皆さんは英語さえ通じない場面に出くわしたことがありますか。
お互い全然意思疎通ができなくて、独り言を発するしか間がもたなかったりしますよね。
今回のテーマの「フランス」ではどうでしょうか。
この記事では、フランスに行くにあたって、英語が通じるのかを中心に考察しました。
ポイントとなる、フランス人の発音の特徴にも目を通します。
合わせて、フランス語と英語の深い関係もサクッとまとめました。英単語の学習に役立つので、ぜひ読んでみて下さいね。
フランス関連の基本英単語
「フランス」は英語で“France”ですね。発音はどちらかというと「フラーンス」に近く、「ラ」を強調します。
「フランス語」、「フランスの物」は“French”です。
なお、フランスの正式名は「フランス共和国」で、英語で“The French Republic”といいます。
さらにマメ知識ですが、「フランス」という名前は、5世紀末にフランク王国を建てたフランク族の呼び名に由来します。
フランク族は、「フランカ」と呼ばれる投げ槍(やり)を主要武器としていたことからそう呼ばれたそうですよ。
さて、「パリ」は英語で”Paris”ですね。発音は「パリス」。いつものことですが、”R”の発音は舌を巻くのをお忘れなく。
この”Paris”、フランス人は何と「パヒ」と発音します。後述しますが、フランス語の”R”の発音は日本語とも、英語とも違うのです。
Have you been to France before?
訳)フランスに行ったことある?
No, I haven’t. It’s my dream to go to Paris someday.
訳)無いよ。いつかパリに行くのは僕の夢だよ。
フランス人の英語力はどれくらい?
それでは、フランス人の英語力と特徴的な発音について考えていきましょう。
フランス人の英語力
とある語学指導団体が提供する、国ごとの英語力を数値化した“EF EPI (English Proficiency Index)”という指標があります。
ライティングやスピーキングのアウトプットの部分が考慮されていない点は留意すべきですが、ざっくりとした見解を得るのに役に立ちます。
2021年のこの指標によると、対象の全112ヶ国中フランスは31位、ヨーロッパ内では35ヶ国中24位だそうです。
世界全体だと上位3割に入るものの、ヨーロッパ内だと「中の下」といったところです。
「北ヨーロッパには適わないが、イタリヤやスペインよりは少し上」というのが、私自身の個人的な感覚でもあります。
実際のところは、フランスで英語が通じるかどうかは行く場所によってもちろん変わります。
パリなどの観光地でも、観光客が出入りするホテルや名所では英語OKでも、小さい商店や喫茶店ではNGということも。
という私も、10ヶ月程度フランスに交換留学をさせてもらった経験があります。
“Cité Universitaire”という広大な寮の施設に住むことができたのですが、各国の留学生が暮らしていました。
素敵な場所なので、パリ訪問の際は立ち寄ってみることをおススメします。
パリでの印象は、観光客ならまだしも、しばらく住む上で英語で押し通す人はあまりいないと感じました。
Can you say that in English again please? I don’t speak French.
訳)英語で言ってもらえますか?フランス語は話せないんです。
I’m sorry but I don’t know French. Do you have an English menu?
訳)すみませんが、フランス語は分からないんです。英語のメニューはありますか?
フランス人の発音
フランス人の英語は一般的に、アクセントが強いとされています。
フランス語の発音で特に特徴的なのが、”R”と”H”です。“Ra” は「ハ」”Ha”は「ア」の音になるのです。
余談ですが、学生時代に、留学生が日本語の授業を受けているのを垣間見たことがあります。
先生の「ら・り・る・れ・ろ」を真似て、フランス人の生徒は「は・ひ・ふ・へ・ほ」と続くのです。
先生がもう一度正す様に「ら・り・る・れ・ろ!!」と言うと、その生徒も「は・ひ・ふ・へ・ほ!!」。
違う音を出しているという認識はない様でした。発音で苦労しているのは日本人だけでな無いんだなと、何だか安心してしまいました。
一例ですが、フランス人が発する下記の英単語はこうやって聞こえることがあるでしょう。
- Train 「トヘイン」
- Rabbit 「ハビット」
- Hangry 「アングリー」
- Happy 「アピ―」
フランス語・ラテン語・英語の関わり
さてここで、フランス語と英語の関係を整理したいと思います。英単語を覚える手助けになりますよ。
英語とフランス語は同じ印欧(いんおう)語族というくくりに入りますが、下記の様にその中の語波で分かれています。
- イタリック語波派 フランス語、イタリア語、スペイン語など(口語ラテン語が起源)
- ゲルマン語派 英語、ドイツ語、スカンジナビア言語、オランダ語など
つまり、遠い親戚の様な関係です。
ところが語彙だけを見ると、現代英語にはフランス語やラテン語由来の単語が沢山交じっているのです。これには下記の様な歴史的背景が絡んでいます。
- 中世(11世紀~15世紀頃)のイギリスの支配者層にフランス話者が沢山入ってきた。
- ルネサンス期(14世紀~16世紀頃)に、格上の響きをもった語彙の必要性からラテン語やギリシャ語の単語を多く取り入れた。
例えば下記は全て「助ける」という意味ですが、由来が違うため「堅さ」が異なるのです。
help(本来の英語)- aid(フランス語)- assistance(ラテン語/ギリシャ語)
どうりで英語には類義語が多い訳ですよね。小難しい感じの単語は、ラテン語/ギリシャ語由来のことが多い様です。
こうやって英単語の温度感まで分かると、ニュアンスがより理解できますよね。
フランスの人口や衣食住情報を英語で
最後に、フランスの人口や衣食住に関する基本情報を英語で言ってみましょう
- The current population of France is about 65,000,000 based on statistics from the latest United Nations data.
(訳)最新のUNデータの見積もりによると、現在のフランスの人口は約6,500万だ。 - France is Europe’s most important agricultural producer.
(訳)フランスはヨーロッパの最も重要な農産物生産国だ。 - The French love eating out, so everywhere you encounter bistros, bars, StreetSide cafes and restaurants.
(訳)フランス人は外食が大好きなので、あちこちでビストロやバー、オープンカフェ/レストランに出くわす。 - In France, there are many traditional dishes, some of which you might know as they are popular all over the world such as Ratatouille and Bouillabaisse.
(訳)フランスには多くの伝統料理がありますが、ラタトゥイユやブイヤベースなどは世界中で人気でおそらくあなたも知っていることでしょう。
まとめ
フランスの観光名所に行くのであれば、簡単な会話であれば英語でしのぐことも十分できそうです。
ただし、フランス人の発音は特徴的な部分があるので、その点は抑えておかないとヒアリングで苦労するかもしれません。
一方で、お互い英語のネイティブではない方が、テンポも速すぎず、意外と会話し易かったりすることもあると思います。
フランスの方々との英会話、ぜひ積極的に楽しまれて下さいね。