や概念を理解するには、そもそものcritical thinking (クリティカルシンキング)の意味を理解しなければなりません。
というのも、critical thinkerというのはthink「考える」という動詞にerがついて、「考える人」となっているだけなのです。
つまり、critical thinkerというのはcritical thinkingをする人という意味なので、もともとの意味を理解する必要があります。
クリティカルシンキングとは?
ここではクリティカルシンキングの意味をみていきましょう。
クリティカルシンキングとは、日本語で「批判的思考」と訳されます。
批判的思考と聞くと、いつも批判してばかりで、あまり良いイメージがないかもしれませんが、実際はそうではありません。
クリティカルシンキングというのは、ある物事に対して「本当にこれでいいのか」「本当にこれは正しいのか」という視点から物事を考えるというのが基本的な概念です。
つまり、「批判」するというわけではなく、ある物事に対して、なぜそうなるのか、どうしてそういう主張になるのかを事件等するというものなのです。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いは?
クリティカルシンキングと似た言葉でロジカルシンキングという言葉があります。
ロジカルシンキングについても聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
では、クリティカルシンキングとロジカルシンキングにはどういう違いがあるのでしょうか。
まず整理しておくと、クリティカルシンキングは”物事の本質を見極めること””本当にそうなのかを検討すること”を意味しています。
一方、ロジカルシンキングは”物事に筋道を立てて検討すること”を意味しています。
それぞれ、似ているようで実はまったく性質が異なる考え方なのです。
具体例
ここでは、クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いの具体例を紹介します。
- 広告Aに掲載すると、問い合わせが50件ある
- 広告Aのうち、プランaとプランbの実行にそれぞれ100万円の広告費がかかっている
- プランaからは40件、プランbからは10件の問い合わせがある
【クリティカルシンキング】
- そもそもどれくらいの問い合わせを期待するのか
- 合計200万円の広告費で問い合わせが50件というのは、問題ないのか
- 広告A以外の方法がある場合、そちらの効果はどうなのか
- プランaとプランbの問い合わせ件数の違いだけを見るのではなく、それぞれの成約率はどれくらいなのか
【ロジカルシンキング】
- 広告Aのプランaとプランb、いずれも同じ費用なら、プランaのほうがより多くの問い合わせ件数につながっているので、プランaのみに切り替えたほうがよい
以上のように、クリティカルシンキングとロジカルシンキングには考え方に明確な違いがあります。
ただ、いずれも大切なプロセスではあるので、どちらの方法も身につけておくとビジネスや教育のシーンで活用できるでしょう。
クリティカルシンキングのステップ
では、実際にクリティカルシンキングを活用する4つのステップをみていきましょう。
目標の明確化
クリティカルシンキングを実施する上で、まず重要なのは目標の明確化です。
なにを達成したいのか、どういう状況を実現させたいのか、など目標を具体的に決めるところからはじめましょう。
現状分析
目標を明確に決められたら、現状分析を行います。
目標に向けて、現在の状況を詳しく解析していかなければなりません。
この際、注意すべきなのは事実をベースに分析していくことです。
現状分析には個人の主観をいれずに、客観的事実をもとに調査していかなければなりません。
課題発見
次に課題発見のステップを進めていきます。
最初のステップで明確にした目標と現在の状況にどのような違いがあるのかを具体的に明らかにしていきます。
解決策の検討
最後のステップでは、課題発見のステップで明らかになった違いをどのように解決していくかを検討していきます。
目標と現況の違いを改善するためには、どうすればよいのかを具体的に考えていかなければなりません。
その際、目標と現況の違いは、どのくらいのボリュームなのか、何がどのように違うのかを具体的にとらえる必要があるでしょう。
また、解決策を検討する上で重要なのは、いつまでに改善したいのかを決めることです。
ある程度期間を決めておかなければ、どういう対策が適切なのか判断することが難しいでしょう。
したがって、解決策を検討する上で、期間設定も必ず行いましょう。
グローバルに活躍するにはクリティカルシンキングが必要?
そもそも、クリティカルシンキングという考え方は日本で必要なことなのでしょうか。
結論からいうと、クリティカルシンキングは非常に大切な考え方だといえます。
これは日本のビジネスシーンだけでなく、今後拡大するであろうグローバルな社会において、より重要視されることが予想できるからです。
というのも、アメリカなどの欧米諸国では、クリティカルシンキングが重要視されており、MBAはもちろん、それ以外の大学でもクリティカルシンキングを身につけるためのカリキュラムが開講されています。
日本ではまだまだ浸透していないクリティカルシンキングですが、欧米ではスタンダードな思考といえるでしょう。
今後、グローバル化が進み、より多くの日本企業が世界進出することを鑑みれば、クリティカルシンキングという考え方は非常に大切だといえるでしょう。
さらに、外国人が日本企業で働いているという現状があるので、日本人もクリティカルシンキングを身につけて、どんどんグローバルな社会に溶け込んでいく必要があるのかもしれません。
まとめ
今回はクリティカルシンキングについて紹介しました。
日本では、まだまだなじみの薄い考え方かもしれませんが、グローバル展開を進めていく上では非常に重要な考え方です。
物事の本質を捉えた上で、なぜそうなるのか、本当に正しいのか、という視点を持つということは、どのようなシーンでも成長につながると考えられています。
したがって、ビジネスシーンだけでなく、教育現場においても、ますます注目を集めると予想できます。
英語学習には直接的に関係があるわけではありませんが、グローバル社会の中では非常に重要な考え方といえるでしょう。