今回のテーマは「外観」です。外側から見た印象を英語で何と言うのか、詳しく確認していきます。

また、似た表現である「見た目」や「外見」についても取り上げます。それぞれの違いも説明するので、これら3表現の使い分けが曖昧な人は、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「外観」は英語で何て言う?

「外観」は英語で何て言う?

日本語の「外観」という言葉は、主に建物や自動車などの「物」の見た目を表します。その点で言うと、英語で外観を表す際は “exterior” が適切だといえるでしょう。

exterior の発音記号は「ɪkˈstɪriər」、カタカナだと「エクステリア」と読みます。ex- の部分が「外側」を意味しており、建物や自動車などを外から見た際の印象を表します。外観以外に「外装」と訳してもよいでしょう。

Aさん
The exterior of your house looks really impressive.
訳)君の家の外観はとっても立派だね。
Bさん
Thank you. I put in money specifically for the exterior.
訳)ありがとう。とりあえず外観にだけはお金をかけたんだ。

 

外観の反対語は内観?

外観の反対語を単純に考えると「内観」となりますが、これは宗教や哲学において自分を顧みる行為を表す言葉です。そのため、日常会話で使うことはまずありません。

ちなみに内観は英語だと “introspection(イントロスペクション)” や “self-reflection(セルフリフレクション)” などと表現します。

普段使う「外観」の反対語としては「内装」の方が適切です。英語では “interior(インテリア)” と言います。

日本語でインテリアというと、家具や調度品の印象が強いですが、英語では内装自体も表す広い意味を持つ単語です。

Aさん
Can you show me the interior of your house?
訳)家の中(内装)を見せてもらってもいいかな?
Bさん
Sure, come on in.
訳)いいよ、入って。

 

Aさん
What’s this? There’s no furniture or decorations at all.
訳)何これ?家具も調度品も何もないじゃん。
Bさん
Didn’t I tell you? “I put in money specifically for the exterior.
訳)言ったでしょ?「とりあえず外観にだけはお金をかけた」って。

 

外観の関連表現

日本語には「外観○○」と、外観関連の言葉に多くのバリエーションがありますが、ここでは代表的なものを英語で何と言うか確認しておきましょう。

日本語 英語
外観デザイン exterior design
外観写真 exterior photograph
外観保全 exterior maintenance
外観改装 exterior renovation
外観検査 visual inspection

これらのうち、最後の「外観検査」だけは exterior でなく visual(視覚の)が使われています。

外観検査とは、製造メーカーが部品や製品などの品質をチェックする検査です。そのため、単に外側の見た目だけでなく、傷や欠け、汚れなどがないかの品質チェックもしなければならないため、visual が適切だといえます。

「見た目」や「外見」は英語で何て言う?

「見た目」や「外見」は英語で何て言う?

外観と似た意味を持つ言葉として「見た目」や「外見」が挙げられます。実際、日常生活ではこれらの表現の方が使用頻度が高いといえるでしょう。

「見た目」や「外見」を英語で表す際は “appearance” や “look(looks)” を使うのが一般的です。それぞれの詳細を確認していきましょう。

「見た目」「外見」①:appearance

“appearance” は、人や物の見た目の印象を表す際によく使われる表現です。発音記号は「əˈpɪərəns」、カタカナで表すと「アピアランス」になります。

appearance は「現れる」という意味の “appear” の名詞形です。そこから、人や物の外側に現れ出た印象を表します。たとえば、”the appearance of a car(自動車の見た目)” や “the appearance of the actor(その俳優の外見)” などと使います。

また、形容詞を添えて「○○な外見(見た目)」とすることも可能です。具体例は以下の通り。

  • 魅力的な外見:attractive appearance
  • 整った外見:tidy appearance
  • モダンな外見:modern appearance
  • 実用的な外見:practical appearance
  • 風変わりな外見:quirky appearance

先述の exterior の場合、主に建物や自動車の外観のみを表し、人の外見や見た目を表すことはありませんでした。しかし、appearance は物か人かに限らず、あらゆるものの見た目の印象を表す際に使用できます。

Aさん
I think appearance is everything, for both people and things.
訳)人も物も、見た目が全てだと思う。
Bさん
I don’t think so.
訳)僕はそうは思わないな。

 

「見た目」「外見」②:look(looks)

“look(looks)” は、主に人の見た目(外見)を表す際に使われる表現です。念のため、発音記号は「lʊk」で、カタカナ表記だと「ルック(ルックス)」となります。

look といえば「見る」を表す基本動詞として有名ですが、名詞として使うとこのように、見た目や外見を表すことができます。日本でも人の外見を「ルックス」と言いますよね。それとほとんど同じニュアンスです。

Aさん
Looks are the only thing I look for in a marriage partner.
訳)結婚相手に求めるのは見た目だけ。
Bさん
You’re unwavering, huh.
訳)ブレないなー。

 

なお、単数形の look と複数形の looks はどちらもよく使われますが、髪型や服装などの見た目なら look、顔立ちなどを含めた見た目なら looks を使うケースが多いようです。

Aさん
I like your look, but I’m not a fan of your looks.
訳)あなたの服装(look)は好きだけど、容姿(looks)は好みじゃないの。
Bさん
You crammed those words into a single line. And that’s harsh.
訳)無理やり1文に詰め込んだなー。そしてひどい。

 

また、先述の exterior や appearance は物の外見を表すことができましたが、look(looks)は基本的に人の外見を表します。最後に、それぞれの違いを表にまとめておきましょう。

英語表現 訳語 意味・ニュアンス
exterior 外観、外装 主に物の外見の印象やデザインを表す。少し硬い表現。
appearance 外見、見た目 人や物の見かけの印象を表す。
look(looks) 外見、見た目 主に人の外見の印象を表す。少しカジュアルな表現。

「~に見える」は英語でなんと言う?

「外観」や「外見」を英語でなんと言うかを解説してきましたが、「~に見える」は英語でなんというでしょうか? いくつか使える表現があるので紹介します。

○○ look …

これは「~に見える」という最も一般的な表現です。例文を見ていきましょう。

Aさん
She looked so happy when she took the highest score of an English test in her class.
訳)彼女は、英語のテストでクラスで最高点をとったとき、とても嬉しそうに見えた。

「look + 感情を表す形容詞」で、「~そうに見える」という表現はよく使われます。

Aさん
He looks like someone I saw in a movie.
訳)彼は私が映画で見た誰かのように見える。

「look like 名詞」で、「名詞のように見える」という意味ですが、とどのつまり「~に似ている」という意味になりますね。

○○ seem …

「○○ seem … 」も「…に見える」という意味でも使われますが、「…に思える」という意味にもなり得ます。例文を見ていきましょう。

Aさん
You seem happier than usual today.
訳)今日、あなたはいつもより嬉しそうに見える。

この文では、”seem”と “look”に置き換えても同じ意味になります。

Aさん
He seems to be struggling with his new responsibilities.
訳)彼は、彼の新しい責任と闘っているようです。

“seem” + 形容詞だけでなく、”seem to …” で「~のようだ」という表現も使えます。さらに、この文は、次のように It seems that …という文にも書き換えられます。

Aさん
It seems that he is struggling with his new responsibilities.
訳)彼は、彼の新しい責任と闘っているようです。

Aさん
You seem to have forgotten my name.
訳)あなたは、私の名前を忘れちゃったようです。

Bさん
I’m terribly sorry. Could you tell me your name again?
訳)本当に申し訳ない。あなたの名前をもう一度教えてもらえませんか。

“seem to” の後には、動詞の原形が来ますが、「過去に~した」や「(現在までに)~してしまった」と言いたい場合には、”seem to”の後に have + 過去分詞を持ってきます。

○○ appear …

appearance「外見」を動詞にすると “appear”で、「○○ appear … 」も「…に見える」という意味で使われます。例文を見ていきましょう。

Aさん
They appear tired after the long journey.
訳)彼らは、その長い旅の後、疲れて見える。

appear も、seemと同様に、その後に to 不定詞をとることができます。

Aさん
The situation appears to be under control now.
訳)その状況は、今収束しているように見える。

この文も、It appears that …という文に書き換えることができます。

Aさん
It appears that the situation is under control now.
訳)その状況は、今収束しているように見える。

「一見すると」は英語でなんと言う?

「一見すると」は英語でなんと言う?

次は、「一見すると」や「外見的には」を英語でなんと言うかを解説します。先ほど紹介した表現を副詞にして使うことになります。

seemingly

“seemingly”は「一見したところ」「見かけ上は」という意味でよく使われる副詞です。

Aさん
The task was seemingly impossible, but they accomplished it.
訳)そのタスクは一見したところ不可能だったが、彼らはそれを達成した。

この文は、seem to を使って書き換えることもできます。

Aさん
The task seemed to be impossible, but they accomplished it.
訳)そのタスクは一見したところ不可能だったが、彼らはそれを達成した。

“seemingly”と使った文の方が思い浮かびづらいですが、seeminlyは形容詞を修飾して使うことができます。

Aさん
She had a seemingly perfect life, but she struggled internally.
訳)彼女は一見したところ完璧な生活を送っていたが、内面はもがき苦しんでいた。

seemingly は、形容詞の前に置くだけで「一見したところ」という意味を付け加えられる便利な副詞で、ネイティブ(特にインテリ層)はよく使う表現です。

apparently

“apparently”も「見たところ」や「見かけ上は」という意味で使われる副詞です。

Aさん
He was apparently unaware of the situation until it was too late.
訳)彼は見たところ、手遅れになるまで、その状況に気付いていなかったようだ。

Aさん
She’s apparently the most talented artist in her class.
訳)彼女は見たところ、クラスで一番才能があるアーティストのようだ。

apparentlyも形容詞の前に来ることもありますが、動詞を修飾することもあり、seeminglyと決定的に違うのは、文頭に来ることもあり得るということです。

Aさん
Apparently, they’ve been friends since their childhood.
訳)どうやら、彼らは子供時代からの友達のようだ。

まとめ

今回は「外観」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。

外観は英語で “exterior” と表現します。ただし、日本語の外観という言葉と同様、exterior は少し硬い印象の表現です。そのため、日常的に「見た目」や「外見」を表現する場合は “appearance” や “look” が適切でしょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!